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(00/04/20更新)

出演 戸川純(Vo.)、中原信雄(Ba.)、Dennis Gunn(G.)、ホッピー神山(P.&Key.)、ホアチョ(Dr.&Per.)
日時 00/04/17(Mon) 18:30開場 19:30開演
会場 南青山MANDALA
料金 4,200円(1ドリンク付き)

<ご注意> 順序など詳細が間違っているおそれもありますが、どうかご容赦下さい。_o_

□個人的なデータ

同行者 なし 整理番号 144

□続・耐え忍ぶ人々

19時少し前に会場に到着。客はまだ会場に入りきっていない様子。当日券の列に誤って並びつつ(^^;;)、十数分後には10名づつの入場規制に従って、会場へ。前売り券組の最後の方でした。階段を降り、ラムコークを受け取って、会場に入るとそこは人の海。ステージ前とかはテーブル席でゆったりしているのだが、後ろの方は満員電車状態。当然、後ろの方に誘導される。散在するテーブルが邪魔な気がするがコップや灰皿のためには必要なのだろう。壁際にはソファも並んでいる。ほぼ右奥で立つ私の視界には群集の後頭部しか見えない。低いステージに対して、傾斜がゆるいのだ。ステージ左のスクリーンも半分から上程度しか見ることが出来ない。不覚。そして、待つ。

□ビデオ!ビデオ!ビデオ!

20:18頃、純さまが登場。これから上映するプロモーションビデオに関するMCを10分ほど行う。「遅咲きガール」の歌詞はラブラブなものを目指したので、自分では書けず妹さんに書いてもらったという話(「つけたルージュそろそろ拭かなきゃ〜」とか気に入っているらしい)や「バージンブルース」がMTVで放映されて、プチプチで包まれたボールペンが3本送られてきた話、そのビデオを「釣りバカ日誌」の誰だかにNYで見たと言われたなどの話等々を語る。しかし、ビデオ上映とは正直意表をつかれました。上映タイトルは「玉姫様」「遅咲きガール」「バーバラセクサロイド」「肉屋のように」「大天使のように」「バージンブルース」「Men's JUNAN」「hys」「パンク蛹化の女」。照明のせいか色がとんだスクリーンに映る映像は非現実感を増していく。

□大人の女

少しのセッティング時間の後、21:18くらいに第一部のライブ演奏部分がスタート。デビュー当時はランドセルを背負っていたので、20周年では女子高生の格好をしてみましたという純さま。しかし、どんなに背伸びをしても頭の上の部分しか見えない(;_;)。スクリーンにうつる映像も不鮮明だし。ベルベットアンダーグラウンド(うそ)というコンセプト(?)だそうで、1曲目はブリジットフォンテーヌの「ラジオのように」を仏語でしっとりと歌い上げる。フランス人には仏語が誉められたけど、日本人にはダメだと思われているとぼやく純さま。また、歌詞通りこの曲はバックで流れるラジオのように聞いてくれればいいというような話も。次に「yesterday yesterday」という英語の曲(一部日本語)を歌い、Dennisのアコースティックギターとの絡みでパティ・スミスの「Because the Night」を披露。乞食(元放送禁止用語を言うのは職業病でつらいといいつつも結局発言^^)夫婦が路上で歌ってサバ缶の空き缶に小銭をもらっているイメージで聞いて欲しいとのこと。その後、「踊れない」などを演奏して第一部が終了。既に21:50くらいになっていた。揺らぐ意識。揺らめく煙草の煙。何故か懐かしい景色。

□玉姫様

約15分の休憩といいつつ、20分くらい後に第二部がスタート。しかし、バンドだけのセッションが続く。一旦、ステージ上に立ち、トラブルが起こったので少し待ってと告げてステージをすぐに降りる純さま。少ししてやっと登場。英語の歌の後、「玉姫様」を歌う。こんなトラブルは初めてだとぼやく純さま。怒りの曲じゃないけれど、このイライラを次の曲でいい方に使うといって外国語の曲を歌い上げる純さま。次は明るい曲をと言って、「Joe le Taxi」が流れ出す。個人的にはこの曲にはVanessa Paradisのイメージが強いのだが、きっとオリジナルは彼女ではない のだろう。しかし、途中で演奏中断。純さまが語り始める。純さまが2年間の活動休止時期に毎日のようにワープロで打った手紙をくれるファンの方がいて、いつの間にかそれが手書きになり、やがてそれも途絶えてしまったということがあったそうです。そこで、いつも書かれていた電話番号に純さまが電話をかけてみたところ、その方のお母さんが電話に出られて、その方が自殺したことを告げられたそうです。しかし、たまたまテレビで純さまが歌ったアコースティックな「Joe le Taxi」を録画していて、それをMDに落として、通勤時に聞くことによって、その方は3週間は生きる気力を保持できていたそうです。そこで、この曲をその方に捧げますと言って、曲は再開されました。途中で止めたことをメンバーに謝っていたけど、気にしていないと返事をする多分中原さん。なんかいいなあ。涙で歌が途切れがちになる。こんなことも初めてと言っていました。

他には純さまにとってのカリスマで地の声質が似ているので出来るだけ似ないようにしてきたというPhewさん(現在はbig pictureで活躍中)の「フィナーレ」やアコースティックの「諦念プシガンガ」、外国語のタンゴの曲などを演奏されてました。次の舞台の話なども交えつつ、鎮痛剤を飲んで頑張る純さまの姿は実に痛々しかったです。片翼をもがれた天使もかくや。そして、ラストは「バージンブルース」。冒頭の「じんじんじんじん血がじんじん」という部分で我ながら可笑しかったのか微笑をこぼす純さま。個人的にもこの曲は20周年記念ライブのラストに相応しい気がしました。とりあえず次は30周年ですね(^^)。そうそう、ニューアルバムが製作決定したという嬉しい話もありました。

□伝説は続くよ

そして、アンコール。先にバンドの面々だけが登場し、早く出てこいよとメンバーから言われる純さま。終電には間に合わすからと言って焦っている純さま。純さまが「Because the Night」と「踊れない」のどちらがいいかとステージ上でメンバーに聞いたところ、迷うくらいなら両方さっさとやった方がいいというDennisの一言で両方をやるはめに(^^)。歓声がホールを満たす。 前回のYapoosのライブのように踊り狂う人はいなかったが、静かなる熱狂の波動がうねっていた。純さまは最後には客席まで降りたようだ(私には見えませんでしたが--;)。そして、23:30過ぎにライブは終了。花束を渡された純さまは本当に嬉しそうでした。帰り際に純さまの写真がプリントされた3,500円のTシャツを購入し、ぼろぼろの身体を引きずって南青山の通りに出る。流れる車のライト。人気の少ない通りを地下鉄の駅へと急ぐ。肉の裡に残る余熱が街の夜に尾を引いて流れていった。

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