「葬儀当日」

 亡くなってから3日目。葬儀当日。
 朝、葬儀社の車が来る。従兄弟やご近所の方に手伝ってもらい出棺。
 昼からの葬儀開始に伴い親族一行は一足早く会場に赴く。次男(私)は今日も母親を病院まで迎へに行く。偶然にも病院は葬儀会場の直ぐ目と鼻の先。意味はないけど。
 葬儀会場の階上が控室としてあてがわれた。風呂や簡単なキッチンまでついた部屋で、控え室が使えるとは聞いていたが後で明細を見たらしっかり料金は取られていた。これは竹コースのコース料金ではなかったらしい。数時間しか使わない部屋にこの値段はどうなのだろう、風呂やキッチンまで必要なのかね(笑)

 お坊さんは甥に寺まで迎えに行ってもらう。当然帰りも送らなければならない。たとえ送迎が必要なかったとしても「お車代」(この場合は多分”交通費”ではないと思う)はかかるだろうからどちらがいいものだろうか。

 思ったより広い葬儀会場に入ると大きく引き伸ばされたスナップ写真の遺影が飾られていた。珍しい横置きだがいい感じだと思った。

 親戚たちが贈った生花の飾り付けがこれからだった。このとき並べる順番が問題だった。生花には贈った人の名札も飾られるのだがその順番が、要するに故人に近い順ということらしかった。残念ながら次男(私)は親戚の名前と関係に疎い(笑)。ああでもないこうでもないと長男と営業の話し合い。
 ええい!めんどくさい、あいうえお順でいいだろうと次男(私)は思ったがそうはいかないようだった。
 この地域では身内や親戚は祭壇の左右に男女に別れて座るのが習わし。生花も同じようにネームプレートの男女別に左右に別れて飾られる。父親の兄弟は全員既にい亡くなってしまっているので、(父親から見て)甥・姪から従兄弟という順番になるだろうか。しかしそのとき兄嫁の母の名札出現。従妹らを飛び越えてただちに女性側のトップとなる(笑)。その後に姪、その他親戚ということになった。
 葬式恒例の果物(パイナップル)と缶詰の盛り合わせも飾られていたが何か意味はあるのだろうか。なぜかいつもW孫一同Wのような気がするが。値段から考えて缶詰ひとつが”あのお札一枚”位するはずだった(笑)
 父親の詩吟の会の友人という人が現れ長男に一言二言。弔辞として一曲歌いたいということらしかった。本当に趣味の広い故人だった。
 ロビーには最近よくある記念写真の飾りつけがされていた。父親と母親のスナップ写真とともに、当然父親が趣味で撮影した作品も飾られていた。