川崎フロンターレ−アルビレックス新潟 観戦記

順位   試合 勝利 引分 敗戦 勝点 得点 失点 得失点差
1 アルビレックス新潟 34 20 8 6 68 57 33 24
2 セレッソ大阪 34 19 10 5 67 68 41 27
3 大分トリニータ 34 19 10 5 67 48 26 22
4 川崎フロンターレ 34 18 9 7 63 56 40 16

混沌とするJ1昇格争い。
ここ8試合で6勝2分と好調なフロンターレも追いついてきて、今や3強+1の様相を呈している。
フロンターレは上位3チームを捉えるためにも、直接対決で確実にその差を縮めておきたいところ。
この日のアルビレックス戦、そして次週のセレッソ戦が、大きな山場になるのは疑うべくもない。

 

それはさておき、等々力に向かう前にフットサルで一汗(笑) FC.BLUEの練習に顔を出す。
新潟からはバス8台を連ねて、アルビレックスサポーターがやってくるとの情報もあり、座席の確保は先行するF・てーとく氏にお願いすることに。いつも通りの良席、氏に感謝。

試合開始30分前にはなんとか到着。予想通り、競技場はアルビレックスのホームと化していた。
この日は2階席も開放されていたが、オレンジに染められたバックスタンド1階席はまさに壮観。
断言するが、関東のJ2チームには、これを圧倒するだけのサポーターを擁するところはない。

川崎フロンターレの布陣
GKは浦上。最終ラインは右から伊藤宏樹、箕輪、岡山一成、塩川。
中盤はボランチが鬼木と茂原、右に長橋、左にマルキーニョ。前線はマーロンとアレックス。

少なくとも、試合開始の時点ではこのように見えたことだけは確か。

アルビレックス新潟の布陣
GKは野澤。最終ラインは右から小林悟、高橋直樹、丸山、神田。
中盤はボランチが安英学と秋葉、右に寺川、左に宮沢。前線は船越とマルクス。

試合開始、そして──
ボランチの鬼木が、しばらく箕輪や岡山一成と言葉を交したかと思うと、ふたりのさらに後方に下がる。
かと思いきや、攻勢に転ずるとすかさずポジションを上げ、時として敵陣深くまで果敢に攻め込む。
"リベロ"かよ!(思わず驚嘆)
運動量には定評のある鬼木だからこその奇策だろうが、石崎監督も思い切ったものだ。

改めて、川崎フロンターレの布陣
4−4−2とか3−5−2とか、数字で表される布陣にはもはや何の意味もないことは承知の上で。
一応、記しておく(余計わかりずらいかもしれない:苦笑)。
<守勢>
GKは浦上。最終ラインはリベロに鬼木、右に箕輪、左に岡山一成。サイドハーフは右に伊藤宏樹、左に塩川。
中盤はボランチが茂原、右に長橋、左にマルキーニョ。前線はマーロンとアレックス。
<攻勢>
GKは浦上。最終ラインは右から伊藤宏樹、箕輪、岡山一成、(中盤と変わらぬ高さに)塩川。
中盤はボランチが鬼木と茂原、右に長橋が開き、中央やや左にマルキーニョ。前線はマーロンとアレックス。

4分
秋葉とマルキーニョが競って流れたボールを、すかさずマーロンがダイレクトでスペースに出す。
マルキーニョが抜け出して野澤と1対1になるが、左足のシュートは野澤に真正面で押さえられる。

12分
右サイドのマーロンのスルーパスを受けて、マルキーニョがペナルティエリア内から右足でシュート。
グラウンダーで威力も充分だったが、これまた野澤に真正面で押さえられる。
どちらの場面もあっさりと抜かれすぎ。端から見ても、最終ラインが揃っていないのが見て取れる。

27分
中央やや左からの安英学のフィードを、ゴール前の船越が胸トラップで後方に落とす。
走り込んだマルクスが、右足でボレーシュートを放つが、浦上が横に飛んでかろうじて弾き出す。
ミートこそしなかったが、叩きつけたいいシュートだった。枠にもきっちり飛んでいたし。

28分
中盤でドリブルするアレックスが、右から左へと流れながらすかさず左足でスルーパスを通す。
左サイドを駆け上がった塩川の折り返しを、野澤がキャッチしようとして痛恨のファンブル。
野澤は這いながらも懸命にかき出そうとするが、ボールが転がり込む方がわずかに早かった。
確かに野澤の判断ミスかもしれないが、普通のGKであればキャッチしようとはまず考えないわな。
着地からの素早い反転、バランスを崩しながら再度ボールに触れるあたりは、身体能力が高いからこそ。
もちろん、失点しなければそれに越したことはなかったんだが(苦笑)

川崎フロンターレの布陣 そのさん
右サイドの伊藤宏樹が最終ラインに入り、鬼木はボランチに専念する。いつもの見慣れた布陣に。

GKは浦上。最終ラインは中央に伊藤宏樹、右に箕輪、左に岡山一成。サイドハーフは右に長橋、左に塩川。
中盤はボランチが鬼木と茂原、中央にマルキーニョ。前線はマーロンとアレックス。

ロスタイム
ゴール正面、ペナルティエリアのすぐ外からマルクスがループシュートを狙うが、浦上が片手でかき出す。

前半の感想
鬼木をリベロに据えたかと思えば、先制するやいなや本来の布陣に戻すあたりは、石崎采配の妙か。
アルビレックスは守備の不安定さもさることながら、小林悟の裏のスペースを突かれての失点が多い。
後半、反町監督がどう修正してくるのかに期待(というか、どちらの布陣を想定しているのだろう)。

45分
選手交代:宮沢克行→深澤仁博
中盤で起用される深澤が信用できないのは、おそらくこの試合の印象が強く残っているからだろうが……
隣席のF・マリノスサポーターからして、「前線でしか役に立たない」と発言しているからなぁ(苦笑)

46分
右サイドからの秋葉のFK。右足でカーブをかけてゴール前に放り込む。
近いサイドに走り込んだ丸山が、右足で合わせようとするがボールにはわずかに届かない。
その後方、遠いサイドから抜け出したマルクスが、ヘディングで押し込んで同点に追いつく。
丸山がボールに飛び込んだからこそ生まれたゴール、決して記録に残ることはないが。
浦上は飛び出せず、マークしていた伊藤宏樹は結果的にボールをまたいでしまっている。
もっとも、ゴール前でフリーになっていたのは、マルクスだけじゃなかったけどな(苦笑)

50分
ゴールの左、角度のないところからマーロンがオーバーヘッドを狙うが、ディフェンスにブロックされる。

51分
選手交代:茂原岳人→渡辺 匠
茂原は足を傷めたような仕草が見受けられたので、おそらくは負傷交代と思われる。

62分
左サイドの寺川(まったく自信なし)から戻されたボール、安英学がゴール正面から右足一閃。
地を這うような弾道を描いたミドルシュートが、ゴール左隅に突き刺さる。
あまりの素晴らしさに、思わず見惚れてしまった。
あの距離から正確に射抜かれたのでは、さすがの浦上も対処のしようがないだろう。

本日の入場者数
7063人と発表される。"等々力満員大作戦"のアビスパ戦にはわずかに及ばないが、普段の比ではない。

64分
選手交代:マルキーニョ→黄川田賢司
マルキーニョの位置にアレックスが下がり、黄川田が前線に投入される。

75分
選手交代:岡山一成→我那覇和樹
前線の人数を増やし、手薄になった最終ラインには渡辺匠が下がる。
かねてからの疑問だが、石崎監督の中には「岡山一成を前線に上げる」という発想はないのだろうか?
DFにコンバートされたとはいえ、昨年まではセレッソでFWだったはずなんだが。

川崎フロンターレの布陣 そのよん
GKは浦上。最終ラインは中央に渡辺匠、右に箕輪、左に伊藤宏樹。サイドハーフは右に長橋、左に塩川。
中盤はボランチが鬼木、中央にアレックス。前線は中央に黄川田、右に我那覇、左にマーロン。

79分
船越のポストプレーを起点にして、左サイドを抜け出した深澤にスルーパスが通る。
深澤はドリブルでペナルティエリアに切れ込むと、ディフェンスに競り勝ってシュートを放つ。
角度のないところから放たれたボールは、浦上にブロックされる。

84分
選手交代:寺川能人→本間 勲
キャプテンマークを秋葉に託し、寺川はピッチを去る。守備力だけなら本間の方が上……だよな。

89分
選手交代:マルクス→氏原良二
前線で体を張れる船越を残して、スピードのないマルクスを交代させる。まさに定石通りですな。

ロスタイム
ペナルティエリア右サイドから、ゴール前にふわっと上がったボール。
飛び出した野澤が、箕輪が、マーロンが、(3人に挟まれた状態の高橋直樹も:笑)空中で交錯する。
弾き損なったボールを、フリーの鬼木が左足でダイレクトボレー。クロスバーのはるか上に。
天を仰ぎ、そのままの姿勢で倒れ込む鬼木。ボールが落ちてくるのを、待ちきれなかった感がある。
ゴールにはディフェンスが4人戻っていたので、生半可なシュートでは破れなかっただろうが。
野澤? 着地したマーロンが、バランスを崩しながら上を跨いでいたな(笑)

後半の感想
開始直後のマルクスの同点ゴール、これでフロンターレのゲームプランは完全に狂った。
安英学のゴールについては、事故のようなものと見る向きもあるようだが、それは明らかに違う。
失点の兆候はあった。鬼木や岡山一成では、もはや寺川を押さえ切れなくなっていたのだ。
出来過ぎたシュートかもしれないが、遅かれ早かれ逆転されていたのではないだろうか。

安 英学

川崎フロンターレ 評

 

それにしても、セットプレーは脅威……というか、相手のGKは心底嫌だろうなぁ。
前線のマーロンはもちろんのこと、最終ラインからは箕輪、岡山一成、伊藤宏樹が上がってきて、後半には途中出場の黄川田(前科あり)が文字通り飛び込んでくるんだから(笑)

アルビレックス新潟 評

湘南ベルマーレ−サガン鳥栖 観戦記(縮小版)

川崎フロンターレ

前半アルビレックス新潟

後半
会場:等々力陸上競技場/観衆:7063人
得点:1-0 塩川岳人(28分、アシスト=アレックス)
   1-1 マルクス(46分、秋葉忠宏)
   2-1 安 英学(62分、不明)

川崎フロンターレアルビレックス新潟
GK浦上壮史GK野澤洋輔  
DF岡山一成DF小林 悟
FW75我那覇和樹DF高橋直樹
DF箕輪義信DF丸山良明
DF伊藤宏樹DF神田勝夫
MF塩川岳人MF安 英学
MF鬼木 達MF秋葉忠宏
MF茂原岳人MF寺川能人
MF51渡辺 匠MF84本間 勲
MF長橋康弘MF宮沢克行
MFマルキーニョMF45深澤仁博
FW64黄川田賢司FWマルクス
FWアレックスFW89氏原良二
FWマーロンFW船越優蔵
SUB吉原慎也SUB前田信弘
SUB今野 章SUB新井健二

Back