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マウ・シット・シット
(maw-sit-sit)

ユーレアイトを主成分とする緑色不透明宝石。特徴的な外観を持つ。
 
1997年来、日本でもこの石の販売事例を多く見るようになった。98年のツーソンジェムショーでも取り扱い業者が前年度比で増加したことから、新しい流通チャンネルが開発されたものと思われる。
 
この石の初めての研究報告例は1963年(グベリン博士)。博士は、この石をジェイダイト(ヒスイ, 翡翠)とアルバイトの共生による岩石であるとし、ジェイド・アルバイトと命名。
 
1981年にはGIAはSEM-EDS(走査電子顕微鏡・エネルギー分散分光装置)による構成鉱物の解析を実施。ユーレアイトを主成分とし、他にアンフィボール(角閃石)、クロライト(緑泥石)、フェルドスパーなどからなる岩石であると発表している。
 
筆者は以前、知人の宝石店主よりこの石の鑑別を依頼された事がある。ブローチにセットされていたが、その製品を知人に持ち込んだ卸売業者は、マウ・シット・シットをジェイダイトであると説明していたとのこと。
 
産地:ミャンマー、マウ シット シット渓谷
 
ユーレアイト


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