問1 | 区分所有法(規約) | ||||||
問2 | 区分所有法(管理者) | 問8 | 区分所有法(管理組合法人) | 問14 | 民法(相殺) | 問20 | 都市計画法(地域地区) |
問3 | 区分所有法(管理者) | 問9 | 区分所有法(罰則) | 問15 | 民法(賃貸借) | 問21 | 建築基準法(共同住宅) |
問4 | 区分所有法(敷地権) | 問10 | 建替え(団地) | 問16 | 民法(準委託) | 問22 | 水道法(簡易水道) |
問5 | 区分所有法(義務違反) | 問11 | 被災区分所有法(全部滅失) | 問17 | 民法(遺言) | 問23 | 消防法(防火管理者) |
問6 | 区分所有法(共用-登記) | 問12 | 民法(制限行為能力) | 問18 | 不動産登記法 | 問24 | 共同住宅防犯指針(照明) |
問7 | 区分所有法(集会-電磁的方法) | 問13 | 民法(抵当権) | 問19 | 建替え等円滑化法 | 問25 | 標準管理規約(管理費等) |
1 規約の設定、変更又は廃止については、集会を招集してその集会の決議によってこれを設定、変更又は廃止をする以外の方法は認められていない。
2 規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、当該区分所有者は、規約の設定、変更又は廃止の決議に賛成した区分所有者に対し、自己の区分所有権等を時価で買い取るべきことを請求することができる。
3 一部共用部分の管理は、区分所有者全員の利害に関係するもの以外は、これを共用すべき区分所有者のみで行う。
4 規約は、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人が保管しなければならないが、保管する者の選任は、集会の決議によるほか規約で定めることもできる。
≪解説≫
・選択肢1:区分所有法第31条第1項に「規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によってする」と規定されており設問の前半の記述は正しいが、後半の「集会を招集してその集会の決議によってこれを設定、変更又は廃止をする以外の方法は認められていない」との記述は正しくない。なぜならば、同法第45条第1項に「この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる」と規定されており、決議をする場合は必ずしも集会を招集する必要はないので設問は正しくない。なお、決議事項についての制限はないので,特別決議,普通決議のどちらもできる
・選択肢2:区分所有法第31条第1項後段に「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない」と規定されいるが、設問の「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、当該区分所有者は、規約の設定、変更又は廃止の決議に賛成した区分所有者に対し、自己の区分所有権等を時価で買い取るべきことを請求することができる」とまでは規定されていなので設問は正しくない。設問に記載されている事項は適切なので当肢は正しいと早合点することなく規約に関する事項も思い浮かべること
・選択肢3:区分所有法第16条第1項に「一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するもの又は第三十一条第二項の規約に定めがあるものは区分所有者全員で、その他のものはこれを共用すべき区分所有者のみで行う」と規定されており設問は正しくない。つまり、区分所有者全員の利害に関係がないもの(設問では「区分所有者全員の利害に関係するもの以外」とある)は「一部区分所有者だけで管理する」か「全員の規約に定めがある場合は全員で管理する」ことを意味しており、後段の「全員の規約に定めがある場合は全員で管理する」ことが漏れている。この条文の解釈は下表で確認するとよい。
|
全員の規約に定めあり |
全員の規約に定めなし |
区分所有者全員 |
全員で管理する |
全員で管理する |
区分所有者全員 |
全員で管理する |
一部区分所有者だけで管理する |
・選択肢4:区分所有法第33条第1項に「規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない」と規定ており設問は規定通りであり
≪答え≫ 4
1 集会の決議がなくとも、各区分所有者は、管理者の選任を裁判所に請求することができる。
2 管理者は、集会において、毎年1回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならないが、規約の定めにより書面の送付をもって報告に代えることができる。
3 管理者は、集会の決議により原告又は被告となったときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。
4 管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
≪解説≫
・選択肢1:区分所有法第25条第1項に「区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を選任し、又は解任することができる」と規定されており、さらに同条第2項に「管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる」と規定されており、設問の「各区分所有者は、管理者の選任を裁判所に請求することができる」とは規定されておらず設問は正しくない
・選択肢2:区分所有法第43条に「管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない」と規定されており、「別に規約に定めることはできる」と定められていないので設問は正しくない
・選択肢3:区分所有法第26条第4項に「管理者は、前項の規約により原告又は被告となったときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない」と規定されており、設問にある「集会の決議により原告又は被告となったときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない
・選択肢4:区分所有法第27条第1項に「管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる」と規定されており、設問は規定通りであり当設問は正しい。「共用部分を所有する」とは「管理所有」
≪答え≫ 4
1 駐車場の使用が管理組合と専用使用権者との間の駐車場使用契約という形式を利用して行われている場合には、管理組合は、専用使用権者の承諾を得ずに規約又は集会の決議をもって、使用料を増額することはできない。
2 区分所有法第31条に規定されている特別の影響を及ぼすべきときに当たるのは、規約の設定、変更等の必要性及び合理性とこれによって一部の区分所有者が受ける不利益とを比較衡量し、区分所有関係の実態に照らして、その不利益が区分所有者の受忍すべき限度を超える場合である。
3 使用料の増額について、増額の必要性及び合理性が認められ、かつ、増額された使用料が区分所有関係において社会通念上相当な額であると認められる場合であっても、使用料の増額に関する規約の設定、変更等は専用使用権者の権利に特別の影響を及ぼすものとなるため、区分所有法第31条の規定により専用使用権者の承諾が必要となる。
4 専用使用権者が訴訟において使用料増額の効力を裁判で争っている場合であっても、裁判所の判断を待つことなく、専用使用権者が増額された使用料の支払に応じないことを理由に駐車場使用契約を解除し、その専用使用権を失わせることができる。
≪解説≫
・選択肢1:最高裁判例(平成10年10月30日)によれば「規約の設定、変更は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならないと定めているが、これを使用料の増額についていえば、使用料の増額は一般的に専用使用権に不利益を及ぼすものであるが、増額の必要性及び合理性が認められ、かつ、増額された使用料が当該区分所有関係において社会通念上相当な額であると認められる場合には、専用使用権者は使用料の増額を受忍すべきであり、使用料の増額に関する規約の設定、変更等は専用使用権者の権利に特別の影響を及ぼすものではないというべきである」とある。設問にある「管理組合は、専用使用権者の承諾を得ずに規約又は集会の決議をもって、使用料を増額することはできない」とは言えないので設問は正しくない
・選択肢2:最高裁判例(平成10年10月30日)によれば「建物の区分所有等に関する法律三一条一項後段にいう「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきとき」とは、規約の設定、変更等の必要性及び合理性とこれによって一部の区分所有者が受ける不利益とを比較衡量し、当該区分所有関係の実態に照らして、その不利益が右区分所有者の受忍すべき限度を超えると認められる場合をいう」とあり、設問は正しい
・選択肢3:最高裁判例(平成10年10月30日)によれば「区分所有者が専用使用権を有するマンション駐車場の使用料を増額する規約の設定、変更等は、増額の必要性及び合理性が認められ、かつ、増額された使用料が当該区分所有関係において社会通念上相当な額であると認められる場合には、専用使用権者の権利に建物の区分所有等に関する法律三一条一項後段にいう「特別の影響」を及ぼすものではない」とあり設問は正しくない
・選択肢4:最高裁判例(平成10年10月30日)によれば「マンション駐車場の専用使用権を有する区分所有者が、使用料を増額する集会決議の効力を争い、管理組合の主張する増額使用料の支払義務の不存在確認を求める訴訟を提起し、既に三回の口頭弁論期日が開かれていたにもかかわらず、管理組合が、専用使用権者に対して増額使用料を支払うように催告し、その支払に応じないことを理由として駐車場使用契約を解除する旨の意思表示をしたことなど、判示の事情の下においては、管理組合による右駐車場使用契約の解除は効力を生じない」とあり設問は正しくない
≪答え≫
〔
ア 建物の敷地には、建物が所在する土地のほか、それと一体として管理又は使用する土地で規約により建物の敷地とされたものも含まれる。
イ 専有部分は、規約により共用部分とすることができるが、附属の建物については、規約により共用部分とすることはできない。
ウ 専有部分は、区分所有権の目的たる建物の部分であり、その用途は、住居、店舗、事務所又は倉庫に供することができるものに限られる。
エ 専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利である敷地利用権には、所有権だけでなく賃借権や地上権も含まれる。
1 アとイ
2 イとウ
3 ウとエ
4 エとア
≪解説≫
・ア:区分所有法第2条第5項に「この法律において「建物の敷地」とは、建物が所在する土地及び第五条第一項の規定により建物の敷地(規約共用部分)とされた土地をいう」と規定ておりアに記載されている事項は正しい
・イ:区分所有法第4条第32項に「第一条に規定する建物の部分(専用部分)及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができる」と規定ておりイに記載されている事項は正しくない
・ウ:区分所有法第1条に「一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分(専用部分)は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる」と規定ておりウに記載されている事項は正しくない。専用部分は、住居、店舗、事務所又は倉庫に限定されない
・エ:区分所有法附則第7条に「法務大臣は、区分所有者が数人で有する所有権、地上権又は賃借権に基づき建物及びその建物が所在する土地と一体として管理又は使用をしている土地があるときは、その土地の表示を併せて告示しなければならならない」と規定されており、間接的ではあるが敷地利用権には、所有権だけでなく賃借権や地上権も含まれることが規定されているのでエに記載されている事項は正しい。なお、敷地利用権には使用貸借権も含まれる
したがって、正しいものの組合せは、4(エとア)である
≪答え≫
〔
1 未納の管理費等に係る債権は、区分所有法第7条に規定する先取特権の実行としての担保不動産競売を申し立てることにより、他の一般債権者に優先して弁済を受けることができる。
2 区分所有法第7条に規定する先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができるが、登記をした第三者に対しては、この限りでない。
3 管理者は、区分所有法第59条の規定による区分所有権及び敷地利用権の競売について、規約又は集会の決議により、訴えをもって請求することができる。
4 区分所有法第59条の規定による競売請求の判決に基づく競売の申立ては、その判決が確定した日から6ヵ月以内に行わなければならない。
≪解説≫
・選択肢1:民法第329条第2項に「一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する」と規定されており、設問の「先取特権の実行としての担保不動産競売を申し立てることにより、他の一般債権者に優先して弁済を受けることができる」は正しい
・選択肢2:民法第336条に「一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない」と規定されている。ここで区分所有法7条の先取特権は、優先権の順位及び効力については共益費用の先取特権とみなされるが共益費用の先取特権は「一般の先取特権」として民法第336条が適用されるので設問は正しい
・選択肢3:区分所有法第59条第1項に「集会の決議に基づき、訴えをもって、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる」と規定されており、規約に基づき、訴えられるとは規定されていないので設問は誤っている
・選択肢4:区分所有法第59条第3項に「判決に基づく競売の申立ては、その判決が確定した日から六月を経過したときは、することができない」と規定されているので設問は正しい
≪答え≫ 3
〔
1 マンションの登記簿において、一つの登記記録に建物の専有部分と敷地権とが共に登記されることはない。
2 マンションの登記簿の表題部(専有部分の建物の表示)の登記記録において、専有部分は登記されるが、法定共用部分は登記事項ではないので、登記されることはない。
3 専有部分を規約により共用部分とした場合に、その旨の登記をしなければ、これをもって第三者に対抗することはできない。
4 管理組合法人が成立するためには、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、登記をすることが必要である。
≪解説≫
・選択肢1:不動産登記法により敷地権である旨の登記をした土地の登記記録は、建物の登記記録と一体化されており、専有部分と敷地権とが共に登記されているので設問は誤っている
・選択肢2:不動産登記法により法定共用部分は登記事項ではないので、登記されることはないので設問は正しい
・選択肢3:区分所有法第4条第2項に「建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができる。この場合には、その旨の登記をしなければ、これをもって第三者に対抗することができない」と規定されており設問は正しい
・選択肢4:区分所有法第47条第1項に「第三条に規定する団体は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることによって法人となる」と規定されており設問は正しい
≪答え≫ 1
1 区分所有法又は規約により集会において決議をすべき場合において、電磁的方法による決議をするためには、区分所有者の4分の3以上の承諾がなければならない。
2 集会を招集すべき者は、電磁的方法による決議を行うときには、回答の期限とされている日よりも少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に通知を発しなければならない。
3 区分所有法又は規約により集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者全員の電磁的方法による合意があったときは、電磁的方法による決議があったものとみなされる。
4 区分所有法又は規約により集会において決議すべきものとされた事項についての電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有する。
≪解説≫
・選択肢1:肢1に記載されている事項は区分所有者法に規定されていないので設問は誤っている。関連する事項として区分所有法第45条第1項に「この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる」との規定がある
・選択肢2:区分所有法第45条第5項に「集会に関する規定は、書面又は電磁的方法による決議について準用する」と規定されており設問は正しい
・選択肢3:区分所有法第45条第2項に「この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があったときは、書面又は電磁的方法による決議があったものとみなす」と規定されており設問は正しい
・選択肢4:区分所有法第45条第3項に「この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項についての書面又は電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有する」と規定されており当設問は正しい
≪答え≫ 1
〔問8〕管理組合法人の理事及び監事に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 管理組合が主たる事務所の所在地において登記をすることによって管理組合法人となる場合において、管理組合法人の監事については登記はなされない。
2 代表権のある理事が管理組合法人所有の土地の一部を購入しようとする場合、当該理事は、他の理事全員の承諾を得た上で管理組合法人の代表者として当該売買契約を締結しなければならない。
3 複数の理事がいる管理組合法人において、理事全員が共同して管理組合法人を代表する旨が規約によって定められている場合、そのうちの理事一人と管理組合法人との間で利益相反事項が生じるときには、当該利益相反事項と関わりのない他の理事が管理組合法人を代表することができる。
4 理事が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときには裁判所によって仮理事が選任されるが、監事が欠けた場合には、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときであっても裁判所による仮監事の選任はなされない。
≪解説≫
・選択肢1:区分所有法第50条に「管理組合法人には、監事を置かなければならない」と規定されているが、監事については登記をしなければならないとは規定されておらず設問は正しい。なお、
・選択肢2:区分所有法第51条により「管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が管理組合法人を代表する」と規定されており設問は正しくない。他の理事全員の承諾を得たとしても、管理組合法人の代表者として当該売買契約を締結してはならない
・選択肢3:区分所有法第51条に「管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が管理組合法人を代表する」と規定されており設問は正しくない。なお、設問では共同代表制度が採用されている場合であり、この場合はは連名でないと代表権の行使ができない。従って、理事一人が管理組合法人との間で利益相反事項が生じるときには、当該利益相反事項と関わりのない他の理事が管理組合法人を代表することができず監事が管理組合を代表することになる
・選択肢4:区分所有法第49条の四に「理事が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、仮理事を選任しなければならない」と規定されており当肢前半は正しいが、後段は区分所有法第50条の四に「前条(第49条)の規定は、監事に準用する」と規定されており正しくない。従って、全体として設問は正しくない
≪答え≫ 1
〔
ア 規約を保管する者は、正当な理由がある場合を除き、利害関係人から請求のあった当該規約の閲覧を拒んではならない。
イ 集会の議事録の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。
ウ 管理者が集会の議事録の保管をしなかったときは、20万円以下の過料に処せられる。
エ 管理組合法人は、居住者名簿を備え置き、居住者の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
≪解説≫
・ア:区分所有法第33条第2項に「規約を保管する者は、利害関係人の請求があったときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧を拒んではならない」と規定されておりアに記載されている事項は正しい
・イ:区分所有法第42条第5項に「第三十三条(規約の保管及び閲覧)の規定は、議事録について準用する」と規定されておりイに記載されている事項は正しい。区分所有法第33条第2項に「規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない」と規定されている
・ウ:区分所有法第条71第1項に「管理者等が規約、議事録等の書面若しくは電磁的記録の保管をしなかったときは二十万円以下の過料に処する」と規定されておりウに記載されている事項は正しい
・エ:区分所有法第48条の二第2項に「管理組合法人は、区分所有者名簿を備え置き、区分所有者の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない」と規定されていおり、備え置くものは居住者名簿でないので正しくない
≪答え≫ 3
肢エで「居住者名簿」との記載があるので誤りであることはすぐ気づく筈でであり、区分所有法を読み込んでいれば肢ア及び肢イは正しいこともわかるが肢ウの30万円た正しいか迷うところである。理事や管理者に対する罰則はいずれも20万円であることを覚えておく。ただし、「管理者が区分所有者の会計帳簿の閲覧請求を正当な理由なく拒んだとき」及び「管理組合法人の監事が管理組合法人と理事との利益が相反する事項について、管理組合法人を代表しなかったとき」は罰則はないので留意する事。いずれにしても「正しいものはいくつあるか」との設問は急がずに慎重に判断する事
〔
1 団地管理組合は、団地管理組合の集会において、共有持分の4分の3以上を有するものが承認し、かつ、Aの同意があれば、甲棟を管理するための団地規約を定める決議をすることができる。
2 Bが乙棟を取り壊し、かつ、従前の乙棟の所在地に新たに建物を建築しようとする場合には、団地管理組合の集会において議決権の4分の3以上の多数による承認の決議を得なければならない。
3 団地管理組合が規約を定めて丙棟の管理を行っている場合に、地震によって丙棟の建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失したときに、その滅失した共用部分を復旧しようとするときは、団地管理組合の集会において、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をする必要がある。
4 団地管理組合は、団地管理組合の集会において、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で、団地内建物のすべてにつき一括して、その全部を取り壊し、かつ、同一敷地上に新たに建物を建築する旨の決議をすることができる。
≪解説≫
・選択肢1:区分所有法第65条に「一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又は附属施設がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)の共有に属する場合には、それらの所有者は、全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる」とあり、専用部分のない戸建ての建物は団地規約の対象外となるので設問は正しくない。常識的に考えても団地規約の個々の戸建て建物の管理までをすることはない。
・選択肢2:一団地内にある数棟の建物の全部又は一部が専有部分のある建物であり、かつ、その団地内の特定の建物(特定建物)の所在する土地が団地建物所有者の共有に属する場合においては、団地管理組合の集会において議決権の4分の3以上の多数による承認の決議(建替え承認決議)を得たときは、当該特定建物の団地建物所有者は、当該特定建物を取り壊し、かつ、当該土地又はこれと一体として管理若しくは使用をする団地内の土地に新たに建物を建築することができる」と区分所有法第69条に規定されており設問は正しい
・選択肢3:団地全体に及ぼす必要のないものや設問にある「建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失したときにその滅失した共用部分を復旧しようとするとき」など、一棟ごとに処理すべきものは団地管理組合の集会において決議の必要がないので設問は正しくない。区分所有法第66条で団地の管理については通常の区分所有関係における規定を原則として準用することが規定されているが、敷地利用権、管理所有、義務違反者に対する措置、復旧・建替えなどは準用されていないので注意のこと
・選択肢4:団地内の一括建替え決議に関しては、区分所有法第70条第1項「団地内建物の全部が専有部分のある建物であり、当該団地内建物の区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、当該団地内建物につき一括して、その全部を取り壊し、かつ、当該団地内建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該団地内建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議をすることができる」と規定されており、設問の団地には戸建て建物が含まれているので設問は正しくない。
≪答え≫
1 敷地共有者等の集会を開くに際し、敷地共有者等に管理者がない場合の集会の招集権者は、議決権の5分の1以上を有する敷地共有者等であって、この定数を規約で減ずることはできない。
2 敷地共有者等の集会を招集するに当たり、敷地共有者等の所在を知ることができないときは、集会の招集の通知を、滅失した区分所有建物に係る建物の敷地内の見やすい場所に掲示してすることができるが、敷地共有者等の所在を知らないことについて過失があったときは、到達の効力を生じない。
3 区分所有建物の全部が滅失した後に敷地共有者等が敷地共有持分等を譲渡した場合であっても、滅失の当時にその敷地共有持分等を有していた者は敷地共有者等の集会における議決権を有する。
4 集会における再建決議によって建築する建物は、滅失した区分所有建物に係る建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地上に建築しなければならない。
≪解説≫
・選択肢1:設問の敷地共有者等に管理者がない場合の集会の招集権者については被災区分所有法第2条規定されているが、区分所有法第34条第5項が準用されており「管理者がないときは、議決権の五分の一以上を有する敷地共有者等は、集会を招集することができる」と規定されているが、同項後段の「ただし、この定数は、規約で減ずることができる」は準用されていないので設問は正しい。この条文は区分所有法の団地準用と同様、大変難解な規定となっているが常識的判断をする必要がある
・選択肢2:被災区分所有法第2条第2項に「敷地共有者等集会を招集する者が敷地共有者等の所在を知ることができないときは、同条第一項の通知は、滅失した区分所有建物に係る建物の敷地内の見やすい場所に掲示してすることができる」と規定さており設問の前段は正しいが、同条第3項に「敷地共有者等集会を招集する者が当該敷地共有者等の所在を知らないことについて過失があったときは、到達の効力を生じない」と規定されており後段は誤っている。従って、設問は正しい
・選択肢3:再建決議は決議時の敷地共有者等によって行われるので、決議前に第三者が敷地共有持分を譲り受けた場合には譲受人が決議に参加するので設問は誤っている。これは当然のことである
・選択肢4:被災区分所有法第4条第1項に「敷地共有者等集会においては滅失した区分所有建物に係る建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に建物を建築する旨の決議をすることができる」と規定さており設問は正しい
≪答え≫ 3
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法に関しては昨年に続いての出題である。最近は水害や地震などの大規模災害が多いので今時の問題である。このこの法律も全部で19条しかないので全文を目を通しておくこと。
1 本件請負契約を締結した時にAに意思能力がなかった場合には、Aは、意思能力を欠いていたことを理由として、本件請負契約の無効を主張することができる。
2 本件請負契約を締結した時に、Aについて後見開始の審判はなされていなかったが、Aが精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあった場合には、Aは、行為能力の制限を理由として、本件請負契約を取り消すことができる。
3 Bが、実際にはリフォームをする必要がないにもかかわらず、リフォームをしないと健康を害するとAをだまし、これによりAがリフォームをする必要があると誤信して本件請負契約を締結していた場合には、Aは、Bの詐欺を理由として、本件請負契約を取り消すことができる
4 本件請負契約を締結する際に、Bが、Aの窮迫・軽率・無経験を利用して、相場よりも著しく高額な報酬の支払をAに約束させていた場合には、Aは、公序良俗に違反することを理由として、本件請負契約の無効を主張することができる。
≪解説≫
・選択肢1:2020年4月1日施行の改正民法(以降民法という)の第3条の2に「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする」と規定されているので設問は正しい。設問には「請負契約を締結した時にAに意思能力がなかった」とある
・選択肢2::民法第7条に「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる」と規定されている。法律行為をしたときに後見開始の審判はなされていなければ、民法7条で定める行為能力の制限を理由として本件請負契約を取り消すことができないので設問は正しくない
・選択肢3:民法第96条1項2項に「詐欺による意思表示は、取り消すことができる」と規定されており設問は正しくない。設問には「リフォームをする必要がないにもかかわらず、リフォームをしないと健康を害するとAをだまし、これによりAがリフォームをする必要があると誤信して本件請負契約を締結していた場合」とある
・選択肢4:民法第90条に「公の秩序又は善良の風俗に反する内容の法律行為は無効であると定める」と規定されており設問は正しい。設問には
≪答え≫
〔
1 Aは、BのC銀行に対する債務について、Bの意思に反してもC銀行に対して、第三者としての弁済をすることができる。
2 C銀行の抵当権の効力は、Aが有する共用部分の共有持分には及ばない。
3 C銀行の抵当権の実行により、Aが103 号室の所有権を失った場合には、AはBに対して求償することはできない。
4 Aが103号室を売却するときは、C銀行の承諾を得なければならない。
≪解説≫
・選択肢1:民法第474条第2項に「利害関係を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない」と規定されているが、最高裁判例(昭和39.4.21)によれば「利害関係を有する第三者とは、弁済をすることに法律上の利害関係を有する者を意味する」とされている。ここで、利害関係を有する第三者には当設問にある物上保証人が含まれており設問は正しい
・選択肢2:区分所有法第15条第2項に「共有者は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分と分離して持分を処分することができない」と規定されており、C銀行の抵当権の効力(処分に相当)は、Aが有する共用部分の共有持分に及ぶので当肢は設問は正しくない
・選択肢3:民法第351条に「他人の債務を担保するために質権を設定した者は、その債務を弁済し、又は質権の実行によって質物の所有権を失ったときは、保証債務に関する規定に従い、債務者に対して求償権を有する」と規定されており設問は正しくない 。なお、民法第351条の規定は抵当権について準用されている
・選択肢4:抵当権には随伴性があり、抵当権付き不動産を売却するときは抵当権者の承諾は必要としないので設問は正しくない
≪答え≫ 1
1 Bは101号室の敷金として20万円をAに差し入れているが、Bは、Aに対し、当該敷金返還請求権20万円のうち10万円と5月分の賃料10 万円とを相殺することはできない。
2 Bが101号室の故障したガス給湯設備の修繕費用として適切である10 万円を支出し、AB間に費用負担の特約がないときは、Bは、Aに対し、当該費用の償還請求権10 万円と5月分の賃料10 万円とを相殺することができる。
3 BがAに対し弁済期が到来した50 万円の貸金債権を有しているとき、Bは、Aに対し、当該貸金債権と101号室の5月分の賃料10 万円及びいまだ支払期限の到来していない6月から9月までの賃料40 万円とを相殺することができる。
4 AがBに対して不法行為を行った結果、BがAに対する損害賠償債権30万円を有しているとき、Bは、Aに対し、損害賠償債権30万円のうち10 万円と101号室の5月分の賃料10 万円とを相殺することはできない。
≪解説≫
・選択肢1:民法622条の2第1項2号に「賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない」と規定されており、滞納賃料など賃貸借契約終了前に賃借人について債務が生じた場合には賃貸人が預かっている敷金をもって充当することができることが、その充当を賃借人側から請求できないので設問は正しい
・選択肢2:民法505条第1項に「賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる」と規定されており、また、民法505条第1項に「二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる」と規定されている。設問にある原状回復費用は賃借人から賃貸人へ請求することができ賃貸人は賃料と相殺できるので当肢は設問は正しい
・選択肢3:民法505条第1項に「二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる」と規定されている。相殺をするには自働債権は弁済期にあることが必要であるが、受働債権は弁済期にある必要はなく設問ではBが有する貸金債権を自働債権とする相殺であるから貸金債権は弁済期にある必要があるが、受働債権である賃料債権は弁済期にある必要はないのでBの相殺は許されるので設問は正しい
・選択肢4:民法第509条に「悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない」と規定されているので設問は正しくない。悪意による不法行為により生じた債権を受働債権として相殺することは禁止されているが、自働債権として相殺することは許される。したがって、Bは、Aに対し、損害賠償債権を自働債権として相殺することができる。
≪答え≫ 4
民法(債権法)の改正法案が成立し2020年4月に施行されることになった。肢1及び肢2は改正民法に盛り込まれる
1 AB間の契約で賃貸期間を2年と定め、A又はBが、相手方に対し、期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に更新拒絶の通知をしなかったときは、従前と同一の賃貸期間とする契約として更新される。
2 AB間の契約で賃貸期間を10ヵ月と定めたときは、Aに借地借家法の定める正当の事由があると認められる場合には、Aは期間満了の前でもBに解約の申入れをすることができる。
3 AB
間の契約で賃貸期間を30 年と定めても、賃貸期間は20 年とされる。
4 AB
間の契約で賃貸期間を定めなかったときは、Aに借地借家法の定める正当の事由があると認められる場合には、Aの解約の申入れにより、解約の申入れの日から3ヵ月を経過した日に、契約は終了する。
≪解説≫
・選択肢1:借地借家法第条26第1項に「建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする」と規定されており設問は正しくない
・選択肢2:設問の場合は民法と借地借家法の規定により下記のように判断されるので設問は正しい。
*借地借家法第条29第1項に「契約期間が1年未満である場合には期間の定めがない建物の賃貸借とみなされる」と規定されている
*民法第617条第1項に「期間の定めのない借家契約の場合には、いつでもどちらからでも解約を申し入れることができる」と規定されている
*借地借家法第28条に「賃貸人からの解約申入れについては、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない」と規定されている
従って、賃貸期間を10ヵ月と定めたとしても正当事由があれば期間満了の前でも賃貸人は解約の申入れをすることができる
・選択肢3:民法第604第1項に「賃貸借の存続期間は、五十年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、五十年とする」と規定されているが、借地借家法第29第2項に「民法第六百四条の規定は、建物の賃貸借については、適用しない」と規定されており、借家の場合は借地借家法が適用されるので設問は正しくない
・選択肢4::借地借家法第条27第1項に「建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了する」と規定されておりであり設問は正しくない。なお、同法第28条に「解約は正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない」と規定されている
≪答え≫
1 Bが報酬の特約をして管理を受託したときは、Bは301号室を自己のためにすると同一の注意をもって管理すれば足りる。
2 Bが報酬の特約をして管理を受託したときは、委託事務を処理するための費用の前払を請求することはできない。
3 Bは、Aに不利な時期であってもAB間の委託契約を解除することができ、やむを得ない事由があればAに損害が生じたときでもAの損害を賠償する義務は生じない。
4 Aが後見開始の審判を受けたときは、AB 間の委託契約は終了する。
≪解説≫
・選択肢1:民法第644条に「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」と規定されており、設問にあるような規定はなく設問は正しくない。なお、民法第656条に「第十節(委任)の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する」と規定されている。以下各肢とも同様
・選択肢2:民法649第条に「委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない」と規定されており設問は正しくない。報酬の特約をして管理を受託したときも同様である
・選択肢3:民法第651条第2項に「当事者の一方が相手方に不利な時期に委任の解除をしたときは、その当事者の一方は、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない」と規定されており設問は正しい
・選択肢4:民法第653条第3項に「受任者が後見開始の審判を受けた場合は委任は終了する」と規定されており、Aが後見開始の審判を受けた場合は委託契約は終了しないので設問は正しくない
≪答え≫ 3
1 本件遺言が公正証書によってなされた場合には、本件遺言を撤回することはできない。
2 Aが本件遺言をした後に、「305 号室を息子Cに遺贈する。」という内容の遺言をした場合には、本件遺言を撤回したものとみなされる。
3 本件遺言が自筆証書によってなされた場合において、Aが本件遺言をした後に、文面全面に斜線を引く等故意にその遺言書の文面全体を破棄する行為をしたときは、本件遺言を撤回したものとみなされる。
4 Aが本件遺言をした後に、305号室を友人Dに贈与した場合には、本件遺言を撤回したものとみなされる。
≪解説≫
・選択肢2:民法第1023条第1項に「前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす」と規定されており設問は正しい。なお、民法改正で遺言で財産目録(パソコン作成、通帳のコピーの添付)を添付(財産目録には署名押印をする)することができるようになった
・選択肢3:民法第1024条に「遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす」と規定されており設問は正しい
・選択肢4:民法第1023条第2項に「前項の規定(遺言の撤回)は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する」と規定されており設問は正しい
≪答え≫ 1
1 区分建物の表題部所有者の持分についての変更は、表題部所有者が、当該区分建物について所有権の保存の登記をすることなく、その変更の登記を申請することができる。
2 区分建物の敷地権の更正の登記は、所有権の登記名義人について相続があったときは、相続人は、相続による所有権移転の登記をした後でなければ、その登記の申請をすることができない。
3 区分建物の所有者と当該区分建物の表題部所有者とが異なる場合に行う当該表題部所有者についての更正の登記は、当該表題部所有者以外の者は、申請することができない。
4 区分建物の表題部所有者の氏名又は住所の変更の登記は、表題部所有者について一般承継があったときは、その一般承継人は、その登記の申請をすることができる。
≪解説≫
・選択肢1:不動産登記法第32条に「表題部所有者又はその持分についての変更は、当該不動産について所有権の保存の登記をした後において、その所有権の移転の登記の手続をするのでなければ、登記することができない」と規定されており設問は正しくない
・選択肢2:不動産登記法第33条に「表題部所有者又は所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる」と規定されており設問は正しくない。設問にある「相続人は、相続による所有権移転の登記をした後でなければ、その登記の申請をすることができない」との条件は付けられていない
・選択肢3:不動産登記法第33条第1項に「不動産の所有者と当該不動産の表題部所有者とが異なる場合においてする当該表題部所有者についての更正の登記は、当該不動産の所有者以外の者は、申請することができない」と規定されており設問は正しくない
・選択肢4:不動産登記法第30条に「表題部所有者又は所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる」と規定されており設問は正しい
≪答え≫ 4
1 マンション敷地売却決議においては、売却による代金の見込額を定めなければならない。
2 組合は、分配金取得計画の認可を受けたときは、遅滞なくその旨を公告し、及び関係権利者に関係事項を書面で通知しなければならない。
3 分配金取得計画に定める権利消滅期日以後においては、売却マンション及びその敷地に関しては、売却マンション及びその敷地に関する権利について、組合の申請により必要な登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない。
4 総会の議決により組合を解散する場合の当該議決については、分配金取得計画に定める権利消滅期日後に限り行うことができる。
≪解説≫
・選択肢2:マンション建替え等円滑化法第147条に「組合は、分配金取得計画若しくはその変更の認可を受けたとき、又は分配金取得計画について第百四十五条の国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、及び関係権利者に関係事項を書面で通知しなければならない」と規定されており設問は正しい
・選択肢3:マンション建替え等円滑化法第150条第2項に「権利消滅期日以後においては、売却マンション及びその敷地に関しては、前項の登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない」と規定されており設問は正しい
・選択肢4:マンション建替え等円滑化法第137条第2項に「組合を解散する場合の議決は、権利消滅期日前に限り行うことができるものとする」と規定されており設問は誤っている
≪答え≫ 4
1 準住居地域は、道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域である。
2 田園住居地域は、農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域である。
3 高度地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。
4 特別用途地区は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)内において、当該地域の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため定める地区である。
≪解説≫
・選択肢1:都市計画法第9条第7項に「準住居地域は、道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域とする」と規定されており設問は正しい
・選択肢2:都市計画法第9条第8項に「田園住居地域は、農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域とする」と規定されており設問は正しい
・選択肢3:都市計画法第9条第18項に「高度地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区とする」と規定されており設問は正しい
・選択肢4:都市計画法第9条第14項に「特別用途地区は、用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める地区とする」と規定されており設問は誤っている
≪答え≫ 4
1 建築主は、防火地域及び準防火地域外にある共同住宅を増築しようとする場合で、その増築に係る部分の床面積の合計が5㎡であるときは、建築確認を受ける必要はない。
2 政令で定める技術的基準に従って換気設備を設けた場合を除き、共同住宅の居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、20分の1以上としなければならない。
3 主要構造部が準耐火構造である共同住宅の3階(避難階以外の階)については、その階における居室の床面積の合計が150㎡である場合、その階から避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならない。
4 防火地域内にある共同住宅の屋上に設ける高さ2mの看板は、その主要な部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。
≪解説≫
・選択肢1:建築基準法第6条第2項に「防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、建築確認は適用しない」と規定されており設問は正しい
・選択肢2:建築基準法第28条第2項に「居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、二十分の一以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない」と規定されており設問は正しい
・選択肢3:建築基準法施行令第121条第1項5号、2項 の規定によれば「主要構造部が準耐火構造である共同住宅ではその階における居室の床面積の合計が200㎡を超える場合、2つ以上の直通階段を設けなければならない」ので設問は誤っている。床面積の合計が150㎡である場合は2以上の直通階段を設けなくてもよい
・選択肢4:建築基準法第64条に「防火地域内にある看板、広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物で、建築物の屋上に設けるもの又は高さ三メートルをこえるものは、その主要な部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない」と規定されており設問は正しい
≪答え≫
1 簡易専用水道に係る施設及びその管理の状態に関する検査は、水槽の水を抜かずに実施する。
2 給水栓における、臭気、味、色、色度、濁度、残留塩素に関する検査は、あらかじめ給水管内に停滞していた水も含めて採水する。
3 書類の整理等に関する検査の判定基準は、簡易専用水道の設備の配置及び系統を明らかにした図面、受水槽の周囲の構造物の配置を明らかにした平面図及び水槽の掃除の記録その他の帳簿書類の適切な整理及び保存がなされていることと定められている。
4 検査者は設置者に対して、検査終了後に検査結果等を記した書類を交付するとともに、判定基準に適合しなかった事項がある場合には、当該事項について速やかに対策を講じるよう助言を行う。
≪解説≫
・選択肢2:設問記載の検査方法は厚生労働省告示第二百六十二号の別表第二「検査事項及び判定基準の備考」に「一の項から六の項に係る検査においては、あらかじめ給水管内に停滞していた水が新しい水に入れ替わるまで放流してから採水すること」と規定されており設問は間違っている
・選択肢3:設問記載の検査方法は厚生労働省告示第二百六十二号の別表第三「検査事項及び判定基準(書類の整理等に関する検査)」の判定基準に「簡易専用水道の設備の配置及び系統を明らかにした図面、受水槽の周囲の構造物の配置を明らかにした平面図及び水槽の掃除の記録その他の帳簿書類の適切な整理及び保存がなされていること」と規定されており設問は正しい
・選択肢4:設問記載の検査方法は厚生労働省告示第二百六十二号第七の一の2に「検査の結果、別表第一から別表第三までに掲げる判定基準に適合しなかった事項がある場合には、設置者に対し、当該事項について速やかに対策を講じるよう助言を行うこと」と規定されており設問は正しい
≪答え≫ 2
簡易専用水道の設置者が検査の方法は水道法第三四条の二第二項及び「簡易専用水道の管理に係る検査の方法その他必要な事項(厚生労働省告示第二百六十二号)」に規定されている
1 消防用設備等について定期に点検を行い、その結果を消防長又は消防署長に報告すること。
2 防火対象物についての消防計画を作成すること。
3 消火、通報及び避難の訓練を実施すること。
4 避難又は防火上必要な構造及び設備について維持管理を行うこと。
≪解説≫
消防法第8条に「防火対象物で政令で定めるものの管理について権原を有する者は、政令で定める資格を有する者のうちから防火管理者を定め、当該防火対象物について消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行なわせなければならない」と規定されており、肢1、肢2、肢3及び肢4に関して規定されている。ただし、肢1に関して点検結果を消防長又は消防署長に報告することまでは規定されていないので選択肢1
≪答え≫ 1
これも細かいところを突いてきている。さらっと見るとすべて正しいと読み取れる。消去法によるしかない
A 共用玄関内側の床面及び共用メールコーナーの床面
B 共用玄関以外の共用出入口床面
C 駐車場の床面及び自転車置場・オートバイ置場の床面
1 Aは概ね50ルクス以上、Bは概ね10 ルクス以上、Cは概ね3ルクス以上
2 Aは概ね40ルクス以上、Bは概ね20 ルクス以上、Cは概ね10 ルクス以上
3 Aは概ね50ルクス以上、Bは概ね20 ルクス以上、Cは概ね3ルクス以上
4 Aは概ね40ルクス以上、Bは概ね10 ルクス以上、Cは概ね3ルクス以上
≪解説≫
設問にある「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」の「第3 新築住宅建設に係る設計指針-2 共用部分の設計」に下記のように規定されている
A 共用玄関内側の床面及び共用メールコーナーの床面⇒「極端な明暗が生じないよう配慮しつつ概ね50ルクス以上の平均水平面照度をそれぞれ確保する」
B 共用玄関以外の共用出入口床面⇒「共用玄関以外の共用出入口の照明設備は、床面において概ね20ルクス以上の平均水平面照度を確保する」
C 駐車場の床面及び自転車置場・オートバイ置場の床面⇒「駐車場の照明設備は、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、床面において概ね3ルクス以上の平均水平面照度を確保する」及び「自転車置場・オートバイ置場の照明設備は、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、床面において概ね3ルクス以上の平均水平面照度を確保する」
従って、肢3が適切である
≪答え≫ 3
1 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査費用については管理費から支出することとされているが、各マンションの実態に応じて、修繕積立金から支出する旨を規約に定めることもできる。
2 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕及び不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕については修繕積立金を充当し、敷地及び共用部分等の変更については管理費を充当する。
3 駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料は、管理組合の通常の管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる。
4 管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとし、使用頻度等は勘案しない。
≪解説≫
・選択肢1:標準管理規約第28条第1項四に「建物の建替え及びマンション敷地売却に係る合意形成に必要となる事項の調査は修繕積立金を取り崩すことができる」と規定されており設問は正しくない。設問には「管理費から支出することとされているが・・・」とある
・選択肢2:標準管理規約第28条第1項に「一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕、不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕及び敷地及び共用部分等の変更については、修繕積立金を取り崩すことができる」と規定されており設問は正しくない。設問には「敷地及び共用部分等の変更については管理費を充当する」とある
・選択肢3:標準管理規約第29条に「駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる」と規定されており設問は正しくない。設問には「管理組合の通常の管理に要する費用に充てるほか、・・・」とある
・選択肢4:標準管理規約コメント第25条関係の①に「管理費等の負担割合を定めるに当たっては、使用頻度等は勘案しない」と規定されており設問は正しい
≪答え≫