I/OとOh!FM
FM-7は爆発的に売れて、それなりのシェアがあったようですが、シリーズとしてはマイナーな部類に入ると思います。とは言え、かなりの市販ソフトが存在しました。もっとも、このころはゲームが大半でしたが。
また、雑誌にも結構色々な記事が載っていました。今では考えられないのですが、当時は何ページにもわたりダンプリストが掲載されていて、それを打ち込んで使うというのが当然でした。
そのころ結構売れていたのが工学社の「I/O」とソフトバンクの「Oh!FM」です。ASCIIも定番でしたが、私は買いませんでした。
私は中学時代、高校時代はソフトを買うお金は無いけど暇はいっぱいあったので、雑誌からひたすら打ち込んだものです。
ちなみに、私が使ったソフトはI/OかのOh!FMに掲載されたものがほとんどです。
●I/Oに掲載されたもの
当時(1984年前後)、I/Oはパソコンの全回路図が載っていたり、BIOSの全リストが載っていたりと資料性があったり、ひたすらゲームやツールのダンプリストが載っていたり、解説記事が載っていたりした硬派な雑誌でした。
●エディタアセンブラ
最もお世話になった(F-BASICを除く)開発環境です。富士通純正のアセンブラは「アブソリュートアセンブラ」と言ったのですが、当然買えるわけもなく、I/Oに掲載されたこのアセンブラをひたすら打ち込み、使ったのです。
これ、エディタとアセンブラがいっしょになっていて、編集、アセンブル、実行が簡単に行えるという優れものでした。リロケータブルなので、自分の好きなところにロードして開発が出来る点も気に入っていました。RDOSと組み合わせると、通常はBASIC-ROMが占有している領域にエディタアセンブラ本体を移動できるので、BASICのフリーエリア一杯のプログラムの作成も出来たのです。
このアセンブラ確か2パスで、ラベルも使える結構本格的なものでした。ただ、ファイル形式が独自で、アブソリュートアセンブラとは全く互換性がありませんでした。もっとも、問題になったのは、アブソリュートアセンブラ形式のソースファイルを生成する逆アセンブラを使ったときくらいでした。それも、ファイルコンバータがI/Oに出ていて、これを改良して使った記憶があります。
●RDOS(リロケータブルDOS)
エディタアセンブラと共にお世話になったDOSです。BIOSに依存せず、フルRAM状態でも使え、名前のとおりリロケータブルだったので、通常BASIC-ROMのある領域にロードする起動ディスクを作成して使用していました。この起動ディスクには、BIOSも含まれるようにしたので、先のエディタアセンブラや多くのツールが利用可能でした。
これも、エディタアセンブラと同様、ひたすら打ち込んだものです。で、起動ディスクを作成し、開発環境を一枚に納めて使っていました。当時の私の重要な環境として活躍したものです。
●Kコンパイラ
FMシリーズを語る上で、結構重要なのがこのKコンパイラだと言えます。FMシリーズで使える高級言語としては、かなり普及したのではないかと思います。I/OにはKコンパイラで作成されたプログラムが多く載りました。
私は、とりあえず入力したのですが、なんだかなじめなくてほとんど使いませんでした。
●EMX-80
なんと、6809で8080をエミュレートするソフトウェアです。その上ではCP/Mが走りました。私も使ってみましたが、とても遅いこと。当時の記事によると、800Hz位の8080と同等と書いてあったと思います。ちなみに、これを使うにはCP/Mが必要なのですが、運良くワゴンセールで入手しました。
●DracoC
I/Oも高校時代から買わなくなったのですが、そのころに掲載されたもののようです。私は大学時代にパッケージで購入しました。CでFM-7のソフト開発が出来るというので買ってしまいました。ヘッダファイルが"〜.C"だったりちょっと変な仕様でしたが、そこそこ使えるものだったと思います。
●Oh!FMに掲載されたもの
Oh!FMは、FMシリーズの専門誌で、FMユーザとしてはとりあえず押さえて置く必要のある雑誌でした。工作記事が載っていたり、ツールがのっていたりとこれまた「おたく好み」の雑誌だったと思います。
Oh!FMはその後Oh!FM TOWNSと名前を変え、8ビット系の記事も少なくなりました。私は、8ビット系の機種名が表紙から消えた頃に買うのをやめたと思います。(ちなみに、最終号は買いましたが・・・)
●63C09カード
Oh!FMの記事の中で一番印象深いのが、63C09カードです。普通は使う人のほとんどいないZ80カード用のスロットに差し込んで使用するカードで、FM-7を63C09で動かしてしまおうと言うものです。
これについては、別項で詳しく記述します。
●FSTERM
私がパケット通信を始めたときに使ったターミナルソフトです。確か、「Fast Speed」の略だったと思います。9600BPSで通信しても文字落ちしなかったので(当時のマシンパワーを考えると結構すごい)PC-286VEを買ってからもしばらくは使っていたと思います。エスケープシーケンスも使えるという優れものでした。
と、書いたらこんなメールをMERさんからいただきました。
> こんばんは、はじめまして MERといいます。
>
> tvnさんのFM7のホームページをとても楽しく
>拝見しました。
(略)
> さて、tvnさんのページのなかでFSTERMの話が
>ありますが、僕の記憶では多分FSとは作者である
>瀬尾 文彦氏のイニシャル(FS)からきているのでは
>ないかと思います。
> また、この瀬尾 文彦氏は工画堂スタジオという
>ゲームソフトの会社の「覇者の封印」の移植もしています。
>さらに、Oh!FMの協力スタッフであった氏は、何食わぬ
>顔で自分で移植した「覇者の封印」のゲームレビューまで
>しています。(妙に裏業に詳しい記事内容でした)
> このことは、同時期のコンプティークという雑誌をみれば
>わかります。工画堂スタジオ取材の際の写真に氏の姿と
>名前がしっかり載っています。もちろん、FM版の移植者と
>して紹介されていました。
>
> 以上、記憶に頼った内容ですが参考までに。
> それからホームページのアップデートを楽しみにしています。
私も記憶に頼って書いたのでちゃんと調べてみました。確かに作者は瀬尾文彦氏でした。そう言えば、「F.Seo」っていうのが結構強烈に頭の中にありました。Oh!FMを調べたわけですが、「FSTERM」の意味はどこにも書いてありませんでしたが、画面の写真に答えがありました。
FAST SPEED TERMINAL
Coded & Designed by F.Seo April 1988
おそらく、自分のイニシャルとソフトの特徴を引っかけていたのではないかと思います。
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