|
ハート オブ エタニティ
(heart of eternity)
- ハート オブ エタニティ(永遠のハート)
重 量 :27.64 cts
カ ッ ト:ハート シェープ
カ ラ ー:ヴィヴィッド ブルー
産 地 :プレミア鉱山(南アフリカ)
- 1999年9月に、デ・ビアスがミレニアムを記念して発表したダイアモンド。
-
- 【ハート オブ エタニティの値段】
- * [宝石学の世界]Vol.3 / 宝石学Q&Aより(一部修正)
-
- Q:
- Vol.2で紹介されていた「ハート オブ エタニティ」というダイアモンドは、いったいいくら位するのでしょうか?」
-
- A:
このような特殊なダイアモンド、つまり一般に流通しない、あるいは、二つとして類似したものが存在しないダイアモンドに相場は有りません。ではどの様に鑑定(市場価値の判断)をするか?
-
- まず流通経路を考えます。このような特殊なアイテムは、多くの場合クリスティーズやサザビーズといった国際的オークションハウスで競売にかけられます。落札するのは王族、貴族、富豪を顧客にもつジュエラー
の場合が多く、このジュエラーが宝飾品に加工し、販売するというのが多く見られる流れです。事前に顧客からの依頼を得てから落札する事もあります。無論、個人のコレクターが代理人をたてて競り落とし、コレクションに加えることもあるでしょう。
-
- オークションに出品されたアイテムには落札予想価格が示されます。落札予想価格は、過去の類似したアイテムのハンマープライス(落札価格)を元にして決められます。特殊なアイテムであるほど、当該アイテムと、過去の類似アイテムには違いがあることでしょう。その違いを見極め、評価にどの様に反映させるかが鑑定人の腕の見せ所です。
-
- 私も今回のご質問にお応えすべく、過去の取り引き記録を引っぱり出してみました。手元に過去全ての取り引き記録はありませんが、目立ったところは抑えてあると思います(データベースを作ろうと思いつつ放り
放しにしてあるので、アナログですが(^^;。
-
- しかし...。予想通り、27.64cts、あるいはせめて20cts以上のブルーダイアモンドの取り引き記録を探しましたが見つかりません。そこで、もっとも近いものに目を移します。 そう、これでしょうか。1990年、クリスティーズで落札された6.19ctsのファンシー
ブルーダイアモンド。1ctあたりの落札価格は最近の円相場で54,000,000円!石の値段はその6.19倍ですから3億3,400万円あまりとなります。ちなみにダイアモンドは大きい程珍しいので、大きなダイアモンドにはプレミアが付きます。別の言い方をすれば、
大きさ以外の要素が同じならば、10ctsのダイアモンドは1ctの10倍の値段ではないということです。それは、10ctsのダイアモンドがひとつ見つかる方が、1ctの石が10個発見されるよりもずっと珍しいからです。
-
- したがって、ハート オブ エタニティの値段は、どんなに安く見積もっても5,400万円の27.64倍といえます。このダイアモンドが競売に出されることはないでしょうが、実際に出品された時の値段は、正直にいって私の判断を越えます。
-
- ということで、今回頂いたご質問には満足にお応えしておりませんが、お許しを。
-
- →ダイアモンド
|