ショップ選びは大事だぞ

海水魚をキッチリ取り扱ってること

カクレクマノミを扱っているお店であることが前提です。・・・当たり前ですね。

ところが、実は熱帯魚屋さんでもカクレクマノミのような海水魚を必ず扱っているとは限りません。淡水魚専門というところも多いのです。
この空前のカクレクマノミブームで急遽取り扱いを始めた所があったなら、そこは避けましょう。
私自身、淡水魚も海水魚も中間の汽水魚も飼ってますが、淡水魚のノウハウでは海水魚を語れません。つまり、淡水魚専門店でいきなり海水魚を扱っても、そこには海水魚飼育のノウハウが無い、と思います。
そんなお店で店員の言われるがままに道具と魚を揃えても、良い結果が出るとは思えませんし、その後のケアも期待できないでしょう。

低価格を警戒せよ

さて、次に扱ってるショップの中からどこを選ぶか、です。

店頭に「カクレクマノミ飼育セット」なんてのを10,000円以下で置いている所はやめましょう。
いかにも簡単に飼える事をアピールしてるようなものです。安価である以上、初心者に大量に捌くことも念頭に置いてますね。こんなお店の魚は仕入れてすぐに売られるでしょう。
魚は運搬中にかなり弱っています。当然病気にかかりやすく、通常はショップでその体力回復をし、残念ながら弱い魚はその間に淘汰されるのですが、仕入れから販売までの時間が短いほど、弱ったり病気の魚を手に入れる率が高くなるのです。

昔、海水魚飼育は非常に難しいとされていました。最近は道具の発達や飼育ノウハウが蓄積され、以前よりは簡単になりました。しかし、初心者が30cm程度の小型水槽に小型外掛けフィルタで安易に飼えるわけではありません。プロなら知ってる当たり前の話です。
そんなショップからまともなアドバイスが貰えるんでしょうか？
これ、店が大きいところでも雑誌に載ってる有名店でもやってるところがあるので、じつに困ったものです。

また、現在カクレクマノミ相場はやや高騰しているようですが、それでも1000円前後です。これを大幅に下回るお店は警戒しましょう。
なんでそんなに安いのか。考えるに、前述の通り、仕入れから販売までの期間が短いほどお店で死ぬ魚が減る。逆に言えば、お店でちょっと様子を見てる所は売る魚が減る。つまり単価アップは避けられない。そう考えられないでしょうか?
私の知る限り、同じ魚で同じ採種地であれば仕入れ価格に大きな差はないのです。なのに最大で販売価格は倍近い差になるのですから、両者が同じ条件だったら不思議ですよね。

質問をして反応を見よう

店員さんのスキルを見てみましょう。

あなたが店員さんに付け焼き刃な知識で知ったかぶっても見破られるので、ここや他のサイトで見たことなどは一切口に出さずに全く知らないふりをして、「カクレクマノミを飼いたいんですけど、１から教えてください！」と聞いてみましょう。

良心的なところであれば必要な道具から飼うまでの手順、注意事項などをちゃんと教えてくれます。いろいろマイナスな情報も言って、「やるからにはキッチリ飼ってこれを機に海水魚飼育を長く楽しんでもらいたい！」、な〜んて事を力説するくらいならバッチリです。
でも、そこで簡単に飼えることを平気で言うようなら、ダメ^2。
しつこいようですが、簡単ではありません。

近いことも意外と大事

お店との距離は信頼度だけで測れません。実際の距離も大事。

魚は移動中にもストレスを受けます。
距離が短ければ、移動時間も短く当然受けるストレスも減ります。
その要因は温度変化が一番影響しているようです。夏場に限らず車内温度はかなり変化します。水温変化を極力抑えるべく、保温容器を用意するくらいの気遣をし、帰りは寄り道せず家へ直行するのは言うまでもありません。

水も変わる場合があります。
飼育に使う海水は、元はといえば水道水です。水が変わることも、魚には体力消耗の原因になるようです。
水道水なんて、どこも一緒では？
違うんですね、これが。
水源の違いで水質は当然変わります。なるべく同じ所の水を使うのが無難と思います。

私の経験では、近いショップで購入した魚の方が最初の２週間で死亡する率が低く、遠方に行くほど高いです。上記理由とそもそも個体差の影響もありキッチリと原因が分離できるわけではありませんが、生き物だけは値段にあまり左右されずに近くに良いショップを見つけてそこで買うようにしましょう。
・・・と、言うのは簡単なんですが、実際、近場に選べるほどショップがある環境なんて、なかなか無いんですけどね。