’84年1月16・17日NHKホール




 これが第2期チューリップ最後のステージになりなろうとは。もしかしたら実質的にはチューリップ最後のステージだったかもしれない。

 何となくいつもと違った感じが結構新鮮で良かった。
 この頃のコンサートはとにかく”荘厳なOpening SE”で始まり、”映像を配し感動的に盛り上げられ”たエンディングで終わるというのがいつものパターンだった。それもまあ悪くは無かったが毎度毎度のこととなると少々...(またか)という気持ちもあった。

 この日のコンサートはそういったものを全てなくして財津和夫が久々にギターを抱え、しかもシングルB面の「フィジカル・ソング」というオープニングだった。
 エンディングは芦ノ湖と同じ「OUR SONG」(「高い山でも低い山でも目の前の山を上りなさい、上ればそこには青い空があるか...」というのは実にしょーも無い歌詞だと思った)で演出も同じようなものだったけど、いつものように映像で盛り上げて終わるというのでは無く、割とあっさりした終わり方だった(実際スクリーンはあった。でもそれは「SHOOTING STAR」という文字が表示されただけ...これはこれでよく分からない演出ではある)。
 生ギター・コーナーが無かったのも自分としては非常に良かった(生ギターコーナーは再結成ツアーの影響で、いつもいつもやっていたような印象があるが実際は第2期ツアーでも数えるほどしかやっていなかったはず)。

 そういえば財津がMCでニュー・アルバムのことを宣伝していたが、これも珍しいことでは?

 当時NHKホールでコンサートを行ったアーティストはその後ほとんどFMでライヴが放送されていて、当然このコンサートも放送された。テレビでも放送されるということで期待をしていたらテレビ版は全編ライヴではなく、スタジオでのダンスシーンとかを交えたバラエティ・ショーになっていた。今後の活動の抱負などが語られ、’85年の活動も期待を持たせてくれたと思ったら見事に裏切られることになった。
 (※この番組は「TULIP THE FILMS 2」でDVD化されています。)

 今にして思えば、この時期既に3人の脱退は決定事項だったはず。だからこその”バラエティ”への出演だったのだろうか。姫野の「ソロ・アルバムにも挑戦したい」という発言も、後のことを考えると意味深ではある。