湘南ベルマーレ−アビスパ福岡 観戦記 点描

等々力陸上競技場から移動して、この日2試合目の観戦。
いつものようにバックスタンドのアウェイ側ブロック席に向かうが、こちらもかなり盛況な様子。
平塚市総合公園で緑化まつりがあったため、この日唯一のナイトマッチになったとのことだが、結果的にそれが観客増につながったのではないだろうか。
照明設備が貧弱なので若干暗く感じるのと、海から吹きつける強風と寒さが身に沁みたけど。

ちなみに、日中に行われた試合では、11位のモンテディオと12位のサガンが揃って勝利している。
両チームとも負ければ"最下位"の三文字が見えてくるだけに、期するところがあるはず。

Legend Of Bellmare
最初の受賞者となるベッチーニョのセレモニーが行われるが、キングベルが邪魔で見えない(苦笑)
選考基準からすると、おそらく次は野口幸司かな。1試合5得点は未だにJの最多得点記録だし。
小島伸幸もいずれ受賞することになるだろうが、現在もザスパ草津でプレーしているからなぁ。

 

湘南ベルマーレの布陣
GKは鈴木正人。最終ラインは中央に時崎、右に梅山、左に白井。サイドハーフは右に鈴木良和、左に坂本。
中盤はボランチが西川と吉野、中央に高田保則。前線は戸田とリカルド。

アビスパ福岡の布陣
GKは水谷。最終ラインは右から立石、藏田、千代反田、宮本。
中盤はボランチが篠田と原田、右に大塚、左にアレックス。前線は林とベンチーニョ。

9分
自陣からのなんでもないフィード。ディフェンスの間を割るように、高田保則が裏へ抜け出す。
水谷と1対1になるが、足下に飛び込まれてブロックされる。こぼれ球は千代反田がクリア。
スタンドからは「まただよ〜」との声が上がる。千代反田も藏田もいったい何をしていた?

27分
左サイドで戸田が縦にパスを通し、坂本がディフェンスと競りながら左足で速いクロスを上げる。
ゴール前に走り込んだリカルドがダイビングヘッド。首を振って合わせるが、水谷の真正面。

28分
高田保則が右サイドからクロスボールを上げ、ゴール前のリカルドがヘディングで折り返す。
これを西川がヘディングで合わせ、ベルマーレが4試合ぶりに先制点をあげる。
西川はバックスタンド(必然的にアウェイ側)に走り寄り、両膝をついて滑りながらガッツポーズ。
よほど嬉しかったんだろうなぁ。リカルドのヘディングは高くそして正確だった。

前半の感想
アビスパのディフェンスやばすぎ。藏田は言うに及ばず、千代反田も相当やばい。
佐川急便東京SCと対戦したら、カウンターを食らっていったい何度裏を取られるだろう……
アレックスに至っては存在そのものを失念していた。A契約で取る外国籍選手ではないと思うが。
F・てーとく氏曰く「アビスパ健闘してるよ、プロと戦って0−1なんだから」(笑)

45分
選手交代:大塚和征→宮崎光平
163cmから163cmへの交代。大塚は昨年に観戦した知人が絶賛していたのだが、この日の出来は低調。
ちなみに、その知人は高校選手権ベスト8のセンターバックなので、評価は信頼できると思う(笑)

56分
アビスパのカウンター。篠田が左サイドに展開し、宮本が左足でダイレクトにクロスを上げる。
カーブのかかったボールを、ゴール前の宮崎がフリーでヘディング。ゴールネットを揺らす。
ボールに届きさえすれば、ヘディングに身長の高い低いはあまり関係ない。見事なファインゴール。

64分
鈴木良和の右サイドからのクロス。高田保則がダイレクトに右足で合わせるが、わずかに左に外れる。

66分
選手交代:鈴木良和→加藤大志
はぁ? 一番動きのいい選手をなんで交代させるの?

69分
ベンチーニョのセンターライン付近からのFK。ゴール前に放り込んだボールが右サイドに流れる。
篠田がグラウンダーで折り返したボールを、走り込んだ宮崎が左足でシュート。
鈴木正人も懸命に弾こうとするが、完全に勢いを殺ぐことはできず、ゴールへと吸い込まれる。
どちらの得点にも篠田が絡んでいるのは複雑。旧世代のボランチだが、昨年からレギュラーに復帰。
モンテディオの高橋健二と同様に、彼を越える選手が出てこないようでは、アビスパの見通しは暗い。

72分
加藤が右サイドをドリブルで上がり、ハーフウェーラインを越えたところで宮本に後方から倒される。
すかさず辺見主審が走り寄り、宮本にこの日2枚目のイエローカードが出される。
宮本 亨、退場。
1枚目をもらったのは2分。前半は「さすがは辺見」と唸らせるほど、カードが乱れ飛んでいた。
昨年まではJ1で笛を吹いていたが、今年からJ2に降格した。これでも一応元国際主審である(笑)

アビスパ福岡の布陣 そのに
左サイドバックには宮崎が下がり、前線にベンチーニョをひとり残して、林も中盤に下がる。
最終ラインは右から立石、藏田、千代反田、宮崎。
中盤はボランチが篠田と原田、右に林、左にアレックス。最前線はベンチーニョ。

74分
選手交代:リカルド→金 根哲
高田保則が前線に上がり、金根哲は中盤の中央に入る。首を傾げざるを得ない采配。

81分
選手交代:西川吉英→北出 勉
北出はそのままボランチの位置に。彼は生粋の右サイドバックだと記憶しているのだが?

83分
選手交代:林 祐征→川島眞也
川島を最終ラインの右に投入され、立石が中盤の右に上がる。少なくとも、身長は川島の方が高い。

83分
ゴール前の混戦から白井(?)がシュートするが、ゴールポスト左上に当たって弾かれる。

88分
アビスパのカウンター。ベンチーニョが右サイドのスペースに大きく展開する。
立石がペナルティエリアに切れ込んで、フリーでシュート。惜しくも左のポストを叩く。

ロスタイム(公式記録では89分)
選手交代:立石飛鳥→宮原裕司
後半に再三「宮原!」コールが起こっていたが、それだけ不甲斐ない試合だったということ。
もちろん、この場面での投入に時間稼ぎ以外の意味はないだろうが。

後半の感想
……なんで逆転できたんだろうね? 宮崎ひとりが試合の流れを変えたわけでもないし。
松田監督とサミア監督の采配を比較すれば、前者に軍配が上がるのは間違いないんだろうけど。

アビスパのディフェンスも確かにやばいが、それ以上にベルマーレのオフェンスがやばい。
トップ下に適任がいない。坂本、金根哲、高田保則と次々に起用してはみたが、誰一人機能しない。
そもそも、肝心のシュートが枠に飛ばない。9試合で7得点という数字が如実に物語っている。
ベルマーレが先制したときの、サポーターの喜び方が尋常ではなかったもんなぁ……

F・てーとく氏曰く「逆矛盾──どんな盾も破れない矛と、どんな矛も防げない盾──ですね」
補足する必要もないよね。断言できるのは、どちらもJFLと遜色のないサッカーだということ。

 

サミア監督の解任も近いと思われたが、どうやらサポーターもさすがに我慢の限界に達したようで。
試合後に小長谷社長と直談判、翌日にはオフィシャルサイトに
社長のメッセージも掲載された。

まぁ、そんなことになっているとは露知らず、私たちはラーメン屋へと歩を進めていたわけだが(苦笑)
「いっちゃが」の営業が終了していたので、いつも通りの「相模家」。本日の出来はいまいち。

湘南ベルマーレ

前半アビスパ福岡

後半
会場:平塚競技場/観衆:6173人
得点:1-0 西川吉英(28分、アシスト=高田保則、リカルド)
   1-1 宮崎光平(56分、宮本 亨)
   1-2 宮崎光平(69分、篠田善之)

湘南ベルマーレアビスパ福岡
GK鈴木正人GK水谷雄一
DF梅山 修DF立石飛鳥
DF時崎 悠MF89宮原裕司
DF白井博幸  DF千代反田充
MF鈴木良和DF藏田茂樹
MF66加藤大志DF宮本 亨
MF西川吉英MF大塚和征
DF81北出 勉MF45宮崎光平
MF吉野智行MF篠田善之
MF坂本紘司MF原田武男
MF高田保則MFアレックス
FWリカルドFWベンチーニョ
MF74金 根哲FW林 祐征
FW戸田賢良DF83川島眞也
SUB小林弘記SUB塚本秀樹
SUB石原直樹SUB太田恵介

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