ヴァンフォーレ甲府−サガン鳥栖 観戦記

啓蟄。
待ちに待ったJリーグ開幕。そして、もちろん青春18きっぷのシーズン(笑)
──というわけで、小瀬へ行ってきました。同行者は例によって例のごとくF・てーとく氏。

東京駅で氏と待ち合わせて、8:36発の中央線快速で山梨県へと向かう。
終点の大月駅で18分ほど待って、同駅始発の甲府駅行きに乗り継ぐ手筈だったのだが……
それより8分早く、私たちの前に姿を現したのは「ホリデー快速 ビューやまなし」なる列車。
春の行楽増発列車とは気がつかなかったな。どうりで鉄ちゃんと思しき連中が写真を撮っていたわけだ。
新宿駅9:07発ということは、もしかしてもう30分ほど遅くてもよかったとか?(苦笑)

甲府駅には11:13に到着。ぶらぶらと土産に目星をつけてから、臨時バスで小瀬スポーツ公園を目指す。
その車内では、ヴァンフォーレサポーターによる「バス小瀬」なる企画が進行していた。
まぁ、試みとしては面白いんじゃないのかな。声があまり通っていなかったのが残念だけど。
ちなみに、ヴァンフォーレのファーストゴールを予想するというもの。鳴尾に一票入ってたな(笑)

天気はあいにくの雨。屋根の下はあらかた埋まっているので、メインスタンド中央に陣取ることに。
その場で調理した"焼そば"と"おやき"を食す。"おやき"の野沢菜って本当に漬け物なのね(涙)

 

本日の配布物
Jリーグノート、オフィシャルプログラム、はっ!チョコリック(はくばくの新製品チョコレート菓子)、
ヴァンフォーレナップサック、山梨日日新聞(なぜ選手名鑑がJ2のものでないかは謎)、
スポンサーの広告(山梨日日新聞、コープやまなし、宝刀屋敷 みさか路、納豆工房 せんだい屋)、
そして、ヴァンフォーレの会が配布していたマッチデープログラム「ヴァンすぽ!」。

イベントなど
海野一幸代表取締役社長挨拶、続いて鈴木昌Jリーグチェアマン挨拶。
ユニフォームスポンサー、ティーエーシー武田消毒(株)により寄贈されたビッグフラッグ披露。
宮島雅展市長より、サガンへ特産品(ワインセット)の贈呈。受け取るはキャプテンの服部(笑)

「祝 山本知事 宮島市長 綺麗な芝をありがとうございます  P.S.この芝生席は観戦にはむきません」
なんて横断幕もゴール裏に掲げられていたな。思わず苦笑してしまったが。

それにしても、素晴らしいのは地元企業の支援。
ピッチを取り囲むように、看板スポンサーとフェンス横断幕スポンサーがずらりと並ぶ様は圧巻。
どこぞの古賀照子社長や奥寺康彦社長に、ぜひとも見せてやりたい光景だ。

 

ヴァンフォーレ甲府の布陣
GKは阿部。最終ラインは右からアライール、池端、青葉、奈須。
中盤はボランチが倉貫と外池、右に水越、左に石原。前線はジュニーニョとジョルジーニョ。

バスの中で私が予想した白尾は、当然のようにベンチにもいないわけだが(苦笑)

サガン鳥栖の布陣
GKはシュナイダー潤之介。最終ラインは中央に川前、右に朝比奈、左に三好。
サイドハーフは右に鈴木、左に中村祥朗。中盤はボランチが小石と川崎、中央に大友。前線は服部と鳴尾。

前半の感想
いきなりでなんだが、見せ場らしい見せ場もなかったので省略(苦笑)
流れは圧倒的にヴァンフォーレだが、前線のふたりにシュートへの積極性がなさすぎる。
攻撃のかたちが作れないにもかかわらず、川崎のロングシュートや小石の胸トラップからのボレーなど、印象に残ったのは(数えるほどしかなかったはずの)サガンの攻撃ばかり。

42分。服部が最終ラインの裏へ抜け出してオフサイドを取られたが、これは犬飼副審の明らかな誤審。
ホイッスルがすぐに鳴らなかった理由が、肝心の旗を落としたからというのもどうかと。

ビッグボールウェーブ
スタンド脇に、見覚えのある黄色の巨大なサッカーボールがあると思ったら……やはりな。
柏青年会議所から友好の証として送られたものらしいが、予想通り空回りしてグラウンドに落ちていた。
杉山と長谷川だけでなく、ボールもレイソルから厄介払いされ(以下略)

45分
選手交代:鈴木勝大→佐藤大実
大友が右のサイドハーフ、鳴尾が中盤の中央、服部が前線の右から左へと、それぞれポジションを移動。
佐藤大実は前線の右に投入される。ボランチの小石も加えると、ピッチ上にFWが5人か……

48分
外池から戻されたボール。左サイドから、奈須が左足でカーブをかけてアーリークロスを上げる。
潰されたジョルジーニョの後方から、中村祥朗に競り勝ってダイビングヘッドを決めたのは水越。
フリーで上げたとはいえ、奈須のクロスの精度が非常に高かった。
中村祥朗もせっかく体を入れておきながら、水越を押さえられないようでは話にならない。

57分
外池が体勢を崩しながら、左サイドのスペースめがけて低く速いパスを通す。
奈須が左足でクロスを上げるが、近いサイドに走り込んだジョルジーニョは合わせられず。

68分
サガンの右CK。ゴール前で小競り合いがあり、服部がさもわざとらしく後方に倒れる。
穴沢主審から、池端にこの日2枚目のイエローカードが出される
池端陽介、退場。
ヴァンフォーレは外池を最終ラインに下げてその場をしのぐ。ちなみに1枚目はラフプレー

70分
選手交代:水越 潤→杉山 新
最終ラインは中央にアライール、右に杉山、左に青葉。サイドハーフは右にジュニーニョ、左に奈須。
中盤はボランチが倉貫と外池、中央やや左に石原。最前線やや右にジョルジーニョ。

ひとり退場しただけで、いきなり3バックに布陣変更かよ。最終ラインに167cmの杉山というのも不安。
レイソルサポーターの
ふなっちさん曰く、杉山の右ストッパーは見たことがあるそうだが、"やったことがある"のと"やれる"のでは大きく違うからね。

75分
オフサイドぎりぎりの絶妙な左サイドへの展開から、中村祥朗が右足でクロスボールを上げる。
ペナルティスポット付近で服部がヘディングで競り勝ち、ボールはゴール右隅に吸い込まれる。
池端が退場したことで、服部を押さえられる選手がいなくなってしまった。
この試合唯一のチャンスをしっかり物にするあたりは、さすがはストライカーと言うべきか。
私の観戦した試合でゴールを決めたのって……もしかして1997年以来か?

本日の入場者数
4640人と発表される。あいにくの天気と山梨放送で生中継されたことを考えれば上出来か。

82分
選手交代:ジュニーニョ→山本英臣
前線でも右サイドでも機能していなかったので、交代は遅すぎたほど。

87分
ジョルジーニョのミドルシュート。足下が滑ったか、シュナイダー潤之介は弾くのがやっと。
こぼれ球をヴァンフォーレの選手が詰めるが、その選手も足下が滑(以下略)

89分
右サイドから杉山がクロスボールを上げるが、これがゴール左上への絶妙なシュートになる。
シュナイダー潤之介が、下がりながらかろうじてかき出す。あわや「カタノサカ」発動。
カタノサカ(名詞)
クロスボールが直接ゴールネットを揺らすこと。レイソルのサイドの選手に多く見られる。
現トリニータの片野坂知宏が、レイソル在籍時に決めたゴールに由来する。

試合終了
サガン絶好のカウンターの場面で、なぜか吹かれる試合終了の笛。ボールを持っていた小石は呆然。
服部を始めとして、サガンの選手は当然のごとく穴沢主審に詰め寄る。

後半の感想
池端の退場、そしてその修正に時間がかかったことで、ヴァンフォーレは勝ち点2を失った。
この一文だけで充分だよな、この試合を語るには。

ジュニーニョ
矢野隼人などと同様、彼も高校選手権と日本テレビが作り上げた虚像に過ぎなかったのか。
シュートの意識が低すぎてFWには向かない。視野の狭さが指摘されているように、中盤でも難しい。
サイドハーフでもドリブルが活かせなかったところを見ると……来季はザスパ草津あたりか?

シュナイダー潤之介
以前からキックの精度には疑問符のつくGKではあったが、この日はあまりにひどすぎた。
5分に最初のパントキックを空中高くに蹴り上げると、クリアしようとして相手FWに直撃させたり、ゴールキックを左右のタッチラインに器用に蹴り分けるなど、とても信頼できるレベルにない。
サガンに他にGKは……いや、いい(苦笑)

服部浩紀
本来は前線で体を張るタイプのFWではない。しかし、チーム事情を考えればやむを得ない。
チャンスは数えるほど、ポストプレーもボールをキープするだけで精一杯。それでも──
ときおり見せる果敢な守備と、ストライカーらしい得点感覚の鋭さに、5年前と変わらぬ彼を感じる。
そして、しばしばもらうカードにも(苦笑) 今季も三勤一休……いや、J2だから四勤一休か。

ヴァンフォーレ甲府 評
大木監督と鶴見こそ盟主エスパルスに引き抜かれたが、戦力的に見れば今年のチームの方が上。
外国籍選手の消極的なプレー、池端不在時の最終ラインの統率など、課題は早いうちに出た方がいい。
松永新監督がそうであるように、必要とあればまた身延線に乗って誰かしらやってくるだろうし。
大学時代に思い入れのある選手が多いので、実はサテライトの方が興味があったりする。

サガン鳥栖 評
引き分けに持ち込めただけでも御の字かと。ボランチのできる選手がいないことには話にならない。
小石は論外だし、川崎もひとつ前で起用したいのが実状。佐藤陽彦の早期復帰が待たれるところ。

 

選手たちがピッチを後にするのを見届けると、臨時バスで甲府駅へと戻る。
山梨名物のひとつ、"ほうとう"を食するために駅最寄の「甲府ほうとう 小作」へと向かう。
信玄セットを注文したのだが、たけのこご飯が余計だったか、ほうとうを少しばかり残してしまった。
そういえば、あらかじめ「ゆきさんは小食だから、結構辛いかも……」と言われていたっけ。
「ほうとうを食べたことがなければ美味しいと思うよ」と、なんとも微妙な表現をされていた味も、チェーン店にしては美味しかったかな(確かに食べたことはないのだが:苦笑)。
ちなみに、座敷にはサガンティーノ御一行様が(苦笑)

大学に合格した後輩への土産などを購入し、18:59発の中央線で甲府駅を発つ。
大月駅で東京行きに接続。八王子駅で氏と別れて横浜線、京浜東北線、横須賀線を乗り継いで帰宅。
まぁ、その12時間後には埼玉スタジアム2002で顔を合わせるのだが(苦笑)

ヴァンフォーレ甲府

前半サガン鳥栖

後半
会場:小瀬スポーツ公園陸上競技場/観衆:4640人
得点:1-0 水越 潤(48分、アシスト=奈須伸也)
   1-1 服部浩紀(75分、中村祥朗)

ヴァンフォーレ甲府サガン鳥栖
GK阿部謙作GKシュナイダー潤之介
DFアライールDF朝比奈伸
DF池端陽介DF川前力也
DF青葉幸洋DF三好拓児
DF奈須伸也MF鈴木勝大
MF倉貫一毅MF45佐藤大実
MF外池大亮MF小石龍臣
MF水越 潤MF川崎元気
DF70杉山 新MF中村祥朗
MF石原克哉FW大友 慧
FWジョルジーニョFW鳴尾直軌
FWジュニーニョFW服部浩紀
MF82山本英臣SUB藤川康司
SUB島津虎史SUB山道高平
SUB山崎光太郎SUB井手口純
SUB須藤大輔SUB森 恵佑

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