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2003-12-21-(Sun)のネタ



良い本は売れないのかアゲイン。

wakatonoさんの所経由でNOMURAさん所を読む。
#つか、ここだったのかー>今頃になって気づく漏れ最低。

わざわざ何か書かなくても、両者の言葉を読んでもらえばいいような気もするけどあえて書いてみるテスト。

NOMURAさんの言う、「良著を見つけるためには悪書も読め」「何が良著かだれもわからない」(双方いい加減な意訳)という言葉はまさにその通りだと思う。
ただ、注文をつけるなら、以下で述べる「香り」に関して言えばこの2つの言葉が必須とは限らない、という事ですかねぇ。それと、どうやって「身の丈に合う良著」を見つけるか、なんだけど、身の丈はそれこそ「googleで調整可能」な時代だと思ったりするんだけどなぁ(少なくとも技術的側面に関しては)。身の丈を調整する意欲のない人間にとっては、どんな良著も悪書でしかないと思ったりするですよ。

それはさておいて。
NOMURAさんはTCP/IPの本とソフトウェア、そしてシュナイアーやレッシグについて語っておられるが、まさにその通りだと思う。
設定だの、仕様だのがメインの著書は古典的名著になりうる場合もあるが、たいていの場合、その議題が古くなった時点でアウト、という宿命をおっている。一方、概念だの考え方だのがメインの著書は仮にそれらの説明のためにその時の技術を例に取っていたとしても、それが古いだけでメインの議題そのものが古くなりにくく、時代を超えやすい、と言う命題があるだろう。時代はらせん階段なのだ。あ、もちろん、メインの議題が的外れなら、最初から売れなかったり、途中でぱったり売れなくなるので名著にはならないけどね。

売れる本と言うのは2種類あって、ひとつは瞬間風速で売れることが宿命の本、もうひとつは時代を超えて読みつがれる本、と言ってもいいだろう。例えば、不正アクセス本は現在の名著かもしれないが、再来年あたりにはもう古典的という形容詞がつくものになるだろう・・・いや、そろそろ寿命がきている本かな?(と改訂をあおるテスト)
あの本は、ほとんどが技術論であり、その手段が古くなった時点でアウトなのである。しかし、各所にちりばめられた、「不正アクセスを見つける目」のようなエッセンスが重要なのである。そんなものは、Webの書きなぐり記事では見えてこない(見えてくるものも当然ある)。だからこそ、「古典的名著」は存在するのだ、と言えるんじゃないかな。そのエッセンスなどは、その技術に関するレベルとは関係のないところで見え隠れしている場合が多い(ように思える)。こちらはもしかしたら「国語力」「言語力」の方が重要かもしれない。Jarkさんも触れているけど。
私が「googleばかりに頼るな」と言ったのは、そういった、文章の背後に見えてくるスタンスやエッセンスの香りをかげ、と言いたかっただけなのだ。googleの全否定なんて、「google」という文字を、画面もキーも見ず人と話しながらでも打ち込める人間にはできないでしょ?
(多分)すごくわかりやすい(けど少し趣が異なる)例。「DNSのゾーン転送は危ない」って言う事「だけ」を書いてあるものと、「DNSのゾーン転送は〜だから危ない」、とその背後関係などをきちんと書いてあるもの。どちらも危ない、と言うことは書いてあるけど、そのバックグラウンドは大きく異なる。それとか、Nachiがはやる->最初に使うのはICMP->じゃフィルタだ->MTU Path Discoveryが動作しない->萎え、ってパターンは前者の典型例だよなぁ、とか思ったり。売れる本って得てしてそういったバックグラウンドが見えてこなかったりする(から簡単に読める)。そう、起承転結の結しかないような本。楽なんだけど、つまらない。

一般的に「売れる本」と言われたとき、「瞬間風速本」ばかりが出てくる現状は非常に気になる。雑誌にしてもそうだろう。ハウツーものが特集になり、通り一遍の設定が書かれ、「これで使えます」で締めくくられるような記事。書いている自分で言うのもあれなんだが、非常にまずいと思う。
snortの記事を2度書いていたりするんだけど、当然ながらページは決まっていて、設定を書くだけで精一杯のスペースしかない。しかも、「背後の香り」を醸し出すには相当な経験が必要なのに全然足りてないので香ってこない。香りを出すため、一生懸命自分を燻してみるんだけど、そんな付け焼き刃では香るはずもない。名著とはかけ離れた「瞬間風速」を目指したものしか書けなかったりする(しかも瞬間風速もろくに出ないから始末が悪い、号泣)。

その後、世に出た後の評価がどうだったのか、自慢じゃないが知らない(げら)。まぁ、2度書いているのだから、少なくとも1度目は悪くなかったんだろう(と妄想している)。もし、ホントに悪くない評価だったとしたら、読者の目もその程度なんだろうな、と。
NOMURAさんも書かれているように、「送り手であり受け手である個人が育たないと、ダメということなんだ」と思う。

瞬間風速で売れる本って、出版社や書店にとっては都合がいいと思うんだ。いつまでもじわじわ売れる本は在庫をそれなりに持っていなければならないし、ちまちま配送しなければいけないし、本棚にも1冊陳列しておかなければならない。瞬間風速なら初回本(+2刷)を平積みにして放置プレイし、売れなくなったらとりあえず倉庫に寝かして、なんて感じだろうか。しかもがつんと売れるので評価も高いだろう。そりゃ瞬間本の方がよさそうだよな、と思う。本当のところは出版社や書店に属する人間じゃないから分からないけどね。

まぁ、後は先にも触れたとおり、香り立つ名著は一部の著者によってしか作れないってところかな。しかも、その「一部の著者」が増えるような現状ではない、と。

名著は、さまざまな経験で燻された著者が紡ぎ出す香りがプンプンしている。人によってはその香りが鼻に付き、臭くてしょうがないかもしれない。が、それでも名著は名著である。そういった、「香る」本が席巻するような時代は、この「簡単便利」な世界じゃ無理なんじゃないかと思っている。

あ、後はsonodamさんの突っ込み「周辺情報を駆使すれば悪書は読まなくて済むかも」なんだけど、それは単にsonodamさんの情報収集能力の賜物だと思われ。とりあえず私には無理っぽいです・・・本棚を見て実感(爆
#そう思うんなら、人が地雷踏むかどうか確認し、書店衝動買い止めろ>おれ

・・・(汗)・・・これ書いている時間あるなら、査読とかすべきだよな・・・m(__)m



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