志穂美悦子さんの主な出演作品

志穂美悦子さんの主な出演作品を紹介します。作品の選定は全く私の趣味によります。したがって、重要な役で出ている作品でも取りあげていないものもありますし、逆に友情出演などの場合でも取りあげているものもあります。また、基本的にはアクションものを取り上げていますが、アクションがない作品でも好きな作品は挙げています。

(まだ工事中であり、これから順次追加してゆく予定です。)

1.主演映画

2.その他の映画

3.テレビ番組

4.舞台

付録:私の好きな志穂美悦子さんが演じたキャラクター

主演映画

作品名 内容、コメントおよび余談
女必殺拳(1974年) 記念すべき主演第1作。日本香港混血の拳法の使い手李紅竜が、日本で行方不明となった麻薬Gメンである兄を探して活躍します。響(千葉真一)、早川絵美(早川絵美)の助けを借りながら、麻薬シンジケートのボス(天津敏)を倒します。本来は、アンジェラ・マオが主役、志穂美さんは早川絵美役という企画だったそうです。アンジェラ・マオが来日できなくなったため、志穂美さんに主役がまわってきました。
女必殺拳危機一発

(1974年)
李紅竜が誘拐された香港大富豪の娘を探して活躍します。椿(倉田保昭)の助けを借りながら、事件の背後にある宝石密輸シンジケートのボス(室田日出男)を倒します。余談ですが、この映画のスチール写真では、ホットパンツでアクションをしていますが、映画自体ではホットパンツではありません。ホットパンツでのアクションシーンのスチール撮影がいやで泣き出したそうです。
若い貴族たち・13階段のマキ(1975年) 梶原一騎原作の劇画の映画化。空手を使うスケバン日向マキが、江藤(大門正明)の助けを借り悪辣な暴力団組長(名和宏)を倒すというストーリーです。原作では主人公のマキのかなりきわどいシーンがありますが、映画には全くありません。当初、会社側は原作同様のきわどいシーンを入れる意向であり、そのことを聞かされ、志穂美さんは気を失わんばかりになったそうです。作品自体は好みは分かれるでしょうが、ほとんどロングショット、長回しで撮影されているアクションシーンは魅力的です。このアクションシーンだけでも、内藤誠撮影のアクションシーン撮影の手腕とともにもう少し評価されても良い作品だと思います。
華麗なる追跡(1975年) 無実の麻薬取引容疑で逮捕され自殺した船長の娘である矢代忍が、父を陥れた麻薬密輸組織のボス猪俣(天津敏)を倒します。矢代忍は、表の顔はレーサーですが、実は秘密麻薬捜査官であり、さまざまに変装してボスを追い詰めます。多羅尾伴内の女性版で、志穂美さんの七変化がみもの。立ち回りもそうですが、爆薬の破裂する中を走り抜けたり、ロープーウェーから宙吊りになったりの危険なスタントを吹き替えなしでやってるも見どころです。志穂美さんは自分の主演作品の中で一番好きな作品とおっしゃってます。
帰ってきた女必殺拳(1975年) 李紅竜が、日本で行方不明となった幼友達を探して活躍します。黒崎(倉田保昭)、百合子(ミッチー・ラブ)の助けを借りながら、暗黒街のボス(山本鱗一)を倒します。
必殺女拳士(1976年) 空手家桧垣(千葉真一)は、ニューヨーク市警の空手師範の座をめぐる争いの中で、悪徳空手家二階堂(天津敏)の卑劣な手段によって片目、片腕を失い、失意の内にアメリカで死亡。その娘である桧垣由美が日本に帰り、沖山(倉田保昭)の助けを借りながらいまは日本空手会の大物となった二階堂に復讐します。最後は、二階堂の配下の殺し屋によって腕を傷つけられた由美が片腕だけで闘うことになるので香港映画の『片腕ドラゴン』の日本版兼女性版であるとも言われたりします。しかしながら、舞台が葛飾柴又、由美の祖父が柴又の古寺の住職、さらに佐藤蛾次郎の出演と『男はつらいよ』プラス空手アクション映画という感じの方を強く受けます。
女必殺五段拳(1976年) 京都西陣の老舗の織物問屋の一人娘で、空手夢中となっている中川菊が、兄の敵を討とうとする友人(ミッチー・ラブ)を助けて、麻薬密売組織の根城となっている京都の映画撮影所に潜入し、活躍します。助けてくれる男性は、菊のお見合いの相手である麻薬取締官の高木(渡瀬恒彦)です。志穂美さんの晴れ着姿やお小姓姿などが見れます。なお、志穂美さんはこの作品で京都市民映画祭の主演女優賞を受賞しました。
宇宙からのメッセージ(1978年) 必ずしも主演映画とは見なされていませんが、実質的は主演映画であり、惑星ジルーシアのお姫様エメラリーダに扮しています。悪の惑星ガバナスに侵略された惑星ジルーシアのお姫様エメラリーダが、リアベの実を持つ8人の勇士を探し、ガバナスと闘うという話です。すぐにわかるように実は宇宙版八犬伝であり、エメラリーダは伏姫なのです。特撮とか、いろいろアラも目立ちますが、闘うお姫様という役柄はなかなかはまり役です。
二代目はクリスチャン(1985年) つかこうへい原作。神に仕える清純なシスターがやくざの二代目を継ぐことになるという話です。最後は、悪辣な敵対する組に殴り込みをかけます。監督の考えで、アクションは押さえた演出となっており、またつか原作の特有のくささがある点で好みが分かれるところがあります。美しいシスター姿、ウェディングドレス姿などを見るだけでも一見の価値はあります。

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その他の映画

作品名 内容およびコメント
ボディガード牙(1973年) 梶原一騎原作の劇画の映画化。この作品には出演者としてクレジットされておらず、普通の意味での出演作品ではありません。実は、主人公の牙直人(千葉真一)の妹マキ(渡辺やよい)のアクションシーンの吹き替え役です。このアクションシーンを観ていた観客が歓声をあげてことが嬉しかったと、数年後に本人が『徹子の部屋』で話されていました。(ただ、そのとき、そのシーンのビデオを見ながら、当時は駆け出しでアクションがまだ下手だったと自分ではおっしゃっておりました。)女性が女性のアクションシーンの吹き替えを行ったのは、おそらく日本映画史上でこの作品がはじめてなのではないでしょうか。
ボディガード牙・必殺三角飛び(1973年) 映画デビュー作。『ボディガード牙』の続編です。空手の達人牙直人と他流派の空手家との決闘に巻き込まれたマキは失明してしまい、また直人自身も投獄されてしまいます。出所後、牙はマキの治療費を得るため、獄中で知り合い意気投合した空手の名手南条(渡瀬恒彦)の殺害を引き受けるますが、卑劣な依頼主に怒った牙は逆に依頼主を倒します。志穂美さんの『ボディガード牙』でのアクションシーンの評判が良かったため、前回吹き替えを演じた主人公の牙直人(千葉真一)の妹マキの役で出演することになりました。アクションシーンの吹き替えをやったスタントマン、スタントウーマンが、続編で俳優としてその役を演じるというのは世界的に見ても珍しいのではないでしょうか。
激突殺人拳(1974年) 俺の空手に流儀はないと豪語し、殺し屋同然の無頼の生活を送る剣琢磨(千葉真一)のアジアの石油王の遺産を巡る争いの中での活躍を描くお話です。映画の冒頭で、死刑囚の脱獄を請け負った剣は、報酬のことで依頼者の義順(千葉治郎)奈智(志穂美悦子)の兄妹と争いを起こし、義順は殺され、奈智は暴力団に売り飛ばされて、売春婦にさせられてしまいます。志穂美さんの唯一の映画での汚れ役です。この映画をはじめて見たとき、剣琢磨の余りの極悪非道に怒りを覚えた記憶があります。(志穂美さんを売り飛ばすなんて!) そのダーティー・ヒーローぶりが、海外の一部のファンの間でカルト的な人気となっていることは有名です。
直撃地獄拳・大逆転(1974年) 『激突!殺人拳』が主として海外でカルト的な人気を得ているのに対し、こちらは国内でカルト的な人気を得ています。空手アクション映画の形態をとりながら、ナンセンスなギャグが満載の石井輝男監督の怪作。甲賀忍法の使い手甲賀竜一(千葉真一)、金庫破りの名人桜(郷瑛治)、元刑事隼(佐藤允)の三人組が、保険会社社長(丹波哲朗)の依頼で盗まれた宝石の行方を追います。志穂美さんは、保険会社の調査員、実は香港警察の紅美湖の役を演じています。志穂美さんの登場シーンは多くありませんが、ラストのチャイナドレス姿でのアクションシーンが魅力的です。
少林寺拳法(1994) 日本小林寺拳法の創始者である宗道臣の半生を描いた作品です。といっても、事実に完全に忠実な訳ではなく、かなりの創作が加えられてはいます。中国で日本の特務機関の一員として活動中に、少林寺義和門拳の印可を受けた宗道臣(千葉真一)は、敗戦後日本に帰国します。しかし、敗戦後の大阪での人心の荒廃、暴力団の横行に心を痛め、しばしば怒りの鉄拳を爆発させます。そのため大坂に居られなくなった道臣は、四国に渡り、そこで若者達に少林寺拳法を教えるようになりますが、ここでもまたやくざとの対立が生じます。志穂美さんは、敗戦のショックで一時は自暴自棄となっていた兄を心配する優しい娘美穂の役で、兄ともども宗道臣に弟子入りします。この作品の志穂美さんは、可憐さが強調され、なかなか可愛く、道着姿も魅力的です。武道映画としてはややインパクトには欠け、志穂美さんの出番はそう多くはありませんが、可憐な志穂美さんが好きで、かつ志穂美さんのアクションが同時に見たいという方は見る価値はあると思います。
瞳の中の訪問者(1977年) 手塚治虫の『ブラック・ジャック』の実写版映画化。主人公千晶(片平なぎさ)の親友京子に扮しています。ブラック・ジャックが宍戸錠だという配役上の問題点、大林宣彦の趣味に走った演出など、映画自体の出来には疑問符がつきます。(この映画を酷評した某映画評論家と大林宣彦との間で激しい論争がありました。)しかし、そのような点は別として、志穂美さんのこの映画での清純な美しさは輝くばかりです。この映画で、志穂美さんの京子は片平なぎさの千晶に献身的に尽くしますが、それにはある京子のある想いが隠されています。
柳生一族の陰謀(1978年) 徳川家光(松方弘樹)と駿河大納言忠長(西郷輝彦)の三代目将軍を巡る争いにおける柳生一族をはじめとする様々な人々の戦いを描いた大作時代劇。家光側は、柳生但馬守(萬屋錦之介)、十兵衛(千葉真一)を始めとする柳生一族、松平伊豆守(高橋悦史)など、忠長側は土井大炊頭(芦田伸介)、烏丸少将(成田三樹夫)をはじめとする公家達です。結局、家光側が勝利を得ますが、ラストに奇想天外などんでん返しが...。志穂美さんは柳生十兵衛の妹である男装の女剣士柳生茜を演じています。この男装の女剣士という役柄は、その後の志穂美さんのはまり役となりました。
ホンコン・コネクション(1979年) 法政大学の映画研究会の自主制作映画です。国際犯罪組織を相手に活躍するスパイのお話です。志穂美さんは、主人公(男性)が窮地に陥ったときに現われ、主人公を助ける美しく有能な女性スパイ"エメラリーダ志穂美"の役で特別出演(主人公を助けるアクションシーンと、その直後の主人公の会話のシーンで1分にも満たないと思います)しています。
転校生(1982年) 特別出演。体が入れ替わってしまった女子生徒(小林聡美)と男子生徒(尾美としのり)の担任で、二人に振り回される教師の役を演じています。ほんの数シーンしか出ておらず、アクションシーンももちろんありませんが、映画自体が好きなので挙げておきました。
蒲田行進曲(1982年) 友情出演。撮影所での時代劇の撮影シーンで、白無垢に着物を着ての立ち回りシーンを演じるスターの役です。実は、この映画については私には良く分からない点があります。この映画は、1982年度の映画賞を総なめにした大傑作ということになっています。ところが、後になってビデオで見てみると、面白くないとはもちろんいえませんが、それほどの傑作であるとは感じられないのです。つかこうへいの作品が体質に合わかどうかで好みが分かれる映画であり、全ての人が高く評価するとは思われない感じがするのですが。私の感覚がおかしいのでしょうか。どなたか教えて下さい。
上海バンスキング(1984年) 斎藤憐原作のミュージカルの映画化です。もともとは、自由劇場で吉田日出子主演として人気を得ていました。1930年代の上海のダンスホール「セントルイス」を舞台としたジャズに心を奪われた男女の物語です。主演のマドンナことまどかは松坂慶子、その夫の波多野四郎は風間杜夫が演じています。志穂美さんは、夫の友人であるバンドマンのバクマツ(宇崎竜童)と恋仲になり、結婚することになる中国娘リリーの役を演じています。マドンナ、波多野、バクマツ、リリーは、セントルイスでジャズにあけくれる日々を送りますが、この4人に戦争の暗い影が忍び寄ります。ジャズは禁止、バクマツは招集され、波多野は希望をなくして阿片に溺れ...。志穂美さんのチャイナドレス姿がたくさん見れるのは良いのですが、映画として成功しているかとなると疑問符がつきます。舞台と映画のギャップがうまく克服されていない点、戦争の場面の扱い、回想シーン等々です。本当に舞台の映画化は難しいと感じさせる一本です。なお、志穂美さんはリリー役で、日本アカデミー賞助演女優賞をはじめとして、数多くの助演女優賞を受賞されました。

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テレビ番組

作品名 内容およびコメント


現代鬼婆考・殺愛(1973年)
志穂美さんのデビュー作であり、この作品への出演を機に「志穂美悦子」という芸名が決まりました。小池一雄原作の雑誌『コミック&コミック』に連載されていた劇画のTVドラマ化です。殺し屋をしながら、数百年も生きている鬼婆の兄妹(姉妹?)の物語です。

千葉真一演じる兄(姉?)は、青年の男と老婆の二つの姿を使い分けており、青年の姿で「大庭しげ男」、老婆のときは「大庭しげ」と名乗っています。志穂美さん演じる妹は、普段は少女の姿であり、「しげみ」と名乗っています。会社社長の八坂総一郎(柳永二郎)は、15年前にしげに経営上の邪魔者を殺してもらったという過去があります。総一郎の後妻である花江(真山知子)も、総一郎の先妻をしげ男に殺してもらい、総一郎の後妻となったという過去があります。癌で死期が間近だという宣告を受けた総一郎は、自分の死後に花江が他の男のものとなることを嫌い、しげに花江を殺すことを依頼します。花江は総一郎の部下である男と浮気をしていますが、総一郎が癌であり、さらに財産を自分に残さないように手続きをしようとしていることに気がつき、しげ男に総一郎を殺すことを依頼しますが、しげ男は自分の代わりに妹のしげみを推薦します。ということで、しげ男としげみは、総一郎・花江夫妻を殺す仕事を引き受けることになります。ところが、総一郎の癌が誤診であることが分かり、総一郎は殺人を中止させようとしますが、鬼婆たちは一旦引き受けた殺人は止めず、総一郎と花江の命を奪います。

主人公が殺し屋を職業とする鬼婆であるという風変わりなオカルト色があるアクションものです。鬼婆という設定ですが、志穂美さんは少女の姿をしており、黄色いミニのスカートでアクションを見せてます。『キカイダー01』のマリ以上に大胆な格好でアクションをするので、見られた方は少し驚くかもしれません。
キカイダー01(1973年) 言わずと知れたビジンダー/マリの役です。
ザ・ボディガード(1974年) 大人向け連続ドラマで初のレギュラー出演をした番組です。千葉真一を中心としたボディガードを職業とするグループの活躍を描いたアクションものです。志穂美さんは、ボディガードの紅一点ジュンの役です。その他出演者は目黒祐樹、千葉治郎、雪村いずみなどです。回が進むに連れて、志穂美さんの髪型がショートヘアからロングヘアに変わっていき、またどんどんきれいになっていった記憶があります。(志穂美さんの旦那さんが主演した最近のテレビ朝日の番組ではありません。)
ザ・ゴリラ7(1975年) 『ザ・ボディガード』に続く、千葉真一主演のアクションドラマシリーズの第2弾です。志穂美さんは千葉真一をリーダーとするゴリラとグループの1員で、甲賀忍者の末裔の流矢ミチ役です。その他の出演者は夏八木勲、目黒祐樹、千葉治郎などです。千葉真一をリーダーとするゴリラと呼ばれる正体不明の男女7人組が悪人相手に大暴れ、というと『ザ・ボディガード』とほとんど同じように聞こえますが、作品の雰囲気等がかなり異なってます。まず、ゴリラの面々が悪人と闘うのは、悪人の上前をはねたりして、お金を稼ぐためとなってます。さらに、筋もかなりコミカルなものとなっており、ゴリラは悪役をやっつけるのには成功するが、お金を得るのには失敗するというのがパターンです。志穂美さんの流矢ミチは、志穂美さんの演じた役では珍しく、どちらかとうと「暴れん坊」的な色彩が強いものとなってます。
大江戸捜査網(1976年) 隠密同心風(普段はお新)の役です。普段は自分の正体を隠して探索を行い、悪を倒す忍者集団である隠密同心の一員の役です。初の時代劇出演ですが、立ち回りシーンではほとんど刀を使わず、足での蹴り技やヌンチャクで相手を倒します。網タイツでの忍者スタイルがなかなか良く似合って魅力的でした。
ジャッカー電撃隊(1977年) 天才女性空手家小野夏子の役で、第3回にゲスト出演。ロングヘアーと黒のレザーウェアでのアクション・シーンがとても魅力的です。キカイダー01のビジンダー/マリより、私はこの役の方が好きです。(というより、志穂美さんが演じたあらゆる役の内でも一番好きなものの部類に入ります。)

この作品については別ページで詳しく紹介しています。(ここをクリック)
みどころガンガン大放送(1977年) 初のバラエティ番組。ミッション系の学園が舞台の学園もので、志穂美さんは、シスター兼教師の役です。他の出演者は、ピンクレディ、清水健太郎、せんんだみつおなどです。志穂美さんは、ミニスカートでアクションを披露したり、歌を歌たったりなどしていました。まさに、志穂美さんがアイドルしながらアクションするという感じで、ファンにとっては楽しい番組でした。
新・河原町東入ル(1977年)「めぐりあったが百年目」「めぐりあったわ10年目」 2回で各エピソードが完結するという形式の関口宏主演のドラマですが、各エピソードごとに違う女優さんがゲスト出演するというのが一つの「売り」でした。子供を残して妻に先立たれた建築家の佐久良一馬(関口宏)の前に、魅力的な女性が次から次へと現れて...というお話です。ある日、 一馬は、建築現場で志穂美さん演じる美しい女性夏子と出会います。夏子は一馬のことを昔から知っているようですが、一馬には記憶がありません。さらに、夏子は一馬の家に押し掛けお手伝いさんとしてやってきて、あれこれ世話を焼くようになります。この不思議な女性夏子は、実は一馬の大学時代の恩師である大河原教授のお嬢さんでした。大学生だった一馬が大河原教授の家に出入りしていたときに、中学生だった夏子は一馬のことを好きになり、それから10年間思い続けていたという設定なのです。あわやというところまで行きますが、結局何も起こらず、夏子は去っていきます。この作品の志穂美さんは、大変に美しく魅力的です。さらさらのロングや三つ編みの髪形やロングスカート、ジーンズなどが非常に良く似合っています。おそらく現代劇の中では、最も美しい志穂美さんを見ることができる作品なのではないでしょうか。志穂美さんの美しさ以外に、志穂美さんが恋する女性の微妙な心理を非常に上手く表現している点も大きな見どころです。さらに言えば、この夏子という女性、志穂美さんが演じた役にしては珍しく、男性というか恋愛に対して積極的なのです。ということもあり、志穂美さんがの時折ドキッとするような色っぽい表情を見せます。この点も新鮮に感じる人が多いのではと思います。見直してみて大好きな作品となりました。


新伍飛んでけ捕物帳(1977年)
山城新伍主演の捕物帳ですが、舞台で演じられる劇を公開録画して放映するという形式です。(昔はこの形式の番組以外に多かったのです。)他の出演者は千葉真一、山田隆夫などです。志穂美さんは、武術の道場を開いている女武芸者の役でセミレギュラー出演し、網タイツ姿で見事な立ち回りを見せてました。
柳生一族の陰謀(1978年) 大ヒットした映画『柳生一族の陰謀』のテレビドラマ化です。映画とは、いくつかの点で大きな違いがあります。映画では、萬屋錦之介の柳生但馬守が主役でした(テレビでは柳生但馬守は山村聡)が、テレビ版では十兵衛(映画と同じく千葉真一)が主役となっています。また、徳川家光と駿河大納言忠長の三代目将軍を巡る争いが終わっても、柳生一族は幕府に使い捨てられらないために戦いを続けるという設定になっています。(これは、視聴率が良かったため放映を延長したことによります。)ファンにとって嬉しいのは、映画版と比して志穂美さん演じる柳生茜の存在が非常に大きくなっており、十兵衛と茜が話の中心となっているといっても過言ではありません。映画版では、茜は土井大炊頭と刺し違えて途中で死んでしまいますが、テレビ版では死ぬことはなく最終回まで活躍を続けます。また、テレビ版のもう一つの大きな特徴は、柳生家の家族関係を巡る話のウェートが大きくなっていることです。とくに、茜と兄の十兵衛の間の近親相姦的な兄妹愛はストーリーの大きな軸となっています。さらに、茜は実は十兵衛の本当の妹ではなく、(茜本人は知りませんが)柳生但馬守の養女だという設定になっています。この柳生茜の役は志穂美さんのテレビでの一番の当たり役だといってよいでしょう。
学園ナナハン危機一髪「11歳のハートに滑り込め」(1980年) 『学園ナナハン危機一髪』は各回90分の1話完結の学園ものです。志穂美さんは、その中の「11歳のハートに滑り込め」で主演しています。生徒には人気があるが、その母親からは人気がないという設定の女教師の役を好演しています。ドラマでの教師役というと『熱中時代』が有名ですが、こちらの方が作品としては面白いと思います。志穂美さんは、意外と教師の役で出演している作品が多いことに気づきます。一つには、色気を感じさせない(失礼)そのイメージが教師役にあっていたこともあると思われます。
影の軍団U(1981) 千葉真一主演の『影の軍団』シリーズの第2弾です。幕政を牛耳る側用人大岡忠光(成田三樹夫)により、一族を殺された柘植新八(千葉真一)は、伊賀忍者集団を率いて大岡忠光と大岡を支える「二十六人衆」と闘いを繰り広げます。志穂美さんは、大岡を支える秘密警察である甲賀忍者集団「椎名組」の首領椎名美里を演じてます。美里は自分の父を殺したのは大岡であると知り、また新八に恋心を抱いてしまい、そのことを知った大岡に目を潰されてしまいます。この美里の新八に対する悲恋が物語の1つの軸となってます。
影の軍団V(1982) 千葉真一主演の『影の軍団』シリーズの第3弾です。自分の息子である綱教を将軍につけようとする紀州徳川家の光貞(小沢栄太郎)の陰謀を阻止するために江戸城から姿を消した本理院孝子(岸田今日子)は、公儀から追放されて江戸の町に隠れ住んでいる伊賀忍者多羅尾半蔵(千葉真一)を味方につけ、 光貞の陰謀に立ち向かいます。志穂美さんは、半蔵が率いる伊賀忍者集団の一員であるお蝶を演じています。お蝶は表向きは居酒屋の女将ですが、盗賊というか義賊のようなこともやっています。
斬り捨て御免「大奥を濡らす魔性の血」(1982年) 中村吉右衛門主演の時代劇へのゲスト出演です。中村吉右衛門演ずる花房出雲は、白河楽翁(松平定信)の命によって、幕政を牛耳る「翁の御前」という怪人物と闘うグループのリーダーです。翁の御前は大奥に阿片を流行らせ、幕閣人事を思うままにコントロールすることをしようとします。志穂美さんは、大奥年寄滝川の命により、この陰謀の証拠となる阿片を、翁の御前一味から奪おうとする女忍者お冴の役です。お冴と出雲は協力して、、翁の御前一味から阿片を奪います。掲示板でも話題になりましたが、この作品の志穂美さんは立ち回りもカッコ良いのですが、大変に美しく魅力的です。制作が東映ではなく、松竹系の京都映画だというのもその一つの原因かもしれません。忍び装束や髪形などが非常に良く似合ってることもあると思います。最後のシーンの腰元姿も魅力的です。非常に綺麗に撮れてます。おそらく時代劇の中では、最も美しい志穂美さんを見ることができる作品なのではないでしょうか。また、出雲に女性として心を寄せるようになるシーンなど、あまり見ることがない志穂美さんの表情がとても新鮮に感じられます。さらに、志穂美さんが演じた時代劇での多くの役と違い、悲しい役どころではないところも新鮮な感じがします。以前から私の好きな作品の一つでしたが、見直してみてTV版『柳生一族の陰謀』より好きになりました。
柳生十兵衛あばれ旅(1982) 『柳生一族の陰謀』『柳生あばれ旅』に続く千葉真一さんの柳生十兵衛ものの第3弾であり、『柳生あばれ旅』の続編的性格の作品です。『柳生一族の陰謀』と同じく、志穂美さんは十兵衛の妹茜を演じています。島津家久(成田三樹夫)を中心とした反徳川幕府の陰謀を阻止するために、十兵衛は乱心を装い江戸城から姿を消します。茜は「柳生縫之介」と名乗って公儀巡検使となり、柳生家家臣臣鏑木太郎兵衛(長門勇)と有沢亜里助(黒崎輝)をお供に中山道を旅することになります。実は乱心者を装った十兵衛が本当の巡検使であり、十兵衛と裏柳生は茜を守りながら、つかず離れず中仙道を旅します。この作品でも茜は養女であり、十兵衛の本当の妹ではありません。茜は、実は徳川幕府に謀反を企てた本多正純の娘であるという設定で、この点『柳生一族の陰謀』とは設定が違ってます。
影の軍団W・影の軍団幕末編(1985) 千葉真一主演の『影の軍団』シリーズの第4弾です。Wと幕末編は内容は連続しており、放送期間の延長に伴いタイトルが若干変更されたものです。15代目服部半蔵(千葉真一)が、若き日の勝麟太郎(海舟)(真田広之)を助けながら、日本の未来を開くために闘います。敵は井伊直弼(成田三樹夫)、小栗上野介(夏八木勲)などですが、その背後には公儀お庭番の頭領である岡道雪(亀石征一郎)が黒幕としています。
半蔵は普段は日本橋の「べんり屋」で働いていいます。志穂美さんは、軍団の上方担当の副首領お蓮を演じてます。お蓮は主として京都などで活動しているとの設定で、普段は芸者に扮して情報収集を行なったりしており、また「べんり屋」の京都支店を取り仕切っています。

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舞台

作品名 内容およびコメント
柳生十兵衛・魔界転生

(1981年)
映画化された山田風太郎原作の小説の舞台版です。この作品については別ページで詳しく紹介しています。(ここをクリック)

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付録:私の好きな志穂美悦子さんが演じたキャラクター

現代もの

順位 役名 コメント
小野夏子(『ジャッカー電撃隊』) ロングヘアーと黒のレザーウェアでのアクション・シーンがとても魅力的です。また、空手の道着姿も清楚で魅力的です。
大河原夏子(『新・河原町東入ル』) アクションが全くない役ですが、その美しいこと。唯一の不満は相手役が関口宏さんだということか...。
中川菊(『女必殺五段拳』)

桧垣由美(『必殺女拳士』)
実は李紅竜(『女必殺拳』)よりこちらが好みです。中川菊(『女必殺五段拳』)のような闘うお嬢さんという設定の方が志穂美さんには合っていた気がするのですが、他のファンの方はどうお思いでしょうか。
南部京子(『瞳の中の訪問者』) アクションが全くない役です。この映画ではロングヘアーを切っていますが、清純な美しさは輝くばかりです。
エメラリーダ(『宇宙からのメッセージ』) 闘うお姫様という役柄はなかなかは適役だと思います。
紅美湖(『直撃地獄拳・ 大逆転』) うっかりしてこの役をあげるのを忘れていました。紅美湖というのは実は偽名で、正体は香港警察の女刑事「しゅうれい」です。ラストのチャイナ服でのアクションが魅力的です。

時代もの

順位 役名 コメント
天草四郎(舞台:新宿コマ劇場『柳生十兵衛・魔界転生』) 映画化された山田風太郎原作の小説の舞台版です。天草四郎は実は女性だったいう形で脚色がなされています。疑いもなく、悦子さんの最高傑作です。舞台なので、再び見ることが不可能なのが残念です。
お冴(『切り捨て御免』) 忍者役でのゲスト出演ですが、立ち回りを別にしても、御殿女中姿などなかなか美しかったと記憶しています。
風 お新(『大江戸捜査網』) 初の忍者役ですが、忍者姿がなかなかよかったと記憶しています。
柳生茜(『柳生一族の陰謀』、『柳生十兵衛あばれ旅』) 映画、テレビを通じた悦子さんの当たり役です。エメラリーダと同じく闘うお姫様ですが、こちらは男装の女剣士です。テレビでは兄十兵衛との近親相姦的な兄妹愛(実は養女なのですが)が物語の一つの軸となっていました
椎名美里(『影の軍団U』) 敵である柘植新八によせる思いを懸命に押さえる姿がなかなか情感たっぷりでした。

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