ひとりごと


お題

養殖vs天然 ORAの実力は如何に!?

養殖と言えば、ハマチ。

無論、関係ない。養殖は養殖でも、カクレクマノミの養殖である。
無論、食用ではない・・・。

もともと、市場に流通している熱帯魚、特に海水魚はその殆どが天然、つまり海で採種されたものです。
問題は3つ。
  • 採種時に弱っている
    採種方法にはいろいろあるようですが、特に価格の安い魚たちは薬品の散布で浮き上がってきたものをすくい取る方法が採られています。当然採種中に弱らせている以上、その後の輸送や環境変化で調子を崩しているものが少なくないわけです。
  • 餌付けが難しい場合がある
    人間も、食事が変われば調子を崩します。最悪の場合は絶食になってしまいますが、魚も同じ。自然界にはない人工フードには見向きもしないケースも多々あります。こうなると餌付けも一苦労。
  • 自然破壊
    乱獲の懸念はご存知の方もおられるかと。実際、カクレクマノミは人気急上昇で乱獲状態にあるようです。(もっとも、業者の全てが手当たり次第に捕獲してるわけではなく、若いのは採らない分別はしてるらしいが・・・。)
さて、天然に問題があるならハマチのごとく養殖してしまえば良いではないか、と考えるわけですが、実際に養殖の例は多くない。恐らくコストが合わないのだと思われるが、実際に養殖されたカクレクマノミは売られているのである。

ORAの実力
ORA(OCEANS REFFS & AQUARIUMS)というのを、最近熱帯魚雑誌でも見掛ける。アメリカの養殖組織なのだが、ただの養殖業者ではなく、海洋学研究機関らしい。詳細はORAのサイトを見て貰うとして、養殖ものの実力はどんなものなのか。

養殖は丈夫さがウリ

そんなわけで、いつものショップには浮気してすまないなぁと思いながらも、入れてみた。
ORAカクレクマノミ001 左がORAの養殖、右が天然(多分石垣産)。
色が養殖の方が濃いのだが、これは元々の採種地の違いによるものと思われる。

さてさて、実際の実力面であるが、まず餌の食いが良い。わが家に来た個体全てが初日から人工フードをガンガン食べたのである。人工フードで育ってるのだから当たり前ではあるが。天然ものではなかなかこうはいかない。
これは投入初期の体力低下を防ぐためにも大事なことと考えられる。
ただ、逆に冷凍のブラインシュリンプをなかなか食べなかった。逆に天然物の餌を食べてないからと思われるが、これは通常あまり問題にはならない。

また、死亡率が低かった。これに関しては自慢にならない話かもしれないが、わが家へ来たカクレクマノミが最初の1週間を乗り切る確率はざっくり統計で約7割ほどであった。ORAは1匹死んで約9割である。これもたまたま集中的に虐められて深手を負ってしまったのが原因と思われ、大所帯にしなければパーフェクトであったと考えられる。

体の特徴としては全体的に大きさも揃っていて、痩せている個体は非常に少ない。うちのような大所帯では虐めが集中しないのでありがたい。
また、たまにイレギュラーバンドの個体もいるようだ。

ORAカクレクマノミ002 左上の個体は白いバンドが途中で途切れています。
たまにこういう個体が現れるようですが、ショップによっては他より高い値で売られる場合もあるようです。

写真は「少」の字を描き餌が少ないと抗議するカクレクマノミ達。(大嘘

イレギュラーバンドはショップによっては高値を付けているケースもあるようだが、この個体はプチイレギュラー(!?)なので一般と値が変わらなかった。
さて、その価格であるが、天然物の約2倍。これを安いと見るか否かは考え方次第。私はその丈夫さ、餌付けの容易さを考えるだけでも充分にお買い得だと考える。絶対的な流通量が少ない問題があり、地域によっては入手が難しいのが惜しい。

結局どうなの?
そんなわけで、現状手に入れることが出来るカクレクマノミの中では一番飼いやすいとは言える。特に初心者にはお勧め。採種地による微妙な違いとか、相当マニアックな世界に足を踏み入れなければ充分である。

問題は、取扱店が少ないことだぁね。どこでも買えれば良いのだが、当面それは無理っぽい。

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