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写真のように石の表面を光らせると微細な孔が確認できる。従来型のレーザードリルホール。


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レーザードリルの孔から垂直方向から観察。従来型のレーザードリルホール。

レーザードリルホール
(laser drill hall)

白い紙に黒いマジックで線を引けば目立つけれど、白いチョークを用いれば目立たない。そんなコンセプトで考案されたダイアモンドの処理法が、[レーザードリル処理]。
 
ダイアモンドの中に、黒い物質(インクルージョン)があったとする。レーザー光線でその物質まで微小な孔を穿ち、そこを伝って強力な酸を遣い、黒い物質を白く漂白してしまうのが処理を指す。この処理によって出来た特徴を[レーザードリルホール]と呼ぶ。1本あたり10米ドルも払えば処理をしてもらえる。日本にはこの手の処理ダイアモンドは多く流通していない。
 
ところで、最近(2000年初頭より)新手のレーザードリル処理が登場している。従来の処理はレーザーによる孔が確認できるため容易にそれと分かったが、新手の方法では孔(従来のような)が出来ない。 石の表面近くにあるインクルージョンにパルスレーザーで熱を加えて、表面まで達する小さく限定された割れを作り、そこから漂白をしている。ドリル状にはならないので呼び名に困ったけれど、従来型の処理と同じコンセプトであるので、こちらも[レーザードリル処理]とした。
 
→クラリティ特徴
→ダイアモンド


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