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ウォーターメロン


パライバ


ルベライト

トルマリン(電気石・でんきせき)
(tourmaline)

鉱物学では、組成によりウバイト、エルバイト、ショール、ドラバイト、ビュールゲライト、リディコタイト等の種とし、それらをトルマリングループ(族)として分類するが、宝石学では組成に因らず、色で変種に分け、トルマリンを種名として取り扱うのが一般的である。
無色、赤、ピンク、黄、緑、青など、様々な色が楽しめる。
  • 結晶系:六方晶系(三方晶系)
  • 化学組成:(Ca,K,Na)(Al,Fe,Li,Mg,Mn)3(Al,Cr,Fe,V)6(OH,F)4(BO3)3(Si6O18)
  • 屈折率:1.62-1.64
  • モース硬度:7-7.5
  • 比重:3.06
     
  • 着用時の注意:
    トルマリンを使ったジュエリーの洗浄には眼鏡店などの超音波洗浄機は用いず、ぬるま湯に石鹸水、歯ブラシを用いた方が無難。
     
  • 誤称/流通名/鉱物学名/商標/変種名:
    アクロアイト (achroite)
     無色
    インディコライト (indicolite)
     青を主要色とするトルマリン
    ウォーターメロン (watermelon)
     通常C軸に対し垂直に、いわば輪切りにされる。中心がピンク、周囲が緑のトルマリン
    クロム トルマリン (chrome)
     色因の実際に因らず、強い緑色を示すトルマリンを指す
    ショール (schorl)
     黒のトルマリンを指す
    ドラバイト (dravite)
     黄、オレンジのトルマリンを指す
    バーデライト (verdelite)
     緑を主要色とするトルマリン
    パライバ (paraiba)
     非常に彩度の高い青、及び緑のトルマリン
    リディコタイト (liddicoatite)
     C軸に対し垂直にカットした場合、中心から放射状に三角のカラーゾーニングを示すトルマリン。ベンツのエンブレムを思わせるので、ヨーロッパではメルセデスと呼ばれる事も多い。
    ルベライト (rubellite)
     ピンク、パープル、レッドのトルマリン
     
  • 語源:
    turmali(古代シンハリ語)。混ざり合った貴石の意であり、ジルコンを意味した。
  • 処理:
    熱(明度を明るくする)、照射(ルベライト)
  • 誕生石:10月(ピンク)
  • 類似石/鑑別時留意すべき石:
    ペリドット(緑)、コーネルピン(緑)、アンブリゴナイト(黄)、ブラジリアナイト(黄)、トパーズ、ラズライト(青)、アンダルサイト
  • 流通する宝飾用合成石:なし
  • 産地:ブラジル、スリランカ、アメリカなど
     
  • その他:焦電性、圧電性を有する。
    ドラバイト/dravite
    ┃ 化学組成:NaMg3Al6B3Si6O27(OH,F)4

    ┣固溶体をつくる

    ショール/Schorl
    ┃ 化学組成:Na(Fe,Mn)3Al6B3Si6O27(OH,F)4

    ┣固溶体をつくる

    エルバイト/elbaite
      化学組成:Na(Li,Al)3Al6B3Si6O27(OH,F)4


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