世界史ノート 第6章3節の1

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3.西ヨーロッパ中世世界の変容             p.132-144  

ア.十字軍とその影響

 農業技術の進歩  11〜12世紀のa 三圃制 農業 重量有輪犂・水車の改良
  →生産力向上 → 人口増加 →西ヨーロッパ(キリスト教)世界の膨張運動が起こる。
  ・耕地の拡大:b 修道院  による開墾運動  c オランダ  での干拓
  ・ドイツ人のd 東方植民 : エルベ以東のスラブ人の居住区への侵入
  ・イベリア半島のe 国土回復運動 :イスラム教に対するキリスト教の攻勢
  ・聖地f イェルサレム への巡礼の増加
 十字軍運動 の開始 11世紀 イスラーム教国のa セルジューク朝 が小アジアに進出
 →ビザンツ皇帝がローマ教皇b ウルバヌス2世 に救援を要請。
 1095年 教皇、c クレルモン宗教会議 を開催。ヨーロッパ諸国の君主・諸侯に
  聖地回復をめざすして十字軍の派遣を提案し、決議される。
 ローマ教皇側の背景:d 叙任権闘争 における教皇権の優位の確立(p.74)
 十字軍運動の展開  11世紀末〜13世紀
  第一回 a 1096 年〜99年 聖地回復に成功、b イェルサレム王国 を建設。
   →まもなくイスラム勢力回復、激しい抗争が続く。
  第二回 1147〜49年 独王(コンラート3世)・仏王(ルイ7世)が参加 両者反目し失敗。
   →1187年 アイユーブ朝c サラディン のイスラーム軍がイェルサレム占領(p.61)。
  第三回 1189〜92年 独王d フリードリヒ1世 ・仏王e フィリップ2世 
    英王f リチャード1世 が参加。最大の規模となるが独王途中で溺死、仏王帰国。
   → 英王がc サラディン と単独講和、聖地奪回出来ず。
 十字軍運動の変質  13世紀 背景 1206年 ▲a モンゴル帝国  の成立
  第四回 1202〜04年 b ヴェネツィア 商人の要求でc コンスタンティノープル を
   攻撃。その地にd ラテン帝国 を立てる。
    → ローマ教皇e インノケンティウス3世 に破門される。
   f 宗教騎士団 の活動 ドイツ騎士団テンプル騎士団ヨハネ騎士団など。
    巡礼路・聖地の治安維持を目的とした騎士修道団。次第に秘密結社化する。
   1212年 g 少年十字軍 の失敗。
  第五回 1228〜29年 皇帝h フリードリヒ2世  話し合いで聖地一時回復。
  第六回 1248〜54年 仏王i ルイ9世 が主導。エジプト攻撃に失敗。
  第七回 1270年 同王が主導 海路チュニスに遠征失敗。王も病没。最後の十字軍。 
1291年 十字軍の最後の拠点j アッコン 陥落、イェルサレム王国滅亡。

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十字軍運動の背景
             ┌ ローマ教皇:a 東西教会の統一 を目指す。
             │
  宗教的情熱以外の   │ 諸侯・騎士:新たなb 領地と戦利品 を求める。
             │
    十字軍参加の意図 ┤ c イタリア諸都市 の商人: 商業的利益の拡大。
             │
             └ 農民:▲d 負債の帳消し、農奴身分からの解放。

十字軍運動の結果
 a 聖地回復には失敗 、その後の西ヨーロッパ世界に大きな影響を与える。
 影響 1.聖地回復の失敗 →b 教皇の権威の動揺   
    2.遠征軍の指揮を執ったc 国王の権威 高まる。
      →一方、長期の遠征により、d 諸侯・騎士の没落 が始まる。
    3.十字軍の出港地 →e イタリア諸都市の繁栄 
      → 地中海でのf 東方貿易 の再開 → 商業の復興。
    4.g ビザンツ、イスラーム文化の流入 → 西ヨーロッパの世界観の転換。


    → 十字軍の航路

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イ.商業の復活

 商業の復活  = 11〜12世紀 農業生産力の増大
   → 余剰生産物の増大 →定期市などa 都市と商業  の復活
  ムスリム商人・ヴァイキングの商業活動 →b 貨幣経済 の復興
  交通の発達→ c 遠隔地貿易 の発達。これらの動きをd 商業ルネサンス ともいう。
 地中海商業圏 
  北イタリアの港市の発展 a ヴェネツィア ・b ジェノヴァ ・c ピサ 
  東方からd 香辛料・絹織物 などを輸入 →アルプス以北の銀と交換し利益を上げる。
  イタリア内陸都市 e ミラノ ・f フィレンツェ  毛織物、商業・金融業で栄える。
 北ヨーロッパ商業圏   北海・バルト海沿岸
  北ドイツ諸都市 a ハンブルク ・b リューベック ・c ブレーメン など
   海産物・木材・穀物などを取引
  d フランドル地方 :e ガン(ヘント) ・f ブリュージュ など 羊毛工業
   イギリスのg ロンドン  北海貿易の中心地。フランドルに羊毛を輸出。
 内陸交通路上の都市 
  a シャンパーニュ 地方 地中海と北ヨーロッパをむすぶルートに定期市が発達。
  ドイツ内陸の商業都市 b ニュルンベルク 、c アウグスブルク 

ウ.中世都市の自治

 自治都市の成立  中世都市=a 司教座都市 から発展、封建領主の支配受ける。
  11〜12世紀 領主が都市への課税を強化→ 都市の抵抗強まる。
  国王(ドイツ皇帝)からb 特許状 をえて自治権を獲得、自治都市となる。
  自治権の地域による強弱
   c 北イタリア :領主である司教から自立して自治都市(d コムーネ )となる
     周囲の土地を含む商人中心の独立した都市国家(共和国)となる。
   e ドイツ :皇帝直属の自由都市(f 帝国都市 )として諸侯と同じ地位に立つ。
     他は、封建領主の保護を受けて納税の義務を負う。
   イギリス・フランスの諸都市:国王との結びつきが強く、自治都市は発達せず。
 都市同盟の形成  12〜16世紀
  都市が封建諸侯と対抗するため都市同盟を結成。
   北イタリア :a ロンバルディア同盟  ミラノ中心に、ドイツ皇帝に対抗
   北ドイツ :b ハンザ同盟 c リューベック を盟主とし最盛期に約70市参加。
     独自の軍隊を持ち、14世紀には北ヨーロッパ商業圏を支配した。

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・中世都市の自治の展開
 ギルドの結成    11世紀 ドイツで典型的に発達する。
  自治都市は周囲を城壁で囲まれ、周辺の荘園から農奴が都市に逃げ込み、自由身分を獲得。
  ドイツでは▲a 「都市の空気は自由にする」 と言われた。→ 都市人口の増大。
  b ギルド  の結成 = 相互扶助と経済的利益保護のための同業組合であるが、
    自治を獲得した都市では、その自治運営の基礎的な組織となる。
 商人ギルド    11世紀以降、ドイツ各都市に成立。
   はじめは遠隔地貿易で利益を上げたa 大商人 を中心にして結成される。
   ギルドの運営権を握り市政も独占。 → 手工業者の不満強まる。
 同職ギルド  12世紀前半より結成。
   商人ギルドに不満を持つa 手工業者 が、独自に業種別の組合を結成するようになる。
  13世紀 大商人の商業ギルドと争いながら、次第に市政への参加を実現。
   =ドイツ諸都市でのb ツンフト闘争 の展開。
  同職ギルドの構成員は独立したc 親方のみ。d 職人、徒弟 は厳しく区別。
  ギルドの機能 e 自由競争の禁止。商品の品質・規格・価格の統制。市場の独占 
 有力市民の登場 
  15〜16世紀 ドイツのアウグスブルクのa フッガー家  銀山を支配し蓄財。
    16世紀には、金融業を営み、ドイツ皇帝や教皇にも融資し、その地位を左右した。
  15世紀 イタリアのフィレンツェのb メディチ家  冨を蓄積し、市政をも独占。
    一族からローマ教皇を出す。 → ルネサンス芸術の保護者となる。

 

エ.封建社会の衰退

 荘園制の崩壊  14世紀〜商業と都市の発展→a 貨幣経済 の荘園への浸透
  領主はb 賦役 をやめ、直営地を農民に貸しc 地代 を貨幣で納めさせるようになる。
   →農奴は生産物を市場で貨幣に換え、次第に貨幣を蓄えて経済的な地位が向上。
 農奴の解放   a 英仏百年戦争 (1339〜1453)と並行して進行している。
  1348年 b 黒死病(ペスト)  の大流行:農村人口激減 → 農民への待遇改善
   →農奴の解放進み、c 独立自営農民 (イギリスでd ヨーマン という)が増加。
 農民一揆の発生    領主の財政難→農民への課税強化(a 封建反動 )→農民の抵抗
  1358年 フランスのb ジャックリーの乱    百年戦争の最中
  1381年 イギリスのc ワット=タイラーの乱  一揆側の僧侶ジョン=ボールの
   言葉 ▲d “アダムが耕しイブが紡いだとき、だれが領主だったか。” 
   → 一揆は鎮定されたが、彼らの要求は次第に実現していく。

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 騎士(中小領主)の没落 
    a 国王・大領主 の力の拡張 → 中小領主の荘園が国王や大諸侯に奪われる。
    b 火砲の使用 など戦術の変化  → 騎士の戦術上の価値の低下。
    国内市場の統一を望むc 市民 の成長 → 国王と協力して諸侯を抑える。
   諸侯は国王に従属し、そのd 廷臣 となり、領地では農民から地代だけを取る
   e 地主 となっていく。
  封建社会は解体し、国王による近代的なf 中央集権国家 への歩みを始める
 社会不安の拡大   中世末期(14〜15世紀)
   飢饉・疫病(黒死病など)・戦乱(百年戦争) → 社会不安の増大 
  a ユダヤ人 に対する迫害:キリスト教世界で信仰を守る→ 職業的・経済的差別 →
   ▲b ゲットー への強制隔離 → 社会的不安の解消を少数者に転嫁する動き強まる。

 

オ.教皇権の衰退

 教皇権と王権の対立     十字軍の影響 →国王の強大化 →ローマ教皇権の衰退。
  13世紀末 教皇a ボニファティウス8世  イギリス・フランス両国王に対抗。
   1303年 b アナーニ事件 :フランス王c フィリップ4世 が、聖職者への
    課税を要求。反対した教皇を捕らえ幽閉。教皇は釈放後、屈辱のうちに憤死。
   1309年 d 教皇のバビロン捕囚  :フィリップ4世 ローマ教皇をフランスの
    e アヴィニョン に移し、その支配下におく。→1377年まで。
 教会の大分裂   1378年 a 大シスマ という。〜1417年まで。
   教皇庁がローマに戻るとフランス王の後援で、b アヴィニョン にも教皇が立つ
   → ローマとアヴィニヨンに教皇が同時に存在。それぞれが正統を主張。
   →c ローマ=カトリック教会 の権威の衰え → 教会の世俗化・腐敗が進行。
  → 教会批判が強まる → d 異端審問 ・e 魔女裁判 で教会批判を封じる。
 教会改革の開始   後のa 宗教改革  の先駆的役割を果たす。
  14世紀後半イギリスのb  ウィクリフ =カトリック教会の腐敗を非難、教皇に対する
   イギリスの政治・宗教上の独立を主張。→c 聖書の英語訳 、民衆への布教。
  ベーメン(ボヘミア=現チェコ)のd フス   聖書にもとづく信仰を説く。
 コンスタンツの公会議  1414〜18年 神聖ローマ皇帝ジギスムントが召集。
 カトリックの混乱収束を目指し、ローマ教皇を正統と認め統一教皇をたてる。
  =a 教会大分裂 終る。同時にフスらを異端として火刑。
 → 1419〜36 ベーメンでb 農民戦争(フス戦争)続く。
16世紀 c 宗教改革 の時代へ

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