毎年、りんどう湖で一泊旅行。
まきば園では、開設以来、毎年、那須りんどう湖ロイヤルホテルで一泊旅行をしている。
介護が必要なじいちゃんばあちゃんについては、家族が付き添う場合は、それぞれにかかる費用を払いさえすれば、毎年であっても参加できる。家族の付き添いがない場合は、年ごとに旅行の順番が回ってくる。
特養、デイサービス、ケアハウスと、それぞれのサービスを受けている人たちにくわえ、ケアスタッフ、家族、ボランティアなどが参加して、付き添いの人数のほうが多いくらいの、総勢50人ほどのバス旅行が始まる。
昼過ぎにまきば園を出発し、途中、トイレ休憩をはさんで、ホテルまで直行する。日曜日から月曜日にかけて実施されているため、家族が付き添いにくいということがあるものの、おかげで、行楽ラッシュに見舞われずに済んでいる。
旅行の目玉は、ディナーだ。広間を数時間借り切って、丸テーブルを囲み、しつらえられた舞台でのさまざまなアトラクションとコース料理を楽しむ。当初は、シチュエーションや時間の設定が、ばあちゃんには辛いのではないかと懸念されたが、こちらの心配など余計なお世話と言わんばかりに、ばあちゃんはこの数時間を受け入れている。
翌日は、天気や参加者の様子を探りながら、立ち寄る先を選び、予約した店で昼食をとって、夕方、まきば園に戻る。その頃には、旅行参加者は誰もかれも、すっかり疲れていて、それぞれに旅の終わりを迎える。
1996年の夏
1995年の夏