リザード スキン (lizard skin)

写真上で丸く囲んだ部分がリザード スキン。
トカゲの皮というよりは、表面に油が付いているように見えるかもしれない。当該箇所を拡大したのが写真下。

ダイアモンドはモース硬度10で最も硬い宝石である」

当サイトや鉱物の本にはそのような意味の記述があるけれど、実はダイアモンドの硬度は一様にあらず、方向によって違う。

ダイヤモンド カッターはこの性質を熟知しており、カットの前に原石を観察して研磨し易い、より軟らかい方向を選んで作業を進める。しかし原石によっては内部の原子配列が不規則な事(※)があり、硬い方向に沿ってファセットを作らなくてはならない事がある。 このような場合に超微細な凹凸がファセット表面に残されるととなり、これをその外観からリザード スキンと呼んでいる。

リザード スキンを針つき(※2)で擦ると下ろし金の役割を果たしたリザード スキンによって針つきの金属がファセット表面に線状に残り、取り去るのに王水が必要となるので注意すること。

※原子配列が不規則な事:分かり易い表現を心がけているのでこのように記したが、もちろん原子が不規則に並んでいるという意味ではなく、双晶など原石内で結晶学的方位が一様でない場合を意味する。

※2針つき:ダイアモンドを顕微鏡で観察しているときに用いる器具で、通常木製の柄の先にキリのような尖った金属がついている。


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