川崎フロンターレ−サンフレッチェ広島 観戦記 点描

元住吉駅から向かう道中、信号待ちで携帯を確認すると"着信あり"との表示が。
一緒に観戦するniseneko氏からだったので、歩きながらこちらから折り返すことに。
「もしもし」「あ、隣だ」
重なった声に驚いて振り返ると、携帯を手にしたniseneko氏がF・てーとく氏と並んでいる。
早足で歩くあまり、気がつかないうちに追い抜いたらしい……(苦笑)

 

川崎フロンターレの布陣
GKは吉原。最終ラインは中央に渡辺匠、右に箕輪、左に岡山。サイドハーフは右に長橋、左にアウグスト。
中盤はボランチが山根と茂原、右にジュニーニョ、左に今野。最前線は我那覇。

前節、45分で交代させられたバルデスはベンチにもいない。
石崎監督もさすがに腹に据えかねたと見える。新外国籍選手獲得の報は、遠からず届くことだろう。

サンフレッチェ広島の布陣
GKは下田。最終ラインは中央に桑原、右にリカルド、左に上村。
中盤は右から森ア浩司、森ア和幸、サンパイオ、服部公太。前線は右に高橋泰、左にマルセロ、中央に大木。

大木はやや下がり目でプレーするが、3−4−1−2ではなく、あくまで3−4−3である。

32分
アウグストのペナルティエリア左からのFK。左足でカーブをかけてゴール前に上げる。
遠いサイドから黒い固まり箕輪の打点の高いヘッドも、叩きつけたボールは下田が足下でキャッチする。

38分
カウンターから、ジュニーニョが右サイドに展開。我那覇がいったん開きかけるが、すぐさま中へ。
駆け上がった長橋が右足でクロスを上げるが、リカルドが足でクリアする。ゴールのわずか左上に……

前半終了

ベッチーニョ
大型映像装置に、懐かしのグレミオユニ(サックスブルーと黒の縦縞)をまとった選手の映像が流れる。
DJの紹介に続いて、姿を現したのはかつての背番号10・ベッチーニョ。
ベルマーレから遅れること2週間。もうひとつの古巣でも、こうして歓迎を受けることになる。

さすがに知らない人も多いかな。当時はまだJFL(現在のJFLとは異なる)のチームだったし。
左右に桂と向島の両小兵を従えて中盤に君臨する様は、まさにエースと呼ぶにふさわしかった。
ところで、ブラジルには帰国しなくていいのか? 外国籍選手枠ならひとつ空いているんだが(爆)

アフター5
平日の夜開催は、会社帰りのサラリーマンがとにかく多い。サッカーを肴にビールを一杯、二杯。
その様は野球場の内野席を連想させる。まぁ、大半は富士通関連企業の社員なんだろうけど。

ハーフタイムには、バックスタンドの売店やキッチンカーも盛況だったが……って、おひ。
そこのサラリーマンらしき連中、ラーメンを持って階段を上がってくるんじゃない。
ラーメンはテーブル席で食べるよう書いてあっただろうが。どうするんだよ、その器(苦笑)

55分
左サイドから服部公太が右足でクロスを上げ、こぼれ球をゴール左からマルセロがオーバーヘッド。
折り返しを走り込んだ森ア浩司がヘッドで合わせるが、ディフェンスに当たってゴールラインを割る。

58分
山根が自陣右サイドから前方にスルーパスを通し、我那覇が桑原の裏を取ってドリブルで駆け上がる。
ペナルティエリアに切れ込んで、スライディングするリカルドの股間を抜いて、ゴール前に折り返す。
走り込んだジュニーニョは左足でただ合わせるだけ。ボールはゴール右隅に吸い込まれる。
明らかに桑原の判断ミス。これは上村にも当てはまるのだが、致命的なまでにスピードがない。
我那覇はリカルドに任せて、自らは中央のカバーにまわったものの、まったく間に合わなかった。

65分
選手交代:高橋 泰→茂木弘人
第4の審判が、電光式選手交代ボード(モルテン製)の使い方を知らないことが判明。
"9"だったはずの数字はなぜか"10"に。これにはマルセロも勘違いして、タッチラインへと走り寄る。
審判も慌てたのか、いくつもの数字が続々と出てきて……というか、"0"って誰だよ(苦笑)

サンフレッチェ広島の布陣 そのに
アウグストを押さえるため、リカルドを右サイドに出して4バックに布陣変更。
ちなみに、右サイドに張ったのは後半開始からとの説もあるので、私も自信はないのだが。

最終ラインは右からリカルド、桑原、上村、服部公太。中盤はボランチが森崎和幸とサンパイオ、中央やや右に森ア浩司。前線は右にマルセロ、左の茂木がやや下がり目、中央に大木。

69分
長橋が前線にフィード。我那覇が最終ラインの裏に抜け出すが、肝心のトラップはあさっての方向に。
あまりのことに呆れて言葉も出ない。パスが通っていれば、もちろん下田と1対1という場面。

74分
選手交代:大木 勉→梅田直哉
梅田の185cm、85kgって嘘だろう(笑) あの横幅の広さは、晩年の稲垣や渡辺一平を彷彿させる。

79分
服部公太の中央やや左からのFK。左足でふわっとしたボールをゴール前に上げる。
上村がフリーでヘディングを叩きつけるが、吉原が体を倒してなんとか弾き出す。

79分
ペナルティエリアでマルセロがボールを受け、渡辺匠を外してゴール正面から右足でシュート。
クロスバーのはるか上に消える。
よく見ていなかったので、そこに至るまでの過程は不明。決定機であったことだけは確か。

80分
選手交代:我那覇和樹→黄川田賢司
これまで数々のGKを葬ってきた狂犬が、満を持して野に放たれる(笑)
こうなると、サンフレッチェのGKが"シャイニング・ウィザード"林でないことが悔やまれる。

85分
左サイドの服部が前方にパスを通し、森ア浩司が左足でクロスボールを上げる。
遠いサイドに走り込んだリカルドが右足でダイレクトボレー。大きくふかしてしまう。

87分
選手交代:ジュニーニョ→塩川岳人
塩川は左のサイドハーフに入り、アウグストがポジションを下げて最終ラインに吸収される。
攻撃の起点となる森ア浩司を押さえつつ、人数をかけて最小得点差を守りきる作戦か。

後半終了

あんたが大賞、そして──
その前に、選手たちの"昇格を決めたかのような"喜び様は何だったんだろうね。
ここまで10勝1分のサンフレッチェから、初めて勝ち点3を奪ったのは確かに大きいけど……
選ばれた吉原はマイクに向かって何やら叫んでるし(賞品は海老とイクラ、生鮮食品多いなぁ)。
これにはF・てーとく氏と顔を見合わせて、あんなキャラだっけ?と首を傾げることしきり。

まぁ、お立ち台に上がってトラメガで叫んだり、サポーターの太鼓を叩いて自らのコールをしたり、名前をあげるまでもなく、それ以上にテンションの高い奴がひとりいたわけなんだが(苦笑)

 

試合の感想
右サイドバック不在。駒野と沢田を負傷で欠き、サンフレッチェは戦術変更を余儀なくされた。
2種登録の高萩を抜擢したこともあったが、さすがに平日のアウェイに出場させるのは難しいか。

前節からは本来トップ下の森ア浩司を右サイドに起用しているが、この日の対面はアウグスト。
攻撃にほとんど絡めないどころか、頻繁にサイドを突破される有様。そもそも利き足は左だし。
ところで、高校サッカーで名を馳せた、佐田や大久保といった連中は使い物にならないのか?

駒野が離脱してからFWの得点が激減したとのことだが、確かにいい形でFWにボールが入らない。
ダイレクトパスをつないで攻撃を組み立てるなど、J2では抽(ぬき)んでているとは思うが。
 

フロンターレは、石崎監督の目指すプレッシング・サッカーが、90分間通してできたことが勝因。
ジュニーニョですら、サンパイオがボールを持つとすかさずチェックに下がってたもんなぁ。
ありきたりの結論になるが、やはりどちらもJ2にいるべきチームではない。

最後になるが、フロンターレに対して一言だけ(サポーターのみなさんは御一緒に)。
「そのサッカーがなぜ普段からできない?」

川崎フロンターレ

前半サンフレッチェ広島

後半
会場:等々力陸上競技場/観衆:4143人
得点:1-0 ジュニーニョ(58分、アシスト=我那覇和樹)

川崎フロンターレサンフレッチェ広島
GK吉原慎也GK下田 崇
DF箕輪義信DFリカルド
DF渡辺 匠DF桑原裕義
DF岡山一成DF上村健一
MFアウグストMF森ア浩司
MF長橋康弘MF森ア和幸
MF茂原岳人MFサンパイオ 
MF山根 巌MF服部公太
MF今野 章FW大木 勉
FWジュニーニョFW74梅田直哉
MF87塩川岳人FW高橋 泰
FW我那覇和樹FW65茂木弘人
FW80黄川田賢司FWマルセロ
SUB浦上壮史SUB林 卓人
SUB久野智昭SUB八田康介
SUB中村憲剛SUB高木和正

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