2013/11/05 作成開始
ここでは、CubeXで造形できる造形データのデーター構造が分り、テキストベースで非スクランブルの読み込み用ファイルの拡張子も明確になったので、色々と小細工して個人的に様々な不満を解消する試みを紹介する。
この造形ピッチの混在造形は、比較的容易である。必要とする造形ピッチで造形したファイルをそれぞれ作成し、造形ピッチを変更したい部分に該当するピッチの造形データと掏り替えるだけである。後は、切り替わり前後の辻褄を合わせるためのコードを挿入するだけである。
この造形ピッチの混在造形であるが、切り替わりの高さ部分はうまく合わさなければならないが、何とかなるだろう。
この造形ピッチ0.05mmの実現には、該当するピッチの造形データを作成する必要があるが、CubeXでは残念ながらそのコードを得る為の設定項目がない。
そこで、他のスライサーなどでG-codeを生成して、CubeX用に変更する方法も考えているが、それよりも簡単に実現出来そうな方法として、造形ピッチ0.1mmで生成された造形データを利用する事である。
方法として、先ずはSTLファイルを高さ方向に2倍に変形させたものを読み込み、0.1mmで造形データを得るのである。
この方法で造形データを作成した場合は、オーバーハングが緩和される為、本来必要な分部へのサポート発生が失われる可能性がある。(不要なサポートが減る事もある。)
以下は、何らかのスクリプトやプログラムでの処理が必要になるだろうが、比較的容易な処理である。
次に、造形データの修正であるが、Z値に0.5を掛けた値に変更していくのである。
これで、造形データとして0.05mmピッチのデータとなる。
(2013/11/09)
単純に0.5倍だと、一層目も0.5mmから0.25mmになるので、それが駄目なら、最初の0.5mmは無視して、次の二層目から0.5mm分差し引いてから、0.5倍にして、0.5mmを足しておくとよい。
(2013/11/10)
ここまでの処理を行うものと不要行を削除するまでのプログラムは出来た。後は、エディタレベルで処理しようと思う。設定値が固まり次第、パラメータでの読み取り仕様で対応しようと思う。造形サンプルを載せておく。
更に、0.05mmピッチ用として、フィラメントの送り出し量を変更したり、造形速度を変更したり、溶融温度を変更したりとカスタマイズする必要があるが、殆どが置き換えで処理できる。(不要と思われる行も削除すべきである。)
これで、0.05mmピッチの造形が実現可能になるだろう。
同じような方法を取れば、任意の造形ピッチの造形データが得られる筈である。
造形ピッチ | STLの高さ倍率 | ビルドピッチ | Z軸掛け率 | 備考 |
---|---|---|---|---|
0.01mm | 10 | 0.1mm | 0.1 | オーバーハング意味なし |
0.02mm | 5 | 0.1mm | 0.2 | オーバーハングがめちゃめちゃ緩和 |
0.025mm? | 4 | 0.1mm | 0.25 | オーバーハングがめちゃめちゃ緩和 |
0.04mm | 2.5 | 0.1mm | 0.4 | オーバーハングがめちゃ緩和 |
0.05mm | 2 | 0.1mm | 0.5 | オーバーハングが相当緩和 |
0.075mm | 4/3 | 0.1mm | 0.75 | オーバーハングが緩和 |
0.08mm | 1.25 | 0.1mm | 0.8 | オーバーハングが緩和 |
0.2mm | 0.5 | 0.1mm | 2 | オーバーハングがきつくなる |
1.25 | 0.25mm | 0.8 | オーバーハングが緩和 | |
2.5 | 0.5mm | 0.4 | オーバーハングが相当緩和 | |
0.3mm | 1/3 | 0.1mm | 3 | オーバーハングが相当きつくなる |
5/6 | 0.25mm | 1.2 | オーバーハングがややきつくなる | |
5/3 | 0.5mm | 0.6 | オーバーハングが緩和 |
その他の方法として、ビルド時に参照される造形条件ファイルであるユーザー領域の"Configuration cubeit.xml"の内容を制御する事である。
造形条件ファイルの作成から、その条件ファイルを読み取る動作の間に少しでもファイルを変更できる時間があれば、もしかすると置き換え出来る可能性がある。
(2013/11/06)
ユーザー領域の"Configuration cubeit.xml"の監視をして、更新されたら置き替える簡易的なスクリプト的プログラムを記述して実行してみたが、うまくビルドのコントロールを変更させることができなかった。ちょっと浅知恵でした。(ファイルポインター関係で処理すれば良いのかな、Cを使わなければならないかも。)
(2013/11/08)
ファイルハンドルを利用するプログラムで操作してみたが、ビルドでエラー発生して処理が出来なかった。また、ファイルをリンクで定義し、リンク先のファイルの内容を操作したが、リンクの場合は、ファイルが無いものとして新規にファイルが同名で作成され、やはり操作できなかった。
ここまでくると、OSレベルで誤魔化す処理を組まなければならないかも知れないが、私にはその能力がないので諦める事にする。
嘗て若い頃は、コードなど数分で組み上げていたのだが、数年に1回で、くだらないスクリプトの作成しかやる必要がない現状では、コードの仕様やらなにやらを確認する作業のほうが多くて、仕事にならない。年をとるとむしろ仕様作成のほうが楽になるものである。
(2013/11/09)
CubeXで吐出されるG-codeを生成するスライサーは、KISSlicerの様である。こちらを利用すれば、より簡単に必要なG-codeが得られるかもしれない。
Firmware Typeは"Bits From Bytes Printers"で、ほぼ同一の形式で出力される。
これを利用すれば、かなり自由に造形ファイルが出来そうである。
(2014/03/04)
以下のKISSlicer + CubeItでの造形にて解決。
上記にも記載があるが、造形速度やフィラメントの送り出し量、溶融温度の変更は比較的容易である。
(2013/12/14)
冬場の室温設定が少々低めで設定している為、造形にかなり影響があるようで、溶融温度を少々高めにしないとフィラメントの定着が不安定になり始めた。
本体でも温度設定は変更可能であるが、温度設定が頻繁に切り替わるような造形データの場合は、ファイル内の定義を修正する方が良い。
(2014/03/04)
以下のKISSlicer + CubeItでの造形にて解決。
これは、他のスライサーで得られるコードを利用するしかないだろう。CubeXで生成出来ないデータは他に頼るしかない。
変換処理を行うプログラム等が必要になる。
尚、中味の埋め方の量だけを層単位で変更したい場合は、中味の埋め方を替えた造形データを生成して、入れ替えをすれば良いだろう。
(2014/03/04)
以下のKISSlicer + CubeItでの造形にて解決。
これは、他のスライサーで得られるコードを利用するしかないだろう。CubeXで生成出来ないデータは他に頼るしかない。
変換処理を行うプログラム等が必要になる。
(2014/03/04)
以下のKISSlicer + CubeItでの造形にて解決。
特定の位置のサポート除去は、非常に面倒な作業(工数)になるが出来ない事はない。但し、層の特定の範囲内のもの全てが対象であれば、サポート無しの造形データを作成して該当する部分と入れ替えすれば良い事である。
これは、STLデータにわざとハングオーバーに引っかかる形状を追加させて、サポートを自動発生させる方法もあるし、サポートそのものの形状を自力で追加する方法で何とかなる。必要な部分とそうではない部分を区別する方法がないので、不要なサポートが発生するリスクがあるので基本的にサポートなしで造形データを得る方法しかない。
(2014/03/04)
有償のソフトだがPhotoshop CCの3Dプリント環境で生成されるスキャフォールディング(サポート材)の自動生成がかなり良い。
個人的に理想としているサポートの形状を生成する。
(2013/11/06)
上記にも記載があるが、ビルド時に参照される造形条件ファイルであるユーザー領域の"Configuration cubeit.xml"のファイルがある。
この内容を見ると、多少なりとも造形時の条件で操作したくなる項目が幾つかある。
最も操作したいのは「ハングオーバー」の角度である。
記述からすると30度と指定があるが、もう少し条件を緩和したい所である。
他にも記述の内容を理解すれば操作したくなる項目があるだろう。
何とか、これらの項目をコントロールする術を見出したいところである。
(2013/11/09)
KISSlicerを利用すれば、このような条件設定が自由に定義出来そうである。
(2014/03/04)
以下のKISSlicer + CubeItでの造形にて解決。
(2013/11/06)
これは、至って簡単な変更で済む。但し、造形での張り付き状況も考慮して適切な値にしなければならない。
尚、残りの造形層の関係から、一層目のZ軸の値を減らした分を、残りの層全てで差し引く処理が必要である。
そもそも0.25mmピッチや0.1mmピッチの造形において、最初の造形ピッチが0.5mmなのは下駄を履かせ過ぎである。
また、他のスライサーでは縁付の指定が出来るようであるが、これはSTLファイルを操作する事で我慢しよう。
(2014/03/04)
以下のKISSlicer + CubeItでの造形にて解決。
(2013/11/06)
Step 1
スクランブル化れたデータを元に戻す処理関係で、復元ミスまたはスクランブル時に復元不可能なデータに化けるのではないかと思われる。また、本体側でのスクランブル解除での処理ミスも考えられる。よって、造形は"*.BFB"で行う様にする。
Step 2
本体側での処理能力不足が考えられるので、本来の造形とは無関係なコードを削除する。
Step 3
造形データを観察すると、造形以外の移動関係の移動速度が異常に高速に設定されている。この様な設定が造形ズレを誘発するのではないかと思われる。よって、移動速度を低下させる様にする。
Step 4
造形ズレが発生するのは、ラフトやサポート付の場合が多いので、「ラフトなし」や「サポートなし」として造形を行う様にする。よって、自力でラフトを用意したり、サポートも自力で追加する作業を前もって行う。また、出来るだけサポート無しになる様に配置を工夫する。
Step 5
これでも造形ズレが出る様であれば、移動関係での多重定義や待ちなどのコードを挿入する。
一応、こんな所で防止出来るのではないかと考えている。
しかし、これでも出る様であれば、お手上げである。
(2014/03/04)
一応こちらで問題対策を試みているので紹介。
(2013/11/12)
コントロール装置のハードウエアの知識が無いので、少々実現が不可能なのだが、装置自体にまだ制御ポートが余っているように感じるので、オプションで追加できる要素があると思う。
今の状態では、装置のパネルを確認しないと何が起きているのか分らないのが痛手である。
この件は、メーカーの今後に期待したいと思う。但し、ファームウエアのバージョンアップ等で、*.BFBファイルの読み込みを禁止される可能性があるので、注意して行こうと思う。
(2014/12/13)
本体のメイン基板にPICkit2の端子が用意されているようなので、ICEなどの接続が可能な筈である。
これを利用してモニタリングを行い、警告の処理を追加できないかな。
(2013/11/12)
こちらも、上記同様であるが、これが出来るとかなり造形装置の扱いが楽になる。
(2014/12/13)
本体のメイン基板にPICkit2の端子が用意されているようなので、ICEなどの接続が可能な筈である。
これを利用してモニタリングを行い、警告の処理を追加できないかな。
モニタリングのPCをネットから操作する事も出来るかもしれない。
(2013/11/12)
確認してはいないが、もし、マイナスの値を設定して、伝達できるのであれば、減った情報を増やす事が出来るかもしれない。
直接、信号を監視して、それと同じ信号を与えれば、減る事が無くなると考えていたが、造形データ内にコードを仕掛ける事で、増やす事が可能ならば、面倒な作業は要らなくなるかも。
(2014/03/04)
既にフィラメントが無くなったPLA白のカートリッジでまだICチップ上に残量がある状態のものを利用して、他社のフィラメントでの造形を行ってみた。
造形データは’BFB’ファイルを利用し、フィラメントの使用長さを『0』にして最初の読み込みでの残量との比較を無効にし造形を行うが、ICチップ情報は減算されて表示上'EMPTY'になるも、その後も同様の処置にて造形が継続出来る事を確認した。
造形中に'EMPTY'になる状況でも、造形は中断されなかった事になる。
よって、今のところICチップの情報に関係なく同処置で造形が可能だと思われる。
(2014/03/05)
カートリッジ情報を削除すれば、取り付けられたカートリッジに関係なく造形出来る様である。(ICチップ情報も減算されない?)
カートリッジを取り付けなくても造形が可能な事が確認できた。
(2014/02/10)
どうやらこのAXON2の環境はソースコードを弄れるようである。
このソフトを利用して、任意の造形データを作成できるかもしれない。
コードの記述がPythonらしいので、そろそろこの言語の勉強もしておく必要がある。また、このレベルではSkeinforgeが利用されているようだ。
(2014/02/11)
KISSlicerとCubeItというものとの組み合わせでも造形できるようである。インストール先にあるcubifyit.exeと関係あるかな?
(2014/03/02)
AXON2.xでは、ビルドしたファイルは拡張子が'bfb'で、CubeXでそのまま読み込める。また、AXON3.xでは、ビルドしたファイルは拡張子が'bfbe'で、暗号化されたもので、拡張子を'cubex'に変更するとCubeXで読み込める。(AXON3の場合、Cubexのソフトには読み込み出来るが、装置ではエラーが発生して読み込めない。)
(2014/03/02)
以前に入手していたCubeItとKISSlicerでの設定関係を利用して、CubeXで造形できるデータの生成を試みた。生成されるファイルの拡張子は'bfb'でテキストである。
基本的には、なんら問題く生成出来る様である。
これで、色々と不満であった造形データの生成上の不備が改善され、ユーザー側での品質向上が試みられる。
(2014/03/04)
造形サンプル
(2014/06/12)
このCuraであるが、V14.06よりBFBファイルを生成する事がサポートされた。
吐出したコードを見るにCubeX仕様のファームウエアバージョンの記載があるので、ターゲットはCubeXで間違いないだろう。
吐出したコード内に定義されているMコードの内、M001で出力されている部分があるが、これを全てM101に置換すればヘッド1用の造形データに置き換わる。
まだ造形確認まではしていないが、使えそうである。
簡単な物を造形して見たが、初期設定等の修正が必要であるが、造形は出来るので訂正して利用しようと思う。
(2014/06/13)
造形サンプル
(2014/10/21)
随分以前にオーダーしてあるんだけど、未だに予備のノズルが届かないのだが、なにやらクレジットカードの引き落とし期限が過ぎたとかで、購入には再登録をお願いするようなメールが届いたので手続きをしたのだが、今度こそ届くのだろうか?(Cube
Proの出荷が完了したからなのか?)
ところで、CubeXのノズルの孔径は0.5mm以上あるので、細かな造形が出来ないのが残念な所である。
このノズルの孔径を細める事ができれば、より詳細な造形が可能だと思うのである。
既に、スライサーはKISSliserやCura等を利用できるので、ノズルの孔径にあわせたGコードを生成できる状況にある。
既存のノズルの孔に耐熱性のエポキシ接着剤を充填して塞ぐと同時に、細くしたABSやPLAの樹脂線を孔に通しておき、接着剤の硬化後に樹脂線を融かして取り除いて整形することでの改良したノズルが出来ないかと思案しているのだ。
とりあえず、ノズルの構造を確認する為にも、新しい状態のノズルが必要なのである。
うまくいったら、サンプルで報告の予定。
(2014/11/19)
なんか探していたら、小径ノズルが売られている所を見つけたので、自作よりも品質の良いものが得られそうなので注文してしまった。
ノズルの口径も選べる(0.25 / 0.3 / 0.35 / 0.4 / 0.6 / 0.8 mm)ようなので、試しに0.35mmを選択した。
何か、ジョイント物もあるので、規制のホットエンドを取り付けられるようになるみたい。
(2014/12/05)
届いた小径ノズルでの造形サンプル。
確認した段階では、口径は0.2mm位の様である。ヒーターは20W位の物の様だ。取り付けでは、若干サイズが大きいのか素直に取り付け出来ない状態で、奥まで挿入できなかった。その為、エクストルーダーとホットエンド間に隙間が発生する為、フィラメントの挿入がうまくいかない場合があるので、補助的な誘導構造物を造形して適切に挿入出来る様にする必要がありそうである。
ノズル先端は汎用性のある取り付け状態なので、手持ちのノズルも取り付け出来たし、他のノズル径の物も手に入りやすいから、色々と確認出来る様になる。(手持ちのノズル径:0.4mm、0.3mm、0.2mmで、今回の多分0.25mm)
(2014/12/08)
本日、本家に頼んでいたホットエンド2本とチューブ1本が届いた。ホットエンドは先端にフィラメントが詰まっていて、ノズルの状況が素直に確認できない状態であった。ノズルの小径化の為の計測は困難な状況である。とりあえず交換用として確保。
(2015/02/16)
別途注文しておいた物が届く。一応、自作ホットエンド用にパーツも揃える。
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(2013/11/12)
まだ、全てが確認できていないので、少々気が早いのではあるが、概ね求める探求が叶えられたような気がしている。
個人ではこれ以上は荷が重いのでこの程度に留めておこうと思う。(というよりは、ねた切れ感が漂ってきたので。)
気が変ったら、また挑戦しようと思う。暫し、休憩。但し、確認は継続。
(2014/03/08)
他の装置に集中していたのでかなりの期間ほったらかしにしていたが、ようやく本装置で楽しめる状況になった。
高いカートリッジに縛られずに造形が可能な事は、色々な確認作業を行うにも非常に貢献してくれる。
とりあえず、どこまで品質が追求できるのか挑戦である。
『CubeIt』の作者には感謝である。