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日本に於ける真珠の古語 ancient words of pearl

全国各地から見つかっている貝塚からも、日本人が有史以前から多くの貝を食していたことが分かる。日本には真珠層を有する真珠貝アコヤガイ、アワビなど)も広く分布していることから、天然真珠も多く採れ珍重されていた事は間違いないだろう。

その事は古事記や日本書紀、万葉集(写真左は国立国会図書館所蔵の万葉集)といった古い書物に真珠に関する記載があることからも裏付けられる。

以下は、古い書物に散見される真珠を表す古語。

 

斯良多麻:しらたま(古事記)

阿加陀麻:あかたま(古事記)

あわびしらたま。日本書紀、武烈紀太子の御歌。

如意珠

日本書紀、仲哀天皇の巻に次の記述がある。
 
秋七月辛亥朔己卯 皇后泊豊浦津 是日皇后得如意珠於海中

眞珠:またま、しらたま(日本書紀、万葉集)

白眞珠(土佐風土記)

白玉:しらたま

万葉集では白玉として真珠を表現する歌が多数詠まれている。例えば山上憶良が巻五(天平五年:733年)で詠んだ次のような歌がある。
 
世人之貴慕七種之寳毛我波何為和我中能産禮出有白玉之吾子古日者明星之開朝者..後略
 
世の人の尊び願ふ七種の宝も我は何せむに我が中の、生まれ出でたる白玉の、我が子ふるいは明星の、明くる朝は..後略
 
白玉の表現はその他にも、 大安寺資財帳(天平十九年)や延喜式神名帳など多数の古書に散見される。

白珠:しらたま

肥前風土記(ひぜんのくにふどき。奈良時代初期。肥前は現在の佐賀県、長崎県。現存する5つの風土記の内のひとつ)や延喜式神名帳などに散見される。

鮑珠:あわびだま

安波妣珠:あわびだま(万葉集)。

但し、アワビ真珠を指すというよりは、真珠全般を指す表現と思われる。

阿久夜玉:あくやたま(新猿楽記)

阿久也玉:あくやたま(百練抄)

思良多麻


延喜式神名帳

えんぎしきじんみょうちょう。延長5年。当時官社とされていた全国の神社一覧。白玉、及び白珠の両記載有り。


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