ネットワークセキュリティ入門

攻撃方法から学ぶ、自己防衛の方針

last update 2000/9/3

TCP/IPの概略

IPとアプリケーションプロトコル

 ここまでで、TCPやUDPについて簡単に示した。これらの下位プロトコルであるIPと上位プロトコルであるアプリケーションプロトコルについて簡単に示す。

 まず、IPというプロトコルは先に示したとおり、IPアドレスを元に、パケットを目標コンピュータに届けるための仕組みである。

 このアドレスを使うことで、相手のコンピュータを同定し、間違いなくパケットを送付することが可能となる。また、IPは、自分のIPアドレスも入力されているため、相手のコンピュータは返答する際にこのIPアドレスに対し、返答をする事で、きちんと通信が可能となる。これらのIPアドレスを故意に詐称することで成立する攻撃もある。

 次にアプリケーションプロトコルについて。

 これは、アプリケーションによって決められた通信手段である。WWWブラウザでページを見る(例:http://www.ntt.com/index.html)時、実はコンピュータ( www.ntt.comと言う名前が付いている)のポート80番に対し、"GET /index.html HTTP/1.0"と送信している。

 送信した内容が相手のコンピュータに届くと、HTTPDと呼ばれるデーモン(プログラム)がindex.htmlと言うファイル(の中身)を返信してくれる。この返信結果を、WWWブラウザが解釈して、画面に表示するのである。このため、やりようによっては、telnetと言うプログラム(遠隔操作のためのアプリケーションであり、本来はポート番号23番を使った通信に使用される)を使ってWWWページを見ることができる(場合も)ある。

 メールを送信するSMTPについても同様に、コマンドを送ってメールを送信している。

 このため、相手のプログラムにバグ等(とりわけバッファオーバーフロー)があると、悪意のあるデータを送信することで、容易に相手のコンピュータを攻撃することが可能となる。

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