クロスチーム 訪問記録
『 ワークショップ八重咲』 (丸井さん、武藤さん)
2001年11月14日(水曜日)
訪問者 :クロスチーム MY、KO、NZ
Q1:『ワークショップ八重咲』はどのような場所で、何を行っていますか?
障害者の人のための通所作業所は現在、平塚市に30ヶ所程度存在している。花水地区には『ワークショップ八重咲』という通所作業所がある。
『ワークショップ八重咲』は、来年で10周年を迎えるが、平成7年から桃浜に移ってきた。元々、薬局であった家を改築して使用している。退院したての方や病気の為に作業がしたくないと思っている方、作業能力が低下している方も通所している。
設置母体である湘南社会復帰協会の中に2つの作業所(『ワークショップ八重咲』とベルカンパニー)と1つのグループホームがある。事務所は保健所にあり、利用は保健所を介している。
Q2:ボランティアはどのような関わり方をしていますか?
月に何回か、書道やテニスや太極拳など先生としてボランティアに来てくださっている。また、開設当初から関わって下さっている方で、ふらっと来て、話し相手に来てくれている人がいる。その他には、バザーなどイベントがある時にクッキー作りなどを公民館の花水ボランティアに声をかけ、お手伝いをしてもらっている。今年は年に2回あり手伝いをしてもらっている。
また、精神保健ボランティア講座を平塚市で4〜5年行っており、その講座を受けた精神保健ボランティアさんが時々来てくださっている。そのボランティアさんたちがサロンをやっているので、そこに行く人もいる。夕食ボランティアを公民館を利用して1人で行っている方がいるので、そこに行ったりしたりしている人もいる。
ただ、専門職である職員とボランティアの違いはやはりあり、利用者にとって対人関係がやはり重要になってくるので、そんなに簡単に受け入れを次々に行える訳でもないと考えている。
Q3:地域との関わりはどのような部分で感じますか?
少しでも社会に出るためにも、隔月にやってもらえるように町側から提案があり、桃浜の公園の清掃をやらせていただいたりして、少しずつ外に出るようにしている。利用者のみなさんが気軽に外に出て行けるようになるといいなぁと思っている。公園清掃を始めることによって、最初は清掃だけだったけど、やっている側に余裕が出てくることによって、周りを見る余裕を持てるようになった。赤ちゃんを連れた方と自然に関わったり、赤ちゃんをあやしていたり、他の人が少しお手伝いして下さったりとだんだんと交流が増えている。
公民館の福祉祭に呼んでもらったり、地域商店街のふれあい祭でバザーをやらせてもらったりすることで、少しずつだけど関わりが持てていると感じている。声をかけてもらっている、気に止めておいてもらっているというのが伝わってきて安心する。
この様な構えたかかわりではなく、自然に関わっていく、生きていく場が地域の中にあると利用者が暮らしやすくなるのではないかと思う。
Q4:地域に対して、理解を求めるような働きかけをしていますか?
湘南社会復帰協会が母体で、講演会なので理解を求めている。変な気持ちでなくて、純粋な気持ちで見てもらえるようなったら良いと思う。
利用者の方もそれぞれの生活で一般市民として生活している。ここに来ていることを他の人が知ることで特別視されているという感覚を持つ人もいる。それぞれの人の捉え方が違うので、『ワークショップ八重咲』でもどのようにしていったらいいのか随時話し合っている段階である。
Q5:情報をMAPという形態で掲載していくことに対してどう思うか?
知ってもらわないと、理解してもらえないけれど、情報公開をすることで利用者を追い込んでしまう可能性があるので、非常に難しい問題であると思う。もちろん、関係を作るのは時間もかかるし、相性もあるし、みなさんが交流しなくてはならない訳ではないとは思う。ただ、作業所は情報が集まる場所として、情報を提供する場としても存在しているので、どのように情報を出していったら良いのか、今後考えていく必要性がある。
*MAPに掲載する際には、『ワークショップ八重咲』の職員の方に確認を必ず入れて、話し合いながら決めていくことで合意をしました。ただ単に情報を掲載して、多くの人に知ってもらうことが、施設の性質や特徴を考えた場合、必ずしも良いといえないのではないかということが、今回のインタビューで非常に印象的でした。今後、考えていくべき1つの論点にもなるのではないでしょうか。
(記録:NZ)
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