CubeXでの造形時の工夫


 

ダミーを設ける  造形はほぼ左手前に近い物から造形が開始される。また、基本的に外形は右回りで造形されていく。
 ヘッドの最初にはフィラメントのダレが出やすく、最初の造形物に付着するため、それを防止するために本来の造形物とは別にその造形物より左手前にダミーの造形物を配置しておくと、本来の造形物の品質が向上する。
 ダミーは造形物の最大高さと同じになるようにして、簡単には倒れたりしないような構造で用意すると良い。
配置角度  上記にもあるが、造形物への造形軌跡の開始位置がほぼ決まっているので、その部分が若干盛り上がって造形される。この盛り上がりの位置が意匠面にならないように配置角度を変更すると良い。
本造形サンプルはサポートなしとして造形した

造形サンプルも参照
造形物の分解  造形する物によっては、高さが高すぎたり其のままでは不安定で積層が進まないなど、色々と障害が出てくるものである。また、意匠面が複数ある場合は、一度では造形が出来ない場合もある。このような場合は、造形物を分離して行うようにした方が良い。STLファイルしかない場合は、専用のソフトを利用して分離し配置すると良い。
ラフト付  造形では、ラフトを発生させた方が安定して造形できる場合もある。ラフトが必要な場合は、その素材選びも工夫したほうが良い。造形物本体がABSならばPLAのラフト材を、その逆で造形物本体がPLAならばABSのラフト材を選ぶべきだろう。尚、CubeXのビルドでは、バージョンV1.05では必ず造形開始が0.5mmで始まる。
 ラフトを使用した場合は、造形ピッチに関わらず目的の造形物の高さが得られる。ラフト無しの場合は、造形ピッチにより造形する高さが僅かに高く造形されるので注意が必要である。(0.25mmピッチは0.25mm、0.1mmピッチは0.4mm高く造形される)
サポート付  造形では、どうしてもサポートが必要になる場合がある。このような場合、出来るだけ配置角度や造形物の分解などを行い、サポートが発生しないような工夫が必要である。
 自動で発生するサポートは基本的に百害あって一利なしと思ったほうが良い。とにかく50度を上回る角度での造形位置には所かまわずサポートを発生させる。
 尚、サポートが必要な場合は、その素材選びも工夫した方が良い。造形物本体がABSならばPLAのサポート材を、その逆で造形物本体がPLAならばABSのサポート材を選ぶべきだろう。また、独自でサポート材になる造形物をデザインして造形するのも良い方法である。この場合は、同一のヘッドで造形するようにした方が良い。何故ならば、複数のヘッドで造形を行う場合、ヘッドの切り替わりがある度にヘッドの加熱時間が必要になり、造形時間に大きく影響が出るためである。独自でサポートをデザインするのだから、効率的で本当に必要な場所に取り外し易く設計することも可能だろう。
 プリントパッド・ガラス  ABSでの大物の造形では、熱収縮の問題があり、造形中にプリントバッド・ガラスがら剥がれて反り返る現象が起きる。
 これを少しでも防止するため、予めプリントバッド・ガラスを熱湯などに浸けておき、温度を上げた状態にして造形を開始すると、比較的密着が保たれて少ない反りで造形が出来る。(火傷に注意
 この方法はABSでの造形時に有効であり、PLAではやってはいけない。
 他の製品ではABSでの造形の為に、プリントパッド部分をヒーターで加熱する機能を持ったものや、外気から隔離して熱を逃がさないようにしたものもあるらしい。
ヘッド接触対策 (2013/10/18)
 1ヘッド仕様の装置ではあまり縁が無いと思うが、多ヘッド仕様のものであると、造形外のヘッドが造形物に接触したり乗り上げたりして、本来の造形ヘッドや造形物に悪影響を及ぼす場合がある。
 これを避けるためには、ヘッドの取り付け間隔内で造形できるように造形物の配置角度を調整する事であるが、必ずしも避けきれるものではない。
 理想的ならば、他の造形ヘッドが邪魔することが無いはずなのだが、吐出しのバラツキや細部の造形表現により重複した吐出しなどで、本来の造形高さ以上に厚めに造形する事があるのである。このような場合は、ヘッドだけではなく、ワイバーも邪魔をする事がある。
 このような事からも、造形物のデータには造形で表現できない部分は削除しておく事が望まれる。 

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