世界史ノート 第11章3節(1)

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3.フランス革命とナポレオン(1)               p.210〜 

ア.フランス革命の構造

 旧制度(アンシャン=レジーム)   a 絶対王政 のもとでの身分制と領主制の社会
    特権身分 b 第一身分 (聖職者)とc 第二身分 (貴族)からなる。
    官職を独占し、封建領主として土地を支配し、特権を持つ支配階級。
    特権の内容: 国王への租税を課せられないd 免税 特権。   
   e 第三身分  商工業工業者、都市民衆、農民など。租税を負担するが参政権は無い。
     農民=人口の85%であるが全耕地の30〜40%を保有するのみ。
           少数の富裕な大農経営農民と多数の貧農、小作農に分裂。
    市民=少数の富裕なf  商工業ブルジョアジー   と多数の下層市民に分裂。
      第三身分の負担: 領主への貢租、国王への租税、教会へのg 十分の一税 
   1789年   アベ=シェイエス h 「第三身分とはなにか」  を発表。国民の意思は
   第三身分が代表すると主張。”第三身分とは何か。それはすべてである。”
 旧制度への不満の増大   商業の発展 → 商工業ブルジョアジーの成長→
   自由な経済活動を圧迫する旧制度とブルボン朝の絶対王政への反発強まる。
   ブルボン朝・貴族による市民・農民への課税強化 → 農民暴動、都市の暴動起こる。
  ヴォルテール、ルソーらa 啓蒙思想   ┐
                      │
  b イギリスの立憲政治    の確立  ┼─→ 市民の自由への欲求が強まる。
                      │
  c アメリカ独立革命    の成功   ┘         → フランス革命
  
 1786年 英仏通商条約締結 →イギリス工業製品の流入 →国内産業を圧迫
 

イ.立憲君主政の成立

 ルイ16世    の財政破綻
  ルイ14世以来のa 宮廷の奢侈生活   ┐
                      │
  b イギリスとの植民地戦争の敗北    ┼─→ 財政難 → 増税策の必要
                      │
  c アメリカ独立戦争への援助      ┘  → 財政改革の試み

  蔵相(財務総監) d テュルゴー 、e ネッケル   などの改革派を登用。

  1788年 特権身分への課税を計画 → 特権身分、三部会の開催を要求。
 三部会開催    1789年5月 175年ぶりにヴェルサイユで開催。
      第一・第二身分各約300名、第三身分約600名の議員を召集。
   a 議決方法  で対立。第一・第二身分は身分別、第三身分は一人一票を主張。
   6月 第三身分の代表 b 国民議会 の成立を宣言。
      c 球戯場(テニスコート)の誓い   憲法の制定までは解散しないことを誓う。
   →国王、武力による議会弾圧をはかり、ネッケルを罷免。
 

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 国民議会     革命の第1段階 <1789〜1791>=絶対王政から立憲君主政へ
  a 1789年 7月 14日  :パリの民衆が蜂起 b バスティーユ牢獄 を襲撃。三色旗の始まり。
    →暴動、全国の農民に拡大。各地の貴族領主の館が襲撃される。(大恐怖)
   8月4日c 封建的特権の廃止 の決議 領主裁判権や教会d 十分の一税 は無償廃止
       領主への封建地代はe  有償廃止 (農民が地代の20年分で買い戻す)とされた。
  8月26日 f  フランス人権宣言     の採択 = g ラ=ファイエット  の起草。
 ┌────────────────────────────────────────────┐
 │                                            │
 │  ┌1.人間はh 自由 かつ権利においてi 平等 なものとして生まれ、また存在する。 │
 │  │                                         │
 │ 要│2.国家の目的は、j 権利 (自由・所有・安全・圧政に対する抵抗)の保全である。 │
 │  │                                         │
 │ 点│3.あらゆる主権の原理(根源)は、本質的にk 国民 のうちに存する。       │
 │  │                                         │
 │  └17.l 所有 権は神聖かつ不可侵の権利である。                 │
 │                                            │
 └────────────────────────────────────────────┘
    ※意義:m 近代市民社会の原理の確立      
  10月5日 n  ヴェルサイユ行進 =パリの主婦たち国王一族をパリに連行。
    1790年 国民議会の諸改革、行政区画、教会財産の国有化、ギルドの廃止、度量衡の統一。
   中心勢力=o  ミラボー 、p ラ=ファイエット    ら立憲君主主義者。
      q ジャコバン=クラブ (1789年11月結成)が運動の中心となる。
 ヴァレンヌ逃亡事件  1791年6月  国王、王妃a マリー=アントワネット 
    国外逃亡を企て、国境で捕らえられる。→ 国王への不信強まる。
   8月 神聖ローマ帝国皇帝レオポルト2世 b ピルニッツ宣言 ルイ16世支援を声明。
    9月14日 国民議会、c  1791年憲法  を制定 フランス最初の憲法。
        内容= 立憲君主政、財産による制限選挙、一院制(ブルジョア憲法)。
 

ウ.戦争と共和政  革命の第2段階<1791〜92> =立憲君主政から共和政へ

 立法議会     1791年10月 召集(91年憲法による制限選挙実施)。二派が対立。
      a 立憲君主派  :自由主義貴族、上層市民など。b フイヤン派 という。
      c ジロンド派  :商工業市民の利害を代表。穏健共和主義派。
   1792年4月 ジロンド派内閣、d オーストリアに宣戦  → フランス軍、連敗。
     民衆がe 義勇兵 を組織(f ラ=マルセイエーズ  歌われる。)国王、承認を拒否。
  ▲g 8月10日事件 義勇兵と市民、テュイルリー宮殿を襲撃、国王を幽閉。
   議会、王権停止を決議。フイヤン派追放。男子普通選挙実施を決定し、解散。
 国民公会    1792年9月 a 男子普通選挙 により選出。共和派が多数をしめる。
     一方で、オーストリア・プロイセン連合軍、パリに迫る。→
    1792年 9月20日 b ヴァルミーの戦い  フランス義勇軍、初めて勝利する。
         c ゲーテ  ”ここから、そしてこの日から、世界史の新しい時代が始まる。”
      9月21日 d 王政廃止 、共和政の樹立を宣言。=e 第一共和政  の成立。
 

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 ジャコバン派  の台頭  a マラー 、b ロベスピエール 、c ダントン ら。
   下層市民・農民の支持を受けたd 急進共和主義  者。→穏健派のジロンド派と対立。
    ※ジャコバン=クラブは、初めは立憲君主支持であったが、次第に急進派が有力となる。
   急進派は国民公会で最左翼の高い議席をしめので山岳(モンターニュ)派とも言われる。
 ルイ16世 処刑   1793年1月21日 ジャコバン派の主張による。
    2月 イギリスの首相a ピット  の主唱によりb  第1回対仏大同盟    結成。
      3月 王党派の指導する農民反乱=d  反革命  反乱(ヴァンデーの乱など)起こる。
   → 革命の進行を恐れ、経済統制に反対するジロンド派との対立深まる。
 ジャコバン派の独裁    革命の第3段階<1793.1〜94.7>=急進的共和政
      1793年6月 ジャコバン派がジロンド派を議会から追放。
   a  1793年の憲法  =主権在民、生活権、労働権、男子普通選挙。(施行は延期)
    b  封建地代の無償廃止    農奴制を撤廃し、小土地所有農民の形成をめざす。
     貴族から没収した土地を競売する、最高価格法の制定、買占めの禁止など。
     c 徴兵制 の実施。 d 革命暦 の制定(グレゴリウス暦を否定、共和暦ともいう)。
    e  メートル法 の実施。 f 理性崇拝の宗教 の創始。
   機関 g 公安委員会 :国民公会の中の委員会で内政、軍事上の最高指導機関となる。
       ▲h 保安委員会 :警察機関。▲i 革命裁判所 :反革命の政治犯を裁く。
  j 恐怖政治  マリー=アントワネットや王党派・ジロンド派をk ギロチン で処刑。
  支持層=l サン=キュロット といわれる議会外の革命派の民衆。
   内紛 エベール(急進派)、ダントン(穏健派)らを粛清。
    → 厳しい戦時統制と独裁に反発強まる(背景:土地を獲得した農民の保守化)
 テルミドールのクーデタ     a 1794 年7月27日(革命暦熱月9日)
     b ロベスピエール  捕らえられ、断頭台で処刑さる。=テルミドール9日の反動。
   ジャコバン派、勢力を無くし、恐怖政治終わる。穏健共和派が政権握る。
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