柏レイソル−京都パープルサンガ 観戦記

遠いです……柏。
行きは御茶ノ水駅から向かったのでさほど感じなかったけれど、横浜の自宅に帰ったら日付が変わっていた。

日立柏サッカー場
JR柏駅から歩くこともできるが、東口から臨時バスも運行している。料金は片道160円。
帰りの臨時バスはすぐになくなるので、気をつけませう。
サッカー専用競技場だけあって、グラウンドがとても近く感じられる。
ゴール裏は立見席で鉄製の手すりが設置されており、これに登って観戦するのが基本らしい。
試合前のBGMは、柏が生んだサムシングエルスの「ラストチャンス」と「だんご3兄弟」……
サンガサポーターに向けて、足を運んでくれたことに対してのお礼のアナウンスが流れたのは好感が持てる。

サンガのゴール裏にはフリエのグラウンドコートをまとった一団も見受けられ、薩川半袖隊も出動していたらしい。

キックオフ
キックオフと同時に、一斉に黄色の紙テープが投げ込まれる。
投げ込んだ巾着袋から紙テープがしゅるしゅると出てくるのだが、これがクラッカーのように細いんだ。
つまり……? 空中で絡まって、頭上から落ちてくるわけだ。
視界が黄色一色に染まり、それをかきわけること一分近く。
誰だ、こんなもん企画して配った奴は〜〜! 責任者出てこ〜〜い!

レイソルの布陣
最終ラインは中央に洪明甫、左にサツ、右に渡辺毅。ウイングバックが左に片野坂、右に酒井。
ボランチが明神と下平。中央に加藤望、ストイチコフがやや引いて、最前線にベンチーニョ。

サンガの布陣
最終ラインは中央に大嶽と尽、右が鈴木健仁、左が戸倉。中盤はボランチのシジクレイと、森岡、三浦文丈、シーラスがひし形を形成。前線は黒崎は高さを活かし、光岡が足でかきまわす。

3分
下平が前線にフィード。ベンチーニョが抜け出して松永と1対1になるが、ボールが足につかずディフェンスに奪われる。

15分
サツが森岡を背中で押さえ、奪ったボールを南にバックパス。
何を思ったか南がゴール前の黒崎に渡してしまうが、シュートの瞬間洪明甫が足を出してブロック。
なんとか事無きを得たが…… フリエのディフェンスは基本的にバックパスが多いんだから、しっかりしないと。

21分
左サイドでシーラスのパスを森岡が戸倉にあずけ、酒井と渡辺毅の間をすりぬける。
戸倉が左足アウトサイドでふたりの頭上を越し、森岡も右足アウトサイドでダイレクトに中央へ戻す。
ペナルティエリアの中、ゴール正面から光岡が右足で合わせるが、南が横っ飛びでこれを弾く。
戸倉と森岡のパスも素晴らしかったし、光岡のシュートもしっかりミートされていてコースも悪くなかった。
ただ、それ以上に南の反応が素晴らしかったということ。

32分
頭部を負傷して治療していた三浦文丈が復帰。
肌色のテープをぐるぐる巻きにして固定しているため、髪の毛は頭頂部からちょこんと見えているだけ。
そのため「ちょんまげ」だの「ヅラ」だのと、容赦ない野次……というか素直な感想が浴びせられる。
かく言う私も、確かに笑った。

35分
左サイドに開いた下平がスルーパスを出し、抜け出した酒井がゴール前へ低いボールを折り返す。
ベンチーニョが背負った尽をキックフェイントで倒し、角度のないところから右足で折り返す。
合わせようかというストイチコフの目前で、鈴木健仁が大きくクリア。

44分
左サイド、ペナルティエリアのすぐ外からのFK。
ストイチコフの左足の豪快なシュートは壁に当たるが、跳ね返りをベンチーニョが押さえる。
戻りかけたストイチコフがそれを見て、タイミングを見計らって全速力で縦に抜け出す。
そこにベンチーニョからふわっとしたボールが入り、ストイチコフは左足でスライディングシュート。
松永が左手で弾いたボールを、詰めていた加藤望が押し込んでレイソル先制。
ラインを押し上げる際にできたスペースに走り込んだストイチコフ、それをよく見ていたベンチーニョ。
ストイチコフのシュートも威力があったわけではないが、ダイレクトだったため松永も反応が遅れた。

ハーフタイム
他競技場の結果で、サンフレッチェ唯一の得点が沢田謙太郎とアナウンスされると、一斉に歓声が上がる。

ビッグボールウェーブと題して、バックスタンドをサッカーボール地の巨大なビーチボールがリレーされる……
はずだったが、スタンドの傾斜のためか空回りばかりして全然進まない。
グラウンドに落ちそうになるのを、係員が何度もスタンドに押し戻すありさま。
誰だ、こんな企画たてた奴は〜〜! 笑いは十分すぎるほど取れたけど。

58分
ストイチコフがシジクレイの股間を抜いて、ペナルティエリアに入ろうというところ。
大きくクリアした鈴木健仁にそのままの勢いで突っ込んで、この日2枚目のイエローカード。
ストイチコフ 退場
ストイチコフが受けた警告は、いずれもアフタープレーによるもの。もったいないなぁ。
レイソルサポからは、一斉に「4級審判!!」とのコールが連呼される。それ以降もしばしば……
主審は2年目の吉田寿光。笛を吹きまくって流れをぶちぶち切っていたので、鬱憤も溜まっていたのだろう。
確かに主審の判定には首を傾げる場面も多かったが、前半黒崎が負傷した際に試合を止めた判断は正しかった。
頭を打った場合は、プレーに関わらず選手の安全を考えて笛を吹くわけで、レイソルサポが怒るのはお門違い。

64分
中盤に下がったベンチーニョが、右サイドのオープンスペースにボールを出す。
走り込んだ酒井が、戸倉に走り勝って胸でトラップ。
浮かして飛び出した松永の頭上を越そうとするが、サイドネットに引っかかる。

65分
シーラスが右サイドからアーリークロスを上げ、光岡がバックヘッドを狙う。
これを下平がクリアミスし、こぼれたボールに光岡が素早く詰めてシュートするも、わずかにサイドネット。

本日の入場者数
9018人と発表される。少なく感じる向きもあるだろうが、ここはキャパが小さいんだ(最大:15900人)。

76分
センターサークルから、右サイドを疾走する酒井にスルーパスが出る。
戸倉を振り切って松永と1対1になるが、低く押さえられたシュートは枠の左に外れる。
直樹〜〜!!(怒) 立て続けに1対1を外すか、お前? おもわずイゴールを思い出した。
戻れたのは振り切られた戸倉と鈴木健仁。大嶽と尽は何をしているんだか。

80分
選手交代:森岡 茂→遠藤保仁
選手交代:光岡眞矢→川勝博康

85分
鈴木健仁がゴール前に放り込み、両チームの選手がヘッドで三度競り合う。
川勝がおもいきって左足で狙うが、ミートせず前にいた黒崎の足に当たる。
ゴール前のスペースに転がったボールを、黒埼が詰めて左足でシュート。
飛び出した南が足に当てて、なんとかブロックする。

85分
クロスの跳ね返りを、やっと(遠藤保仁)が右足でミドルシュート。
浮かないように押さえられたいいシュートだったが、ディフェンスに当たってわずかにクロスバーを越える。

89分
酒井が右サイドをから鋭く切れ込んで、ゴール前に低いマイナスのボールを折り返す。
ゴールラインぎりぎりの混戦で、加藤望が蹴ったボールが戸倉に当たってラインを割る……
と思われたが、大きくまわりこんだ酒井が出るか出ないかのところで折り返し、松永に当たってラインを割る。
オフサイドを取ったかサンガボールと見た主審に対し、副審はコーナーキックの判定。
協議のために副審に駆け寄った主審に対し、この日何度目かの「4級審判!!」コール。
結局判定はコーナーキック。戻っていく主審に対して紙ふぶきも浴びせられる。

ロスタイム
上のプレーで得たCK。ショートコーナーでベンチーニョに渡り、大嶽をあっさりとかわす。
ゴールライン際角度のないところから、右足でアウトにかけてシュートを狙うが枠を外れる。

ロスタイム
サンガが畳み掛けて攻撃を仕掛けるが、レイソル守備陣と南の堅守にことごとく跳ね返される。

ロスタイム
サンガのコーナーキックを、レイソルディフェンスがクリア。
センターライン手前まで出ていた松永がクリアミスし、ベンチーニョから下平にボールが渡る。
松永は後ずさりしながら懸命に戻り、下平は間合いを詰めながら無人の中央を独走。
ペナルティエリアのやや外から浮かせたシュートを放つが、ゴール右に外れる。
下平〜〜!!(怒) あれを外すか、あれを!!
ゴールは無人だったのだから、わざわざ間合いを詰めなくても、早めに浮かせて狙えばいいじゃん。
そんなことだから、代表から外れるんだ。山口だったら絶妙なループを…… いや、ふかすかもしれない(爆)
下平は頭を抱え、直後に試合終了の笛が吹かれる。
松永についてはもう論外。

柏レイソル 評
洪明甫、サツ、渡辺毅で構成される最終ラインは盤石。萩村も控えており、安心して観ていられる。
試合開始直後は、洪明甫が左でサツが中央にいたので驚いたが、すぐにポジションを交換。
超攻撃的ウイングバックの酒井直樹が、スピードを活かして積極的に右サイドを上がっていく。
レイソルの攻撃的MFの枠はひとつだが、酒井直樹と大野敏隆をベンチに置いておくのはもったいない。
守備にやや不安は残るものの、起用した西野監督の判断は正解だろう。あとは決定力を高めるだけ。
加藤望はゲームメーカーというタイプではないだけに、ストイチコフが下がってボールを配給している。
攻撃の起点として、洪明甫をボランチに上げる日もそう遠くないかもしれない。

京都パープルサンガ 評
中盤がそっくり入れ替わったために、攻撃の約束事がまるでできていない。
尽はストイチコフやベンチーニョのテクニックに対応しきれていなかったし、大嶽の動きにもかつての切れは見られない。清水監督イチオシのてっしーに取って代わられる日も近いかも。
左サイドバックに入った戸倉はクロスの精度は高いものの、酒井に再三突破を許していた。
守備に関してはやはり野口のほうが上手だろう。
欲を言えば、いいプレスキッカーがひとり欲しいところ。黒崎が悪いとは言わないが(言ってるって)。

山本浩アナウンサー(NHK)
ここに記すのはいささか反則な気もするが、この人の実況は安心して聞いていられる。
サッカーをよく知っているし、松木安太郎の冗談を無言で受け流すなど役者ぶりも見事。
ただ、大島秀夫についての「前線の選手でレギュラーを取っていたこともある」との発言だけはちょっと……
思わずテレビに向かって「ないないない」と、顔の前で手を振ってしまった。

柏レイソル
前半京都パープルサンガ
後半
会場:日立柏サッカー場/観衆:9018人
得点:1-0 加藤 望(44分、アシスト=ベンチーニョ、ストイチコフ)

柏レイソル京都パープルサンガ
GK南 雄太GK松永成立
DF洪 明甫DF鈴木健仁
DF渡辺 毅DF大嶽直人
DF薩川了洋DF佐藤 尽
MF酒井直樹DF戸倉健一郎
MF片野坂知宏MFシジクレイ
MF下平隆宏MF森岡 茂
MF明神智和MF80遠藤保仁
MF加藤 望MF三浦文丈
FWベンチーニョMFシーラス
FWストイチコフFW光岡眞矢
SUB土肥洋一FW80川勝博康
SUB萩村滋則FW黒崎比差支
SUB平山智規SUB中河昌彦
SUB大野敏隆SUB野口裕司
SUB玉田圭司SUB藤吉信次

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