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クロスチーム 訪問記録
『 ひなたぼっこ』 (大見さん)
2001年11月20日(火曜日



訪問者 :クロスチーム ON、TR、U、HY

平塚市で初めての 【宅老所】として 今年の七月に産声を上げたばかりの『ひなたぼっこ』ですが 、様々な方面から 大きな反響を呼んでいるようです。 <市民の手作りになる介護の場>とは どのようなものなのか、 花水地区にあるこの施設を実際に見学をさせていただくことにしました。

1 『ひなたぼっこ』の概要

『ひなたぼっこ』は 平塚駅西口に程近い 桃浜町にあります。 ここは 代表の大見さんのご自宅の二階部分を改装したもので エレベーターや浴室・トイレなど 最新の機器を完備しています。
定員9名のデイセンターですが 4名までの宿泊も可能です。 設立に際しては 公的補助をいっさい受けていません。(この点も 今までにない 特徴です)。
スタッフは 介護福祉士、ヘルパー、調理師など 13名 で この他に ボランティアが加わることもあるそうです。

利用料は…
デイサービスの場合 …介護保険を利用すると一回あたり 2000円程度
(要介護度によって 若干の変動あり)
介護保険を利用しない場合 一回あたり 7800円程度
宿泊の場合 ……… 介護保険を利用すると 一泊あたり20000円弱
介護保険を利用しない場合 一泊あたり 24800円程度
利用時間は 午前9時から 午後5時まで (大型施設と比較すると 時間が長いですね)


2 設立の趣旨を 大見さんに伺いました

大見さん御自身の 介護経験(長期間の介護に疲れ、リフレッシュしたくなったことがあった)から【高齢になっても 障害をもっても 誰もが安心して 住み慣れた我が家、我が町に住み続けたいという願いを実現するために】平成12年9月に発足し、13年7月に開所しました。

【宅老所】とは 時間外にもお泊りにも対応できる 小さなデイセンターであり 介護が必要になった方が自宅同様にすごせる場所を提供し、介護をしている方が 働きつづけられたり、介護疲れをリフレッシュできる環境を整えるためのお手伝いもします。 また、「何かをしたい」と思っている子どもから高齢の方までが気軽にボランティアできる場所づくりを目指して います。

3 運営形態

NPO(特定非営利活動法人)として 運営されています。
具体的には 『ひなたぼっこ正会員』 (ひなたぼっこの運営に参加し、総会での議決権を持つ)と『おひさま会員』(ひなたぼっこの運営に賛同し ボランティア等に参加する)に よって 支えられています。
スタッフの賃金は 「女性一人が暮らしていける額」ということから 月給(常勤)18万円、時給(非常勤)900円。スタッフも運営に参加するという形態を取っています。

4 ボランティアについて

ボランティア会員は 随時募集しています。
ひなたぼっこ の運営に賛同する人なら、子どもから高齢者まで 年令・性別・資格の有無を問いません。
入会金は 1000円・年会費は1000円。ボランティアの内容は 話し相手・掃除・車の運殿・趣味など。
一般の方が ボランティアとして積極的に 参加しています。

5 質問に答えていただきました…Q&A形式で

Q この運営には ボランティアとしての意識が強いのですか

A 決してボランティアではありません。 女性一人が生活していける限度額として月給を設定しています。

Q どのような営業活動をしていますか

A スタッフの一人一人が 真剣に 利用者に対するサービスを考えてい^ます。その成果として常時利用者があるわけで 、それが営業活動だと考えています。

Q 他の大規模施設と異なる点は?

A 自立している方、要支援の方でも 受け入れることができます。
大型施設では 流れ作業的な介護をしているので スタッフのストレスがたまりますがここでは 様々な支援ができるので 充実しています。(利用者とスタッフの距離が非常に近い)

Q 現在クロスチームでは 花水地区の福祉マップ(名称は決まっていません)を作成することを検討しているところですが このマップに 『ひなたぼっこ』さんのことを 載せてもよろしいですか?

A 是非載せて下さい。

Q (上記の質問に関して・・・) もし マップに記載させていただく場どのような形式で載せることを望まれますか。 このような点には注意してほしいなど ご要望がありましたら 何なりとお聞かせください。

A 「宅老所ひなたぼっこ」と書いて下さい。

Q 『ひなたぼっこ』では 地域(花水地区) に対して、どのような関わりを求めていらっしゃいますか。また、現在 地域との関わりを どのような部分で 感じますか?

A 開所前にご近所39軒にご挨拶に伺ったのですが、みなさん賛同して下さいました。花水地区に住む方の福祉に対する高い意識に感謝しています。開所式に老人会、地区社協、自治会長様達に出席していただいたのですが、地区で活動する自治会等の方々とNPO(特定非営利活動法人:非営利組織)との交流ができて本当に良かったと思っています。組織作られる過程は違っても同じ非営利で活動している自治会等とNPOがお互いの理解のもと連携を持ちながら相乗作用で福祉を作り上げていく必要性を感じています。

6 感想

非常に家族的な雰囲気の中で 介護をしていることですら 私たちには驚きだったのですが、税金にいっさい 頼ることなく、女性の力で 運営しているということが 大きな驚きでした。
役員報酬や 大規模な設備費などが かからないから 利用料でも 運営できているという話に<これからの 新しい介護ビジネスのあり方>を見たような気持ちになりました。
『ひなたぼっこ』は スタッフ・ボランティア・利用者の区別なく<様々な人たちが社会とつながりを持つ場>なのだということが 強く伝わってきました。

(記録:HY)
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