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撮影協力:ブリンクハウス・ジュエラー(カナダ、バンクーバー市。

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エカティ ダイアモンド鉱山(−−こうざん)
(Ekati Diamond Mine)

カナダ、ノースウェスト準州、ラック・デ・グラス(Lac de Gras)地区にあるダイアモンド鉱山。1999年1月よりダイアモンド原石の供給開始。
 
自社で研磨するダイアモンドにはメープルリーフの刻印(レーザーインスクリプション)を施している。
 
2001年4月より、カナダの主要宝飾店に直接裸石を供給している。
 

 

株主

  • BHP Diamonds (80%)
  • Charles E. Fipke (10%)
  • Stewart L. Blusson (10%)
以前はこのプロジェクトのパートナーであったダイアメット・ミネラルス社も29%を所有していたが、2001年11月、BHPビリトンによるダイアメット・ミネラルス社の総額6億4,800万カナダドル(およそ540億円)による買収の結果現在の株主構成となっている。

エカティ鉱山は、オーロラ観光で名高いイエローナイフの北東約300km、グラス湖(最上段に地図)(ラック・デ・グラス。仏語でラックは湖、グラスは脂肪を指し、先住民が「エカティ」と呼ぶこの湖の仏語による直訳。「エカティ」とはデネ語で「脂肪の湖」の意。湖周辺から多く見られる花崗岩が、カリブーの脂肪を連想させること からの命名という)に近い。

2002/04/16現在稼働中のパイプは二本。一本は最初に稼働を始めた「パンダ」、他方は昨年末より稼働を始めた「ミザリー」。ミザリー[Misery]は「不幸」の意があり少々不適当な名称とも思えるが、[Misery pipe]とするとラッパを意味するので、それが語源と思える。現在の計画では、他に「コアラ」、「フォックス」、「セーブル(クロテン)」と名付けられた3本のパイプで採掘が予定されている。全てオープンピット(露天掘り)で採鉱されるが、単位鉱石当たりの価値が高い「パンダ」及び「コアラ」はオープンピット後には地下採鉱を行う計画だ。

ミザリーからはいくつかのファンシーイエローの原石(19ctsの結晶を含む)も発見されている。また同パイプの単位鉱石当たりのダイアモンド含有率はパンダ、コアラより高いものの、価格ベースでは両パイプに劣る。

それ以外にも現在5本のパイプでサンプリングが実施され、採算性の調査が進行中であるのに加え、他にも有望と見られるパイプが発見されている。

鉱山寿命は当初17年と予測されたが、上記のように継続的に進む新たなパイプの稼働が見込まれる為、現在では20−25年以上とされる。

パンダより採掘された総量は、2001年1月時点で350万キャラットを越え、平均約170ドル/ctで販売された。

採掘された原石の35%は契約に基づきデ・ビアスに売却され、また10%は同準州内のカッター用に確保されている。それ以外はアントワープにあるBHPビリトンのオフィスで約1,000種に分類された上で販売される。

  • エカティ鉱山産出量推移
2001年 1月− 3月 735,000 cts
2001年 4月− 6月 837,000 cts
2001年 7月− 9月 959,000 cts
2001年10月−12月 1,160,000 cts*
*ミザリーからの産出は12月分より加えられている。
資料提供BHPビリトン
 
2003年7月−2004年8月 550万キャラット

>> ダイアモンド
>> ダイアヴィック / ダイアビック鉱山

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Last modified on 2004/08/02


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