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竜涎香 / りゅうぜんこう / ambergris |
鯨の歯で出来た首飾りを以前紹介したが、ジェモロジストとしては、鯨とくれば竜涎香(りゅうぜんこう)にも触れておきたい。 竜涎香、「香を放つ竜の涎(よだれ)」とは凄まじい名称だが、フェロモンのような強烈な香りを放ち、麝香(じゃこう)(※)と並んで“香の王者”とも呼ばれ、アラビア人によって8世紀頃から香料として用いられるようになったという。
竜涎香は、マッコウクジラの体内で生成される物質。好物であるイカなどを食した際くちばしといった消化しにくいものから腸壁を守るために分泌されたロウ状の物質が排出されたものである。 英語ではambergris(アンバーグリス)という。アンバーは琥珀。 グリス(フランス語。英語ではgray)は灰色の意味だから、灰色の琥珀を意味する。海岸に流れ着いた竜涎香が琥珀に似ているが、色が一般的な琥珀の色である黄色みを帯びた茶色ではなく、灰色であることが多いことからの命名だろう。 ニューヨークタイムズ電子版に、海岸で拾った竜涎香らしき物質の写真が掲載されていた。ニューヨーク州ロングアイランドの東端にあるモントークの海岸で50年前に拾ったものという。正式な鑑別結果は記載されていないが、竜涎香ならば数百万円の値段で取引される事もあり得る。 また、ウィキィペディアにも竜涎香の写真が掲載されている。 日本では沖縄の島々で採れたといい、江戸時代には「竜糞」と、こちらは何とも興醒めする名称が与えられていた。 “採れた”と過去形で記したのは、江戸時代と比べ比較にならぬほど減少した今のマッコウクジラの数を考えてのこと。確率は非常に低いだろうが、今でも海岸で竜涎香が見つかる可能性はある。海岸で見慣れぬ物質を見たら、竜涎香かもしれない!? 参考 |
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