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ザンドライト / zandrite

蛍光灯下のザンドライト

白熱灯下のザンドライト

変色効果カラーチャンジ)を示すある種のガラスの流通名。

色には二系統ある。

ひとつは蛍光灯下でブルー トパーズのようなライト ブルー、そして白熱灯下でアメシストのようなパープル カラーを呈する(写真)。

他方は蛍光灯下でブグリーン、そして白熱灯下でピンク カラーを呈する。

写真のルースは販売時、ケースに「カラーチェンジガラス」と表記されていて、ザンブライトとはガラスであることが明瞭に告知されていた。しかし、ある販売者は顧客に「人造石」とのみ説明し、ガラスという表現は用いていなかった。また広告には「人造石」という表記のみがあり、ガラスという言葉がない事もある。“石”という語感からは結晶という印象を受けるが、ガラスは結晶ではない。分かりやすさのために、広告にもガラスと明記するべきだろう。

ザンブライトという名称で販売される変色効果のあるガラスも、他のガラス製の模造石同様硬度は 5から6(モース硬度)程度しかない。また結晶と違って原子同士の結びつきが弱いから、衝撃によって、欠けたり割れたりし易い。従って衝撃を受けやすい指輪への加工には向かない。

加工職人はバーナーを用いる際、ガラスであることを忘れず。無論、直火はいけない。

試料の屈折率は1.535だった。


関連:→照射処理ブルートパーズのロンドン ブルーとスイス ブルーの違い


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