翡翠には、最も良く知られた緑以外にも様々な色が存在し得る。存在しないのは秋空の様な青だけだろう。
写真はラベンダージェイドと呼ばれるパープルのジェダイト。
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ジェイダイト(ヒスイ輝石・--きせき)
(jadeite)
- 西太后の熱狂的な収集癖にもあらわれていたであろうが、特に東洋で高く評価される宝石である。アルカリ輝石の一種。
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- 様々な呼称がある。
- ジェイド(又はジェード)(jade)
ジェイダイト、及びネフライトの意。両者は異なる鉱物である。
- ヒスイ輝石
ジェイド輝石(又はジェード輝石)とも言い、鉱物学的なジェイダイトの名称。
- 硬玉
ジェイダイトの一般的な和名。軟玉(ネフライト)と区別するために用いられる
- 翡翠(ひすい・ヒスイ)
ジェイダイトの別の和名。中国名でもある。ただ、研究者によっては、ヒスイはジェイドと同じようにネフライトの意も内包するという意見もある。
- 結晶系:単斜晶系
- 化学組成:NaAlSi2O6
- 屈折率:1.66
- モース硬度:6.5-7
- 比重:3.25-3.40
- 着用時の注意:
特になし。非常に高い靱性(割れに対する耐性)を有するため、衝撃に強い。超音波、スチーム洗浄共に安全。
- 変種・流通名・誤称:
ろうかん(作成しているPCでこの漢字が表記されないのでひらがなで失礼します)/今日日本では、最上質のジェイダイトを指す。以下のインペリアルジェイドと同じ。中国語で青々とした美しい竹を意味し、語源。
インペリアルジェイド/最上質のジェイダイトを指す。透明度は亜透明。クロムによるヴィヴィッドな緑色が均一な地色を成し、高い光沢を有するもの(きめが細かい)。
アップルグリーン/グリーンアップルを思わせるイエロイッシュグリーンのジェイダイト。
雲南ジェイド/暗い緑色ジェイダイト。
モス・イン・スノー/雪の中の苔であるから、白い地色の中に斑状に緑色部が分布しているジェイダイト。
クロロメラナイト/実際にはジェイダイトと同じアルカリ輝石に属する別種の鉱物であるが、黒またはそれに近い暗緑色のものは、ジェイダイトの変種としてクロロメラナイトと誤って表記される例を目にすることがある。
- 語源:
スペイン語/piedra de ijada
(腹痛の石の意であり、これはジェイダイトを脇腹にあてれば腎臓の痛みを癒すと考えられていたから)
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これがフランス語ではpierre de l'ejade後にle jadeと翻訳され、英語ではjadeと表記されるに至った。
翡翠/カワセミ(漢字表記は翡翠)。
- 処理:染色、漂白、樹脂含浸、プラスチック含浸
Aジェイド/未処理のジェイダイト。いわゆるナチュラルナチュラル。
Bジェイド/樹脂含浸(そして通常漂白も)を経たジェイダイト。
Cジェイド/染色を経たジェイダイト
- 類似石・鑑別時留意すべき石:ネフライト、アイドクレーズ、マウ・シット・シット、ハイドログロシュラライト、カルセドニー、サーペンティン、メタ ジェイド、ジェイド トリプレット
- 宝飾用合成石:なし。研究用に、GE(ジェネラルエレクトリック)が合成ジェイダイトの合成に成功している。
- 産地:重要な商業産出地はミャンマーのみ。日本では新潟県糸魚川流域。中国に重要な鉱床はない。
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→マウ・シット・シット
- →メタジェイド
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