HKMS Two

Hight knack for making sysytem Two
日本語で『ヒコミスブリ』

2019/10/28作成開始

目次
１．はじめに２．自作機への挑戦の動機３．自作機の条件４．自作機の構成と選択５．製作の基準６．自作機製作推移６．１　自作機模索６．２　動作音６．３　ノズル径φ0.3mm造形６．４　ノズル径φ0.15mm造形	７．製作結果７．１　本装置のスペック７．２　造形パーツ７．３　購入部品リスト８．おわりに

１．はじめに

　自作機に関しては、今回が三度目の挑戦になる。前回の経験と蓄積した知識や周辺の環境状況とを踏まえて、今回は装置のパーツ交換を容易にしてメンテナンス性を高める改善を試みたい。あと、ストック品の消化も兼ねて。
　さて、三度目の正直となるのか。そして、何らかの役に立てば幸いである。

２．自作機への挑戦の動機　

　何故再び自作を試みようかと云うと、前回の自作機では造形サイズが大きくて実際に無駄な造形範囲が多く、更にヒートベッドの消費電力が馬鹿にならない為、利用する立場だと経済的に不利な面があったからである。更に、前々回の初期の自作機の能力があまり良くなかったので、その代替機を用意したかったからである。

３．自作機の条件

　基本的な部分は前回と同様の条件を課した。

　作りやすく調整も容易な直交（デカルト）機。
　造形範囲が110x110x120mm越えを実現することを前提としてフレームサイズを考慮。
　各軸の駆動はXY-Zの構造とし、CoreXYを採用。
　ファームウェアはMarlin（V1.02）をベースとする。
　Z軸の昇降にはリードスクリュー（四条ネジ）を用いる。また、バックラッシュ対策を施す。
　ベッドの昇降は片持ちではなく両持ちで、リードスクリューを二本使って昇降し、支えの軸を四本用いる。
　エクストルーダはダイレクト方式。分解能はできるだけ高いことを望む。
　シングルヘッドとする。
　ホットエンド部分は、設計に合わせたものを使用。
　ノズルはE3D φ0.15mmのノズルを取り付ける。
　ベッド全面を支える構造を考慮する。
　ベッドの取り外しはできるだけ簡単な状態とする。但し、簡単にズレてしまわない処置を加える。

４．自作機の構成と選択

　上記の条件に見合うように、能力重視でありながら低コストで必要最小限となるパーツの構成要素を考えた。

　XYZEの各軸に対して、ステッピングモータを一つ割り当てる。
　XYは、400ステップのステッパーとTMC2208の1/16マイクロステップで賄う。
　Zは、200ステップのステッパーとA4988の1/16マイクロステップで賄う。
　エクストルーダには、400ステップのステッパーとST820の1/256マイクロステップで賄う。
　XYはCoreXY仕様（FABtotumと同じ張り方）で、プーリーはGT2の16歯を使う。
　Z軸はプーリーの組合せでステッパー一回転で4mmの昇降とし、両側から二本で昇降させる。そして、アンチバックラッシュナットを導入する。
　ベッドは両持ちの四本の支持で、片持ちでの設計の難易度（特に強度）を回避する。
　ベッドはベースの基板をヒーターに付属のアルミ板全面で支える構造とし、スプリングで上下動の調整を可能にする。
　ドライブギヤはMK7で小嶋技研のピッチ0.5mmの物を取り付ける。
　制御基板はワンボードのGT2560を使用。
　表示はLCD2004を取り付ける
　ファームはMarlinの旧バージョン(1.02)をCoreXY用に変えて導入。Hコードも盛り込む。
　エンドストップはMin/Maxの六点検出とする。
　ブッシュを一軸に二個使いとし、45度回転させて八方向での支持を目論む。

５．製作の基準

　CAD上でイメージとしての設計を行ったのだが、現実にモノを組み上げる場合には必ず基準を設ける必要がある。
　今回も定盤を基礎としての基準とした組み上げを行うことにした。
　基準となる物がチャンとしていないと、結構歪んだモノを組み上げてしまうものである。

６．自作機製作推移

　今回は、かなり時間を掛けてパーツ集めをしてでの製作となり、既に手に入れたパーツが想定と食違っていた事が組上げ時に判明するなどの落ち度があり、再注文する部分もあった。

６．１　自作機模索

　今回は前回までのパーツ交換を困難にしていた部分を改善し、容易に交換できる設計に勤めた。また、スロート内でのフィラメントの太りを軽減する処置を模索。

７．製作結果

お披露目

７．１　本装置のスペック

　明確に定まっている所と希望的観測値が織り混ぜられているので、参考値程度に留めてほしい。

本装置のスペック
（2019/10/27時点）
項目	仕様	備考
造形可能範囲	113x113x125mm(XYZ)	余力として115x115x125mm
XY方向最小移動単位	0.005mm(200)	400ステップ、1/16マイクロステップ(TMC2208) GT2 16歯のプーリー使用
Z方向最小移動単位	0.00125mm(800)	200ステップ、1/8マイクロステップ(TMC2208)、プーリー比ｘ2、T8のリードスクリュウ（4mmリード1mmピッチの四条ネジ）
E方向最小移動単位	0.000322mm(3104)	400ステップ、1/256マイクロステップ(ST820)、MK7ドライブギヤノズルφ0.15mmで積層ピッチ0.05mmの時、吐出分解能が0.10mm
E方向最小移動単位	0.000203mm(4912)	400ステップ、1/256マイクロステップ(ST820)、MK8ドライブギヤノズルφ0.15mmで積層ピッチ0.05mmの時、吐出分解能が0.07mm
XY方向駆動精度	0.02mm±0.005mm	小生の理論上
Z方向駆動精度	0.005mm±0.00125mm	小生の理論上
E方向駆動精度	0.0013mm±0.000322mm	MK7ドライブギヤ小生の理論上
E方向駆動精度	0.0008mm±0.000203mm	MK8ドライブギヤ小生の理論上
ノズル径	φ0.15mm(E3D)	M6のノズルなら径の選択は自由
造形速度	最大50mm/s	20mm/s以下が品質的にも安心して造形に利用できる。ただ、もっと出せるかも
トラベル速度	最大150mm/s	60mm/s位が安心して造形に利用出来る
溶融温度	最大250℃	オールメタル製のバレルならまだいけるかも
最小積層ピッチ	0.005mm	まだ造形未確認だけど、多分いける

７．３　購入部品リスト

　今回、新規に購入したパーツの合計はおよそ40,000円位となりました。

　購入先にAmazonと記載しているけど、ほとんどが中華圏から送られてくるものなので品質もイマイチだし、送料が掛からない分郵送時間が馬鹿にならない位待たされる。気短な小生には待つのが辛い。

　今回は、前回のHKMS Oneの縮小版なので、特に目新しい項目はなかったのだが、動作確認時に思い通りに動作しなくて途方に暮れた状況もあったけれども、原因はプーリーのイモネジの締め付け不足と云う些細なミスであった。
　造形品質もまだ少数のサンプルしか造形していないのだが、前回と同等かそれを上回るレベルに到達できたものと自負している。

　今回の自作では、手持ちの造形装置ほぼ全導引での製作となった。
　ああ、今回も自作の最大の貢献アイテムは、定盤である。

　最後に、再びhkora11を超えろ！！

　では、よしなに。

by hkora11

ちょっと偏屈な書き込み

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