まだ私が小さく、海外へ行ったこともなかった頃、外国の映画で、モーターホーム を使った旅行を楽しんでいる家族を見た。スポーツカーがかっこいいなと思っていた私 は、車に対しての価値観が180度変わってしまった。動くマンションに憧れてしまっ たのだ。私は、日本での余暇の過ごし方とはまるで異なっている異文化を目の当たりに し、外国への興味が湧いたのであった。異なる文化圏のいろいろなものには、今でも興 味を持つが、モーターホームを見た時程の驚きはまだない。そんな私も、大学に入って、 何度か海外旅行をする機会を得たが、そのどれもが、ユースホステルに泊まり歩くいわ ゆる貧乏バックパッカー的なものだった。ホテルに泊まるのと違って、様々な国の人と 知り合うことが出来、彼等とのE−MAILは今でも続いている。しかし、カナダ・ア メリカを訪れる度に、モーターホームが実際にキャンプ場でずらりとならんでいる姿を 見ると、そんな旅にも憧れた。そんなとき、以前から、いとこを海外旅行に連れていっ てくれないかと、叔父さんから頼まれていたことを思い出した。いとこと会い、プラン を練っているうちに、彼をつれていくのなら祖父も一緒に連れていってあげたらどうだ ろうということが閃いた。二人の共通の祖父なわけだし、飛行機が嫌いで一度も海外に いったことがない祖父でも、孫二人と一緒に行くんだったら、考えが変わるかも知れな い。我ながら、なんておじいさん孝行なんだと思いつつも、一つ問題があった。いくら 元気だと評判の祖父でも、ユースホステルに泊まってもらうのは可哀相かなと。そこで、 みんなと一緒のことをしていたらつまらないといつも思っている私が、そこで思い付いたのが、モーターホームレンタル。疲れたら、車の中で寝てしまえば良いし、 トイレ・シャワーなんでもござれ。調べてみると、思ったとおり、日本と比べてリーズ ナブル。このレンタル費用だけ祖父が払い、飛行機代・食費等は割り勘ということで、 いざ出発となったのだった。
私あてにメールを下さいな。返事は必ず書きますから。

前のページへ戻る