The Beatles ANTHOLOGY Vol.3
東芝EMIより 10月30日 日本発売
TOCP-8705〜06 税込 3,600円
11/16付 米Billboard誌 Top Albums 200 初登場1位獲得!
Anthology 1, 2, 3 連続で初登場1位獲得!
3作連続初登場1位を成し遂げた初のバンドに!
未発表音源シリーズ第 3 弾、いよいよリリース
昨年よりリシリーズがスタートし、世界中で大きな反響を巻き起こし、
ついでに大きなセールスも記録してきたビートルズの未発表音源シリーズ
「アンソロジー」シリーズの最後を飾る第 3 弾が、
ついにリリースされた。
これは、全世界でテレビ放映されたビートルズの
TVドキュメンタリーシリーズ、
The Beatles Anthology に合わせて、2 枚組 CD を 今年から来年にかけて
3 回に渡り、計 6 枚リリースする計画の最後の第 3 弾。
1995 年 11 月にリリースされた第 1 弾「アンソロジー 1」、1996 年 3 月に
リリースされた第 2 弾とも各国で大ヒットとなり、特にアメリカでは
両アルバムとも2枚組にもかかわらず初登場1位を獲得している。
今回の CD シリーズについて
この Anthology CD シリーズは、今までに EMI から CD 等の形態で発表されたことが
全く無い音源からのみ構成されている。
音源としては、EMI の保有するスタジオでの没テイクだけではなく、
自宅でのデモレコーディングや、テレビやラジオ出演の際のライブテイクなども
含まれている。
その中でも、最も話題を呼んでいるのが、ビートルズとしての新曲。
メンバーはこの新曲について、当初「あくまでもポール、ジョージ、リンゴとしての
曲で、ビートルズの新曲として発表することはないし、あくまでも
テレビシリーズ用の曲として制作しているので、レコードとして発表する予定もない」
と明言していた。
しかし、故ジョン・レノンの未亡人である小野洋子さんがジョンの自宅での
デモレコーディングテープの提供を申し出たため、
最新の技術でジョンのボーカルを抽出、残りの 3 人が演奏とコーラスをつける形で
曲を完成させた。
こうして完成された曲として、アンソロジー第 1 弾では Free As A Bird、
第 2 弾では Real Love が発表されたが、
第 3 弾での 3 曲目はなかった。
Apple の広報担当、Derek Taylor が語ったところによると、
今後ビートルズとしての新曲のリリース、およびシングルカットは一切無いだろう、
とのことだそうだ。
曲目紹介
Disc One
- 1. A Beginning
- Ringo 作詞作曲による Don't Pass Me By のイントロのために、George Martin が
作曲した短いオーケストラピース。
- 2. Happiness Is a Warm Gun (mono)
- John 作詞作曲によるナンバーの初期テイク。Mojo 誌のインタビューで Paul
は初めは "I Need A Fix" というタイトルだった、としている。
アルバム THE BEATLES (White Album) のために行われた、'68年5月の George
の自宅 Esher での rehearsal session で録音された。
- 3. Helter Skelter (mono)
- White Albumからのアウトテイク。スローな R&B 的な演奏。
一部で収録要望運動が起こっていた 27分のフルバージョンではない。
Helter Skelter に関しては、シングルカットされる予定だったが、メンバーの
反対で中止になった。(このシングルカットバージョンが27分のバージョン
だったかどうかは不明。)
- 4. Mean Mr. Mustard
- 5. Polythene Pam
- 6. Glass Onion
- 7. Junk
- 8. Piggies
- 9. Honey Pie
- いずれもアルバム THE BEATLES (White Album) のために行われた、'68年5月の
George の自宅 Esher での rehearsal session から、となっている。
4. と 5. は'69年のアルバム ABBEY ROAD でリリースされた。
6. と 8. と 9. はアルバム WHITE ALBUM 収録曲。
7. は、'70年に Paul のビートルズ脱退声明の直後にリリースされた Paul の
ソロアルバム、McCARTNEY で発表されたナンバー。
- 10. Don't Pass Me By
- Ringo が単独で作った曲。WHITE ALBUM のアウトテイク。
- 11. Ob-La-Di, Ob-La-Da
- ピアノではなくアコースティックギターをフィーチャーしたアウトテイクで、
カリプソ風アレンジ。
'85年に米 Capitol がリリースに向けて動いていた、ビートルズの未発表曲を
集めたアルバム SESSIONS リリース時に、シングルとして Leave My Kitten Alone
をシングルカットする予定があり、その B 面曲として候補に上がっていたのが
このテイク。結局、SESSIONS はアルバムもシングルも発売中止になったが、
中止になったときにはシングルのスリーブだけは既に印刷されてしまっていて、
コレクターズアイテムとなっている。
- 12. Good Night
- White Album セッションからのアウトテイク。
Ringo の語りからスタートするテイクと思われる。
エンディングがまだ完成していないので、途中からバックの演奏は
通常のオーケストラバージョンに代わる。
- 13. Cry Baby Cry
- 1968 年 7 月 16 日に録音されたテイク1、アウトテイク。
- 14. Blackbird
- 1968 年 6 月 11 日に録音されたアウトテイク。
- 15. Sexy Sadie
- White Album セッションからのアウトテイク。
- 16. While My Guitar Gently Weeps
- 1968 年 7 月 25 日に録音されたアウトテイク。
George が一人でアコースティックギターのみでシンプルに演奏したもの。
デモテイク的に録られたものかもしれない。発売中止になった SESSIONS でも
収録予定曲としてあげられていた。今回収録のバージョンは、
この SESSION 収録予定だった、エンディングが編集され、ギターフレーズの
繰り返し & フェードアウトになっているバージョン。
- 17. Hey Jude
- アドリブが入っている alternative バージョン。
- 18. Not Guilty
- 1968 年 8 月上旬に録音された、George の曲。
'79年発表の George のソロアルバム、GEORGE HARRISON でリリースされた。
発売中止になった SESSIONS の収録予定曲でもあった。最終的に 102 テイクまで
レコーディングされた。
- 19. Mother Nature's Son
- White Albumセッションからのアウトテイク。
- 20. Glass Onion (mono)
- White Albumセッションからのアウトテイク。
まだ弦楽器がオーバーダビングされておらず、代わりに John によるサウンド
エフェクトが被っているバージョン。これを George Martin が聴いて、
弦楽器のオーバーダビングを提案したと言われている。
- 21.Rocky Raccoon
- 1968 年 8 月 15 日に録音されたアウトテイク。
- 22. What's the New Mary Jane
- John 主導で録音された未発表曲。
いままでに海賊盤でも何度も紹介され、発売中止になった未発表曲集アルバム
SESSIONS でも収録予定曲になっていた。
John は、この曲を A 面、You Know My Name (Look Up The Number) を B 面
として、Plastic Ono Band 名義でシングルリリースを計画したこともあって、
シングルのカタログナンバーまで決まっていた。
- 23. Step Inside Love / Los Paranoius
- Step Inside Love は I Will のレコーディング中に Paul が突発的に作った曲で、
I Will のレコーディングと並行して 1968 年 9 月 16 日レコーディング
されたもの。
Los Paranoius は即興演奏されたナンバーで、この曲の作曲クレジットは
メンバー4人になっている。
- 24. I'm So Tired
- 1968 年 10 月 8 日に録音されたアウトテイク。
- 25. I Will
- White Album セッションからのアウトテイク、テイク1。
- 26. Why Don't We Do It in the Road (mono)
- White Album セッションからのアウトテイク。
- 27. Julia
- 1968 年 10 月 13 日に録音されたアウトテイク。
John がアコースティックギターのみで歌う。
Disc Two
- 1. I've Got a Feeling
- 1969 年 1 月に Twickenham Film Studio と Apple Studio で行われた通称
Let It Be Session から。
アルバム LET IT BE のセッションから、Apple studio でのテイク。
Bliiy Preston がキーボードで加わり、Paul と John がリードヴォーカルを
分け合っている。
- 2. She Came in Through the Bathroom Window
- Paul の作ったナンバーで、アルバム ABBEY ROAD でリリースされる。
ここに収録されたのは、Let It Be でのリハーサル。
- 3. Dig a Pony
- LET IT BE のアウトテイク。
- 4. Two of Us
- Paul と John が Everly Brothers のようなデュエットを聞かせる。
- 5. For You Blue
- LET IT BE のアウトテイク。
- 6. Teddy Boy
- ビートルズとしてはリリースされず、Pual のソロアルバム McCARTNEY で
リリースされた、ポールのナンバー。ここでは、Let It Be セッションから。
- 7. Rip it Up / Shake Rattle and Roll / Blue Suede Shoes
- Let It Be セッションから、Oldies ナンバーの jam。
- 8. The Long and Winding Road
- アルバム Let It Be では Phil Spector によってオーケストラがオーバーダビング
されていたが、ここではドレスアップされていないバージョン。
ポールは常々このバージョンのリリースを望んでいて、今回ようやく正式に
陽の目を見ることとなった。
- 9. Oh Darling
- アルバム ABEEY ROAD でリリースされたナンバー。ここに収録されたのは、
Let It Be セッションでのリハーサル。
- 10. All Things Must Pass
- すでに Get Back Session 中にも演奏されていたが、これは 1969 年 2 月 25 日、
Abbey Road Studio で George が一人でレコーディングしたもの。
後に、George のソロアルバム ALL THINGS MUST PASS で発表された。
- 11. Mailman, Bring Me No More Blues
- 1969 年 1 月 29 日、Get Back session 中の Apple Studio での録音。
アルバム SESSIONS の収録予定曲でもあった、Buddy Holly のナンバー。
- 12. Get Back
- 1969 年 1 月 30日、ロンドンのアップルビル屋上で行われた通称
Roof Top Concert から。ライブ。
- 13. Old Brown Shoe
- 10. と同じく、1969 年 2 月 25 日に録音されたもの。アウトテイク。
- 14. Octopus's Garden
- 15. Maxwell's Silver Hammer
- アルバム ABBEY ROAD セッションのアウトテイク。
- 16. Something (mono)
- 10. や 13. と同じく、1969 年 2 月 25 日の録音。
これも 10. と同じく George 一人で録音されたもの。
- 17. Come Together
- 1969 年 7 月下旬に録音された未発表バージョン。
- 18. Come and Get It
- Paul の作った曲の、Paul 自身によるデモテイク。
Ringo が Peter Sellers と主演を努めた映画 MAGIC CHRISTIAN の主題歌として、
ビートルズの設立した Apple Records に所属していたバンド Iveys が
メンバーチェンジ後、Badfinger と改名してこの曲を演奏することになった。
Paul は一人で多重録音してこのデモテイクを作成、Badfinger に渡した。
Paul は「ヒットさせたいならこれとおなじアレンジで演奏しなよ」とアドバイス
したといわれている。
- 19. Ain't She Sweet
- アルバム Abbey Road セッションからのジャムセッション。
ハンブルグ時代に、Polydor レコードで Tony Sheridan のバックバンドとしての
レコーディングの際も録音しており、これは Anthology 1 に収録されている。
- 20. Because
- アルバム Abbey Road セッションからのアウトテイク。
アカペラバージョンだが、オリジナルにあったヘッドホンからの漏れた音は
消し去られている。
- 21. Let It Be
- スタジオでのライブ収録、とのことなので、Roof Top Concert の翌日の、
1969 年 1 月 31 日の Apple Studio でのライブ録音と思われる。
- 22. I Me Mine
- ビートルズとしての最後のレコーディング曲、1970 年 1 月収録のもの。
- 23. The End
- ビートルズのラストレコーディングアルバム、ABBEY ROAD の最後を飾った曲。
今回の CD 用にミックスされた。
ドラムソロのところでギターを練習していたりする。
最後に、30人編成のオーケストラが入るが、このバージョンではこれが
オンになったミックスになっている。
最後のちょっとした仕掛けは皆さん聴いてからのお楽しみ……
関連リンク
-
Capitol Records' The Beatles -- Antholgy III Page
-
ようやく米Capitol Records の Anthology page が CD Vol.3 用のページに
改訂されて登場です。
発売日は 10 月 29 日、トラックリストもあります
-
東芝EMI New Release ザ・ビートルズ・アンソロジー3 Page
-
東芝さんは第3弾にして、ようやくジャケット写真つき、曲目付きの
ページを用意してくれました!
-
Every Little Thing
-
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Update - November 11th 1996