12月14日
ああ、よく来たねぇ。お土産の「雪苺娘」と格闘しながら、いま気づいたようにお愛想。牛皮で苺と生クリームを包んだ饅頭。口のまわりを粉だらけ、クリームだらけにしながら、うまかよ。半分やろうか。と言いつつ、最後の最後まで食べた。かなりのボリューム。夕食まであと1時間もない。
げっぷ。おなかいっぱいになったでしょ? まだった〜い。
珍しく、この日は、よく笑った。
いくつ? だいぶ年じゃあるけどね。
何年生まれ? 生まれはねぇ。明治40年だったよね。ええっ! 年だろう?
セーター買ったんだって? スタッフの一人から、買い物をしたという話を聞いていたので、そう聞くと、たちまち機嫌が悪くなる。買い物なんてしとらん。このセーター、似合ってるね。いいセーターだね。そうかぁ。
もうじきお正月だよ。うなづきながら、もうじきお正月ねぇ。
マクドナルドの景品のサイのぬいぐるみが置いてあった。どうしたの、これ。とばあちゃんに手渡すと、気に入ったらしく、触っている。こぎゃんとだろかねぇ。これが何だと思っているのだろうか。
今日はここに泊まるけん。
耳かきをすると、ああ、気持ちんよかぁ、と涙ぐむ。感動しつつも、痛かったのかもしれない。痛かった、ごめんね。そぎゃんこつはなかばってん・・・。
12月23日
誘われると手拍子。きちんと作られたクリスマス会。
これでしまいかもしれんねぇ、という顔。
夕食のための準備のあいだ、いつもより表情豊かで、会話もなんとか通じていたのに、夕食のテーブルについたとたん、
お世話になりました。ありがとうございました。
他人行儀の遠い世界に行ってしまった。すうっと遠ざかったばあちゃん。何やら切なく、振り切るように夜道を歩いて、東行田の駅まで歩いた。