6809

6809は究極の8ビットCPUと言われていました。私は自分が持っているマシンのCPUがそういわれているのを知ったとき、どうしてそう言われているのか解らなかったのですが、うれしかったわけです。


当時の状況

当時の8ビットCPUには覚えているだけで以下のようなものがありました。

CPUメーカー代表機種
6809モトローラFM-8、ベーシックマスターLV(日立)
6800モトローラベーシックマスターJr
Z80ザイログPC-8001(NEC)、MZ-80B(シャープ)
6502モステック?
MOS Technology
AppleU(アップルコンピュータ)
8080インテル?

表にもあるように、6809はモトローラが開発したCPUで、ミニコンのアーキテクチャをもとに設計されたと言われていました。その真の意味はよく解らないのですが、私が一番ありがたかったのは、簡単にリロケータブルなプログラムができるという点でした。ダイレクトページというものを使わなければ、基本的に1バイト単位でリロケータブルなプログラムが容易に作成できました。また、ダイレクトページを使った場合でも、256バイト単位で移動可能でした。このことは今ではあたりまえですが、Z80あたりではかなり意識しないとできなかったはずです。
しかし、メジャーだったのはZ80の方で、NECのPC‐8001、PC-8801、シャープのMZ-80BやMZ2000、松下のJR100、東芝のPASOPIA、カシオのFP1100あたりもZ80を採用していたはずです。
これに対してモトローラ系を採用していたのは富士通のFMシリーズと日立のベーシックマスターくらいだったと思います。ちなみに、日立はLVmk5のあと S1 という名機を発売しました(あまり売れなかった見たいだけど)。
さらに余談になりますが、いつの時代でも技術的に優れているものがメジャーになるわけではないようです。

6809ファミリ

6809はその先祖に6800というCPUがあります。このCPUをもとにして、組み込み系に強かった6803やモステック(?)の6502などが作られました。
また、6809は周辺チップもいろいろ用意されていたようです。PIOやSIOは言うまでもなく、MMUなんて言うのも用意されていたようです。このあたりは、工学社の「6809活用研究」や「FM-8活用研究」、CQ出版社の「マイコンピュータ」あたりを参照しておいおい整理したいと思います。

バリエーション

モトローラ純正では、動作クロックの違いで、MC6809、MC68A09、MC68B09というのがあったはずです。このうち、6809と68A09の違いがいまいち解りません。
このころは、CPUもセカンドソースがあたりまえで、6809も富士通、日立が作っていました。それぞれ、MBL6809、HD6809と言うような名前がついていました。ちなみに、今ではセカンドソースを許さないインテルの8080もありましたし、Z80に至ってはかなりのメーカーが作っていたはずです。そう言えば、NHKで放映された電子立国が本になっているのですが、インテルの8080と紹介されている写真が実はAMD製というのには何人気付いているのでしょうか。
で、富士通はセカンドソース以外は出さなかったはずですが、日立はその後HD63C09という機能拡張したCPUを出しました。
63C09は、強力な6809の動作クロックをあげただけでなく、命令も拡張されていました。驚いたのは8ビットのくせに、32ビット割る16ビットの演算が出来たことです。どういう理由でこのようなCPUを作ったのか知りませんが、6809ファンには受けたみたいで、FM-7の63C09カードだけでなく、FM-11やS1も改造のターゲットになり、OS-9を書き換えて動作させる猛者もいました。
私は、FM-7の63C09カードを作って遊びましたが、基本的にはその速さを楽しんだだけでした。


実は一年以上前(2001/04)にいろいろな情報をいただいていました。長いこと更新をサボっていたのですが、それによると
とのこと。情報提供者は初期ロットのFM-8も現収して欲しいとおっしゃられていますが、なかなか難しいと思っています。

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