FreeBSD 2.2.5R ダイアルアップPPPによるインターネット接続設定概論第1

Last Update (1998/03/25 07:01:21)

ミラーサイト [www.ceres.dti.ne.jp] [yk.rim.or.jp]

[ホームページ] [日記] [読んでいる日記] [秋葉原価格] [FreeBSD] [FreeBSD LINK] [検索] [高速検索]

ダイアルアップPPPについて

ここでは、FreeBSD 2.2.5Rに標準で付属しているppp(iij pppを改良したもの)を使って、インターネットサービスプロバイダ(略してISP)経由でインターネットに接続する方法を簡単に説明する。
FreeBSDインターネット接続設定からリンクしているページにも設定方法が載っているので、こちらも参照すると良いだろう。

私の環境を記述しておく。 家庭内でLANを張っていたり接続するプロバイダが異なる場合は、このままの設定では接続できないので、各自で設定を変更して欲しい。

FreeBSDページの目次に戻る


pppの設定 〜ppp.conf default篇〜

まずは、pppの設定を行う。 ppp用の設定ファイルは、 /etc/ppp/ 以下に作成する。 /etc/ppp/ にあるサンプルファイルと、man ppp で出力されるオンラインマニュアル、handbookを参考に、設定ファイルを記述することになる。
まず最初に、 /etc/ppp/ppp.conf ファイルの設定を行う。 ここでは、 /etc/ppp/ppp.conf ファイルの一部、 default: 部分の設定を簡単に解説する。 default: 部分では、ppp で必ず利用する設定(共通で利用する設定)を記述する。

以下に、/etc/ppp/ppp.confファイルの例(default:の部分)を示す。

#
# /etc/ppp/ppp.conf
#
default:
 set device /dev/cuaa0
 set speed 38400
 set log Carrier Link Phase Chat Connect
 set dial "ABORT BUSY ABORT NO\\sCARRIER TIMEOUT 10 \"\" ATZ OK-AT-OK \\dATDT\\T TIMEOUT 65 CONNECT"
 set openmode active
 disable lqr
 deny lqr
 set redial random 3
以上で、default: ラベルの部分の設定が終った。

FreeBSDページの目次に戻る


pppの設定 〜ppp.conf リムネット横浜篇〜

引続き、/etc/ppp/ppp.conf ファイルの設定を行う。 上で共通部分の設定が終っているので、こんどはプロバイダ別の設定を行う。

以下に、/etc/ppp/ppp.confファイルの例(rim:部分)を示す。

#
# for rimnet yokohama
#
rim:
 disable lqr
 deny lqr
 disable pred1
 deny pred1
 disable pap
 accept pap
 disable chap
 deny  chap
 set ifaddr 10.0.1.1/0 10.0.1.2/0
 set phone 045-224-5724
 set timeout 600
 set authname ここにユーザー名(接続アカウント名)を記述すること
 set authkey ここにパスワードを記述すること
以上で、リムネット横浜の部分の設定は終了だ。

FreeBSDページの目次に戻る


pppの設定 〜ppp.conf DTI松戸篇〜


今度は、DTI松戸用の設定を示す。

/etc/ppp/ppp.confファイルの例(DTI部分を抜粋)

#
#	for DTI matsudo
#
dti:
 disable lqr
 deny lqr
 disable msext
 disable vjcomp
 deny vjcomp
 disable acfcomp
 deny acfcomp
 disable protocomp
 deny protocomp
 disable pred1
 deny pred1
 disable pap
 accept pap
 disable chap
 deny chap
 set ifaddr 10.0.1.1/0 10.0.1.2/0
 set phone 340-3611
 set timeout 0
 set authname ここにユーザー名(接続アカウント名)を記述すること
 set authkey ここにパスワードを記述すること
設定内容はリムネット横浜とあまり変わらない。 disable / deny で、ほとんど全てのオプション機能をオフにしているのが特徴と言える。 set authname , set authkey の行にユーザー名とパスワードを設定して、上のテキストを/etc/ppp/ppp.conf の最後に追加すれば良い。

FreeBSDページの目次に戻る


pppの設定 〜ppp.linkup 篇〜

続いて/etc/ppp/ppp.linkupというファイルの内容を示す。 このファイルは、PPP接続が成立した時に実行される。
#
# /etc/ppp/ppp.linkup
#
MYADDR:
 delete ALL
 add 0 0 HISADDR
このファイルはプロバイダに接続する場合、そのままコピーすれば良いだろう。

FreeBSDページの目次に戻る


pppの設定 〜ppp.secret 篇〜

続いて/etc/ppp/ppp.secretというファイルの内容を示す。 このファイルは、pppコマンドの動作中に、外部からpppコマンドを制御する際のパスワードを記入するものだ。 ホスト名とそのパスワードを空白などで区切って1行に記入しておく。 suコマンドでrootになってから、/etc/ppp/ppp.secretファイルを作成しよう。 私のマシンのホスト名はmagiなので、以下のように設定している。
#
# /etc/ppp/ppp.secret
#
magi	iijppp
ホスト名の部分(magiの部分)は、各自のホスト名に変更する必要がある。

続いて、chmod 400 /etc/ppp/ppp.secret として、パスワードファイルをrootしか読み書きできなくしておこう。
ちなみに、上のパスワードはすご〜く投げやりな例なので、そのまま真似してはいけない(^^;)。

ppp.secretファイルを記入しなくとも、インタラクティブモード(下で利用しているモード)は利用できる。 しかし、ppp -auto や ppp -backgournd などの自動実行モードを使う場合には、ppp.secretファイルを記入しておかないと、ppp 自体がエラーメッセージを出して起動しないのだ。

余談だが、ここで設定したパスワードは pppctl コマンドなどで使うことになる。 ppp -auto などで自動起動した後に、pppctl -p iijppp 3000 close などとすると、他のプロセスからpppに対して close の動作をさせることができる。

FreeBSDページの目次に戻る


resolv.confの設定

次に、/etc/resolv.confファイルを設定する。 resolv.confファイルは、DNSサーバなどを記入するファイルだ。 (man 5 resolver とするとマニュアルが表示される。)
#
# /etc/resolv.conf --- rimnet yokohama
#
domain		yk.rim.or.jp
nameserver	202.247.130.5
このファイルに指定できる項目には以下のようなものがある。 domain, nameserverはプロバイダによって設定が異なるので、リムネット横浜以外のプロバイダを使っている人は、ここを変更する必要がある。

FreeBSDページの目次に戻る


pppの利用

pppの設定が終了したので、早速利用してみよう。 FreeBSD 2.2.5Rから、pppコマンドを利用できるのはroot(スーパーユーザー)だけになった。 su コマンドを使って root になってから、
ppp rim
とタイプすると、pppが起動して以下のようなプロンプトが出る。
User Process PPP. Written by Toshiharu OHNO.
Using interface: tun0
Interactive mode
ppp ON magi> 
ここで、pppのプロンプトにdialというコマンドを打つとリムネット横浜にダイヤルを開始する筈だ。 見事に接続に成功すれば、以下のような表示が出てpppのプロンプトがPPPと大文字になる。
ppp ON magi> dial
dial OK!
login OK!
ppp ON magi> Packet mode.
PPP ON magi>
画面左のPPPが大文字で表示されたら、Netscape等を起動すれば良い。

メール送信キューに溜ったメール(インターネットに接続していない状態で、外部のマシンに居るユーザ宛に出したメール)を送信するには、sendmail -q と入力すればOKだ。
また、プロバイダのPOPサーバ上に貯められているメールは、fetchmail を使って取り寄せれば良いだろう。

インターネットサーフィン(?)を堪能した後は、PPP接続を終了する。 終了方法は、closeとタイプした後、quitと入力する。

PPP ON magi>close
ppp ON magi>
ppp ON magi>quit

FreeBSDページの目次に戻る


オンデマンドダイアルアップの設定 〜リムネット横浜篇〜

付録として、リムネット横浜用のオンデマンドダイアルアップ用の設定を記述しておく。 この指定は/etc/ppp/ppp.conf内部に記述する。 通常の設定の最後にdelete ALLとadd 0 0 HISADDRの行が追加されているだけである。

#
# for rimnet yokohama auto
#
rimon:
 disable lqr
 deny lqr
 disable pred1
 deny pred1
 disable pap
 accept pap
 disable chap
 deny  chap
 set ifaddr 10.0.1.1/0 10.0.1.2/0
 set phone 045-224-5724
 set timeout 600
 set authname ここにユーザー名(接続アカウント名)を記述すること
 set authkey ここにパスワードを記述すること
 delete ALL
 add 0 0 HISADDR

FreeBSDページの目次に戻る


オンデマンドダイアルアップの設定 〜DTI篇〜

さらについでに、DTI用のオンデマンドダイアルアップ用の設定を紹介する。 この記述は、/etc/ppp/ppp.conf内部に追加する。 通常のDTIの設定と異なるのはこちらもdelete ALLとadd 0 0 HISADDRが追加されていることだけである。
#
#  dti ondemand
#
dtion:
 disable lqr
 deny lqr
 disable msext
 disable vjcomp
 deny vjcomp
 disable acfcomp
 deny acfcomp
 disable protocomp
 deny protocomp
 disable pred1
 deny pred1
 disable pap
 accept pap
 disable chap
 deny chap
 set ifaddr 10.0.1.1/0 10.0.1.2/0
 set phone 340-3611
 set timeout 0
 set authname ここにユーザー名(接続アカウント名)を記述すること
 set authkey ここにパスワードを記述すること
 delete ALL
 add 0 0 HISADDR

FreeBSDページの目次に戻る


オンデマンドダイアルアップを使う

オンデマンドダイアルアップの利用方法を簡単に紹介する。

rootになってから

ppp -auto dtion
とタイプすると、すぐにコマンドプロンプトが返ってくる。 ここで、すかさず
ping -c 1 202.247.130.5
などと、使っているプロバイダのDNSサーバのIPアドレスにpingすると、自動的にダイヤルを開始するはずだ。

ただし、このままではダイヤルの引金を引いたパケットは失われることに注意しよう。 ここではダイヤルさせるためだけにpingしているし、ping自体は成功しなくとも良いのでパケットが失われても問題は無い。 しかし、本当に必要なパケットを引金にしてオンデマンドダイアルアップを行ないたい場合にはiij-pppにNATパッチをあてる必要がある。

NATパッチについては、FreeBSD インターネット接続&設定を紹介しているページへのリンク内部でリンクしているオンデマンド dialup PPPに挑戦の巻などが詳しいので、参考にして欲しい。

オンデマンドダイアルしたiijpppを終了させるには、pppctrlコマンドを使う。

pppctl -p iijppp 3000 close
pppctl -p iijppp 3000 quit
とコマンドを入力すると、回線切断、iijpppの終了を行なう事ができるだろう。 -p の後には、/etc/ppp/ppp.secretに指定したパスワードを指定する。 このページでは、パスワードをiijpppにしている設定を紹介しているので -p iijppp と指定している。
実際に設定する場合には、こんななげやりなパスワードは使わないようにしよう。 iijpppはroot権限で実行されており、iijpppにはシェルコマンドを実行する機能があるので、pppctl -p iijppp 3000 shell rm -rf / なんてやられた日には目も当てられないことになるのだ...。

FreeBSDページの目次に戻る


Copyright(c) 1996,97,98,99,2000,01,02,03,04 George(小濱 純). All rights reserved.
私の作成したページへのリンクはご自由にどうぞ。
このページに間違いや要望などがありましたら george@yk.rim.or.jp まで御連絡ください。

[ホームページ] [日記] [読んでいる日記] [秋葉原価格] [FreeBSD] [FreeBSD LINK] [検索] [高速検索]

home: <george@yk.rim.or.jp> or <george@ceres.dti.ne.jp>
(I am using SPAM filter, so please phone me when you wrote mail to me.)