Genesis Apocryphon(Note:3)
* Genesis Apocryphon *
* 第三部(10〜12章)への註 *
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・第二部の註へ
【獣】
直接的な出典は「ダニエル書」である。ここで二匹の獣が出てくるのは、レヴィアタン(リヴァイアサン)とベヘモート(ビヒモスまたはバハムート)が対になっているという神話の影響だとされる。「ファイナルファンタジー」に登場する魔獣の名はいうまでもなくここから採られた。
【聖書の暗号】
聖書では、迫害を受けていた時代の仲間どうしの暗号の痕跡がところどころに残っていて、さまざまの暗号が使われている。この「いったん数字にする」というもののほかに、英語でいえばAをZに、BをYに、CをXに……というような置き換えかたによる暗号もあり、これも現在の聖書に残っていたりするらしい。
【最終決戦】
「ヨハネの黙示録」では、いわゆる千年王国の期間ののち、復活したサタンがゴグとマゴグという究極の悪役集団を率いて最終戦争を起こすことになっている。が、この連中は日本ではちょっちマイナーである。なお、この最終決戦ののちには、天も地も新しく生まれ変わり、「新しいエルサレム」が天から降りてきて祝福された人類の新しい世界がはじまるのである。
たぶんムスカ大佐は聖書のこの記述を読んでラピュタの世界支配の証拠だと思ったであろう。96年は『天空の城ラピュタ』公開10周年だ。
「ハルマゲドン」の記述があるのは、千年王国以前のできごとを叙述した部分である。
【お天気お姉さん】
『パトレイバー』劇場版第一作で「お天気お姉さん」をやっていた声優さんは『エヴァンゲリオン』のレイちゃんなのね。
【新共同訳】
カトリックとプロテスタント(とその中間に位置する聖公会)が使用するために共同に新しく訳した聖書で、1987年刊行(東方正教会はどうした?!)。それ以前に新約聖書のみの共同訳があったので「新共同訳」という。カトリックとプロテスタントの両方の慣習に配慮し、固有名詞表記に原語主義を採るなどの工夫がなされているが、なおカトリック神学の影響の強い部分があるという指摘もある。
【岩波書店版】
荒井献・佐藤研 責任編集、1995−96年。より学問的に原文に忠実な訳であることを自負した翻訳で、註・解説も充実している。このアーティクルでは、原文に忠実な翻訳を引用するほうが好ましいと思った部分にはこの岩波版から引用することにした。
【同人誌と商業誌】
おおっ、そうだったのか! ワシは「イベントに間に合わせる」のが同人誌づくりの目標だと思っていたぞ(^^;。
ちなみに、『アニメージュ』の『エヴァンゲリオン』特集(4月号はレイの表紙もいいがアスカのポスターもいいぞ!)には、第三使徒のデザインなどに参加しているあさりよしとおが関係しているので、同誌の特集ががちゃちな同人誌よりも「濃い」のはさしてふしぎではない。
どうでもいいから今月の『アニメージュ』は『イサミ』の特集をもう二頁ぐらい増やしてくれたってよかったろう! 『りりか』で「花林が渡したチョコレート」をとりあげてくれているのはうれしかったけど――これは脚本の竹田さんとともに名匠桜井弘明さんの傑作だ!
【『王立宇宙軍』】
WWFホームページに鈴谷了氏による評論を掲載している(この作品を『オネアミスの翼』と呼ばない理由も同論文を参照――ただしこちらのタイトルを断乎として排撃するというわけではない)。
→『王立宇宙軍という映画』
【起動確率0.000000001%】
リツコ博士は「オーナインシステム」と表現したが、確率を「%」に換算した段階でゼロが二つ省略されているのだから、「オーイレブンシステム」というのが正しいのではなかろうか?
【はっきり言っておく】
新約聖書新共同訳では「アーメン」の訳語なんだそうだ。「アーメン」とはもともと「たしかに」というような意味。
【私たちに神のご加護がありますように】
なんだか知らないが、イベントに持っていく原稿の追い込みをやっているときに『セイントテール』をやっているという例が多い。これも「ユダヤの陰謀」か?!
……たんに週末のイベント用の原稿の追い込みを木曜日の夜になんかやってるから、放映時間に重なるだけでしょーが!!
【文献】
『聖書』新共同訳、旧約聖書続編つき 日本聖書協会
『舊新約聖書』文語訳 日本聖書協会
Holy Bible --King James Version ,American Bible Society
『新約聖書』T―X 荒井献・佐藤研 責任編集 岩波書店
『新共同訳 旧約聖書・続編注解』U〜V 日本基督教団出版局
『新共同訳 新約聖書注解』TU 日本基督教団出版局
『死海写本の謎を解く』E・M・クック/土岐健治 監訳 教文館
『死海文書の謎』ベイジェント&リー/高尾利数 訳 柏書房
『旧約聖書に強くなる本』浅見定雄 日本基督教団出版局
『トンデモ本の世界』と学会 編 洋泉社
『トンデモ本の逆襲』と学会 編 洋泉社
その他『エヴァンゲリオン』関係のものいろいろ。
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