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     平成28年マンション管理士試験問題解説(2)

問26 標準管理規約(修繕)
問27 標準管理規約(暴力団排除) 問33 標準管理規約(会計ー管理費滞納) 問39 長期修繕計画 問45 設備関係
問28 標準管理規約(理事会) 問34 会計(仕訳) 問40 耐震改修 問46 適正化指針
問29 標準管理規約(修繕) 問35 会計(預金残高証明書) 問41 バリアフリー 問47 適正化法(管理士)
問30 標準管理規約(理事会) 問36 大規模修繕(劣化対策) 問42 室内環境 問48 適正化法(管理業者)
問31 標準管理規約(管理組合) 問37 大規模修繕(外壁補修) 問43 給水設備 問49 適正化法(管理業者)
問32 標準管理規約(理事会) 問38 大規模修繕 問44 排水設備 問50 適正化指針

 


  〔問25〕~〔問33〕までの9問は標準管理規約からの出題である。標準管理規約は平成28年3月に大幅改正があり、今年度の出題も改正事項からの出題が多数ある。改正された規約は国交省のホームページに掲載されているのでプリントしてコメントも含め十分読み込まれたい。ポイントは国交省住宅局マンション政策室のホームページに図入りの解説が掲載されているので参照の事。
  ・検索キーワード:マンション標準管理規約の改正の背景・ポイントについて
 


 

 問26〕 マンションの区分所有者が、自己の所有する専有部分の修繕を行う場合に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか

 

1 理事長の承認を受けて専有部分の設備交換にあわせて専有部分に属する配管(枝管)の取替え工事を行う場合において、共用部分内に係る工事については、管理組合が当該工事を実施するよう理事長に要請しなければならない。

 

 

2 共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれがない専有部分に係る修繕工事であれば、工事の実施に際し管理組合や理事長に対し特段の手続をとる必要はない。

 

 

3 専有部分の修繕工事の申請に対して、理事長が、理事会の決議に基づき承認又は不承認を決定する場合、理事の過半数の承諾があれば、書面又は電磁的方法により理事会の決議を行うことができる。

 

 

4 理事長の承認を受けて専有部分の修繕工事が実施されたが、その後に工事による影響が共用部分に生じた場合には、当該工事を発注した区分所有者は、当該影響を排除するための措置を講ずべき責任を負う必要はない。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:標準管理規約第17条第4項に「区分所有者は専用部分の修繕等の承認があったときは、承認の範囲内において、専有部分の修繕等に係る共用部分の工事を行うことができる」と規定されており、共用部分内に係る工事について管理組合が当該工事を実施するように理事長に要請する必要がないので設問は適切でない。同条 コメント③に「本条は、配管(配線)の枝管(枝線)の取付け、取替え工事に当たって、共用部分内に係る工事についても、理事長の承認を得れば、区分所有者が行うことができることも想定している

 

・選択肢2:標準管理規約第17条第7項に「区分所有者は、第1項の承認を要しない修繕等のうち、工事業者の立入り、工事の資機材の搬入、工事の騒音、振動、臭気等工事の実施中における共用部分又は他の専有部分への影響について管理組合が事前に把握する必要があるものを行おうとするときは、あらかじめ、理事長にその旨を届け出なければならない」と規定されており設問は適切でないこれは平成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

・選択肢3:標準管理規約第53条第2項に「専有部分の修繕工事申請等については、理事の過半数の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議によることができると規定されており設問は適切であるこれは平成28年3月の改正で新たに追加された事項である。同条のコメント⑥によれば「専有部分の修繕工事申請等は申請数が多いことが想定され、かつ、迅速な審査を要するものであることから書面又は電磁的方法(電子メール等)による決議を可能とするものである」が追加された理由である

 

・選択肢4:標準管理規約第17条第6項に「専用部分の修繕等の承認を受けた修繕等の工事後に、当該工事により共用部分又は他の専有部分に影響が生じた場合は、当該工事を発注した区分所有者の責任と負担により必要な措置をとらなければならない」と規定されており設問は適切でないこれは平成28年3月の改正で新たに追加された事項である。同条コメント⑪にコメントがあるので参照の事 

 

≪答え≫ 

 

   早速、平成28年3月の改正で新たに追加された事項からの出題である。今回の改正では現場で発生している具体的な問題についても反映されているので改正された規約本文、コメントを入念にチェックしておく必要がある

 

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〔問27〕 暴力団の排除について規約を定める場合、標準管理規約によれば、適切でないものは次のうちどれか。

 

1 専有部分の用途として、暴力団事務所としての使用や、暴力団員を反復して出入りさせる等の行為について禁止すること

 

2 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から2年を経過しない者は役員にはなれないとすること

 

3 賃借人が暴力団員であることが判明した場合において、区分所有者が賃貸借契約を解約しないときは、管理組合は、区分所有者に代理し、解約権を行使することができるとすること

 

4 専有部分の貸与に関し、暴力団員への貸与を禁止することに加え、暴力団関係者、準構成員等についても貸与を禁止すること

 

 

 

≪解説≫

 

・選択肢1:標準管理規約第12条「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」と規定されており、設問にある「専有部分の用途として、暴力団事務所としての使用や、暴力団員を反復して出入りさせる等の行為について禁止すること」する旨を規約に定めることは適切である。なお、同条コメントに「暴力団の排除のため、暴力団事務所としての使用や、暴力団員を反復して出入りさせる等の行為について禁止する旨の規定を追加することも考えられる」とある。このコメントこれは平成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

・選択肢2:標準管理規約第36条の2(役員の欠格事項)に「暴力団員等(暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者をいう)」と規定されており、期間は2年経過でなく5年経過なので設問は適切でない第36条の2(役員の欠格事項)は平成28年3月の改正で新たに追加された事項である。マンション管理士登録取り消しの場合の再登録が2年経過後と勘違いしない事。

 

・選択肢3:標準管理規約第19条の2に管理組合の代理解約権に関して設問のような規定があり設問は適切である第19条の2(役員の欠格事項)は平成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

・選択肢4:標準管理規約第19条の2コメント①に「規約には、必要に応じ、貸与を禁止する相手方に暴力団員だけでなく、暴力団関係者や準構成員等を追加ことも認められている」とコメントされているので設問は適切である第19条の2(暴力団員の排除)は平成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

≪答え≫ 

 

 暴力団の排除については今回の改正で追加された重要な事項である。改正された標準管理規約の本文及びコメントを読み込んでおく事

 

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〔問28〕 災害等の緊急時における管理組合又は区分所有者の対応に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか

 

1 災害等により総会の開催が困難である場合に、応急的な修繕工事の実施について理事会決議をしたときは、工事の実施に充てるため修繕積立金の取崩しについては理事会決議で行うことができるが、資金の借入れについては総会決議が必要である。

 

2 台風で住戸の窓ガラスが割れた場合には、専有部分への雨の吹き込みを防ぐため、当該専有部分の区分所有者は、理事長の承認を受けなくても、割れたものと同様の仕様の窓ガラスに張り替えることができる。

 

3 理事長は、災害等の緊急時においては、総会又は理事会の決議によらずに、敷地及び共用部分等の必要な保存行為を行うことができ、そのために必要な支出を行うこともできる。

 

4 災害等により総会の開催が困難である場合には、理事会の決議で、給水・排水、電気、ガス、通信といったライフライン等の応急的な更新を実施することができる。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:標準管理規約第54条第2項に「理事会は災害等により総会の開催が困難である場合における応急的な修繕工事の実施等を決議した場合は、当該決議に係る応急的な修繕工事の実施に充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩しについて決議することができる」と規定されており総会決議は必要とされないので設問は適切でない第54条第2項は平成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

・選択肢2:標準管理規約第21条第3項に「区分所有者は、あらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けた場合等を除き、敷地及び共用部分等の保存行為を行うことができない。ただし、専有部分の使用に支障が生じている場合に、当該専有部分を所有する区分所有者が行う保存行為の実施が、緊急を要するものであるときは、この限りでない」と記載されており設問は適切である第21条第3項は平成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

・選択肢3:標準管理規約第21条第6号に「理事長は災害等の緊急時においては総会又は理事会の決議によらずに、敷地及び共用部分等の必要な保存行為を行うことができる」規定されており、また、標準管理規約第58条第6項に「理事長は、第21条第6項の規定に基づき、敷地及び共用部分等の保存行為を行う場合には、そのために必要な支出を行うことができる」と規定されており設問は適切である第21条第6号及び第58条第6項は平成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

・選択肢4選択肢1で記載した通り標準管理規約第54条第1項第十号で「応急的な修繕工事等は理事会の決議で実施できる」と規定されており記載されており、また、同条コメント① ウ)で「例えば、給水・排水、電気、ガス、通信といったライフライン等の応急的な更新、エレベーター附属設備の更新、炭素繊維シート巻付けによる柱の応急的な耐震補強などが応急的な修繕工事」と記載されており設問は適切である第54条のコメント①は平成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

≪答え≫ 

 災害等の緊急時における対応からの出題であるがかなり細かい。常識を働かせる必要あり。ここは平成28年3月の標準管理規約の改正で新たに追加された事項である 

 

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〔問29〕 修繕積立金の取扱いに関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、総会の普通決議で行うことができるものはいくつあるか

 

ア 長期修繕計画を作成するための建物診断費用を修繕積立金の取崩しにより支出すること

 

イ 修繕積立金について、共用部分の共有持分にかかわらず、全戸一律に値上げ額を同一とすること

 

ウ 給水管の本管と専有部分に属する配管(枝管)の一斉取替費用の全額を修繕積立金の取崩しにより支出すること

 

エ 修繕積立金の一部を取崩し、現在の区分所有者の所有年数に応じて返還すること


1  一つ
2  二つ
3  三つ
4  四つ
 

 

≪解説≫

 

・選択肢ア:標準管理規約では下記の3つの規約により普通決議で行える。ここまで読み解くのは難儀であるがこのパターンを暗記しておく事 

  *修繕積立金の取崩しは第32条コメント④に「長期修繕計画の作成又は変更に要する経費及び長期修繕計画の作成等のための劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、管理組合の財産状態等に応じて管理費又は修繕積立金のどちらからでもできる」と記載されており取崩しは可能である 
*総会の決議は第48条六に「特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩しは総会の決議を経なければならない」と規定されておりこれに該当している
総会の決議は
組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する(特別決議)議事に該当しない場合は出席組合員の過半数(普通決議)で決する事ができる

 

・選択肢イ:標準管理規約第25条第2項に「管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとすると規定されているので設問のように実行するには規約を変更する必要がある。規約を変更するには標準管理規約47条3項に「組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。」と規定されているので普通決議では行えない

 

・選択肢ウ:標準管理規約第21条第2項に「専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる」と規定されているが、同条コメント⑧には「配管の清掃等に要する費用については、共用設備の保守維持費として管理費を充当することが可能であるが、配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである」とコメントされており設問のように実行するには規約を変更する必要があり。規約を変更するには標準管理規約47条3項に「組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。」と規定されているので普通決議では行えない

 

・選択肢エ:標準管理規約第60条第6項に組合員は納付した管理費等及び使用料について、その返還請求又は分割請求をすることができないと規定されており、設問のように実行するには規約を変更する必要がある。規約を変更するには標準管理規約47条3項に「組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する」と規定されているので普通決議では行えない

 

答え≫ 1 (総会の普通決議で行うことができるものアのみ)

 

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〔問30〕 管理組合が、理事長が代表取締役を務める施工会社と共用部分の補修に係る工事請負契約を締結しようとする場合において、理事長がその利益相反取引に関し、理事会を招集し承認を受けようとすることについて、マンション管理士が役員に対して行った次の助言のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか

 

1 理事長がこの理事会で承認を受けるには、当該取引について重要な事実の開示が必要です。

 

2 理事会の承認が得られても、理事長は当該取引では代表権を有しないので、監事か他の理事が、管理組合を代表して契約することになります。

 

3 この理事会で決議を行う場合、理事の過半数の承諾があれば、書面又は電磁的方法による決議により行うこともできます。

 

4 この理事会で決議を行う場合、理事長は議決権を行使することはできません。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:標準管理規約第37条の2に「役員は、役員が自己又は第三者のために管理組合と取引をしようとするとき、または、管理組合が役員以外の者との間において管理組合と当該役員との利益が相反する取引をしようとするとき理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない」と規定されており設問は適切である第37条の2は平成28年3月の改正で新たに追加された事項である 

 

・選択肢2:標準管理規約第38条第6項に「管理組合と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、監事又は理事長以外の理事が管理組合を代表する」と規定されており設問は適切である第38条第6項は平成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

・選択肢3:標準管理規約第53条第2項に「第17条(専有部分の修繕等)、第21条(敷地及び共用部分等の管理)及び第22条(窓ガラス等の改良)に定める承認又は不承認の決議は理事の過半数の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議によることができる」と規定されているが、それ以外の事項は同条第1項に「理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する」と規定されている。設問の事項の決議は第53条第2項に該当せず設問は適切でない第53条第2項は平成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

・選択肢4:標準管理規約第53条第3項に「理事会の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない」と記載されており設問は適切である第53条第3項は平。成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

≪答え≫ 

 理事長が行う利益相反取引等からの出題である。これは平成28年3月の改正で新たに追加された事項である 

 

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〔問31〕 管理組合における代理行為又は代理人に関し、マンション管理士が行った次の助言のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか

 

1 理事長に事故があるときは、副理事長が理事長を代理しますが、その場合、個々の代理行為に当たっては理事会の承認を得なければなりません。

 

2 外部専門家を理事に選任している場合には、その理事に事故があるときでも理事会への代理出席を認めるべきではありません。

 

3 監事に事故があるときは、理事会決議により監事の職務を代理する者を選任し、その者が監事の代理人として、管理組合の業務の執行及び財産の状況の監査結果を総会で報告することになります。

 

4 組合員が代理人により議決権を行使しようとする場合に、その代理人の資格について制限を設けることは望ましくありません。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:標準管理規約第39条に「副理事長は、理事長を補佐し、理事長に事故があるときは、その職務を代理し、理事長が欠けたときは、その職務を行う」と規定されており、理事長と同様に理事長職務を行う事ができるのでので個々の代理行為に当たっては理事会の承認を得る必要はなく設問適切でない。ここは代理の意味が分かっていれば容易に正答を得られる。

 

・選択肢2:標準管理規約第53条コメント①に「理事は誠実にその職務を遂行すべきであり理事会には本人が出席して議決権を行使することが求められており、理事の代理出席は規約において明確な規定がない場合に認めることは適当でない」と記載されており、さらに、同条コメント③に「外部専門家など当人の個人的資質や能力等に着目して選任されている理事については、代理出席を認めることは適当でない」とも記載されており設問は適切である第53条のコメントは平成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

・選択肢3:標準管理規約第35条第2項に「理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任すると規定されており、設問にある理事会決議により監事の職務を代理する者を選任することはできないので設問は適切でない

 

・選択肢4:標準管理規約第46条第5項に「組合員が代理人により議決権を行使しようとする場合において、その代理人は、その組合員の配偶者又は一親等の親族、その組合員の住戸に同居する親族または他の組合員でなければならない」と規定されており、設問にあるように代理人の資格について制限を設けることは望ましいので設問は適切でない第46条第5項は平成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

≪答え≫ 

 

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〔問32〕 理事会に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか

 

1 理事が不正の行為をしたと認める場合には、監事は、理事長に理事会の招集を請求することができるが、その請求から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする招集通知が発せられないときは、監事が理事長に代わり、理事会を招集しなければならない。

 

2 理事会は、管理組合の業務執行の決定だけでなく、業務執行の監視・監督機関としての機能を有する。

 

3 理事会は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置し、専門委員会は、調査又は検討した結果を理事会に具申する。

 

 

 

4 外部専門家を役員として選任できることとする場合、理事及び監事は総会で選任し、理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:標準管理規約第41条第6項及び第7項に監事は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事長に対し、理事会の招集を請求することができる。請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる」と規定されており、「・・・しなければならない」とは規定されておらず設問は適切でない第41条第6項及び第7項は平成28年3月の改正で新たに追加された事項であるなお、平成28年3月の改正で監事の職務については大幅に追加されているので注意の事

 

・選択肢2:標準管理規約第51条第2項に理事会は理事の職務の執行の監督を行うと規定されており設問は適切である第51条第2項は平成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

・選択肢3:標準管理規約第55条に「理事会は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置し、特定の課題を調査又は検討させることができる。専門委員会は、調査又は検討した結果を理事会に具申する」規定されており設問は適切である

 

・選択肢4:標準管理規約第35条に「外部専門家を役員として選任できることとする場合、理事及び監事は、総会で選任し、理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任し、また、組合員以外の者から理事又は監事を選任する場合の選任方法については細則で定める」と規定されており設問は適切である第35条の「外部専門家を役員として選任できることとする場合」は平成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

≪答え≫  

 

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〔問33〕 組合員の管理費に滞納が生じた場合の措置又はあらかじめ規約で定めておくべき事項について、理事長から相談を受けたマンション管理士が行った次の助言のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか

 

1 滞納管理費の請求に関し、規約違反を理由として法的措置を講じるときは、理事会の決議を経た上で、理事長が管理組合を代表して訴訟等を追行することになります。

 

2 組合員が所有している専有部分を賃貸に供し、賃貸借契約で賃借人が管理費を負担する旨規定されているときであっても、滞納管理費の請求は区分所有者に対し行います。

 

3 あらかじめ規約に、遅延損害金、違約金としての弁護士費用、督促などの諸費用を加算して請求することができる旨規定しているのであれば、請求しないことについて合理的事情がある場合を除き、これらについても請求すべきです。

 

4 規約に遅延損害金を定める場合、その利率の設定については、手間や時間コストなどの回収コストが膨大になったとしても、利息制限法や消費者契約法等における遅延損害金利率を超えることはできません。 

 

≪解説≫

 

・選択肢1:標準管理規約第60条第4項に「理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の決議により、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる」と規定されており設問は適切である

 

・選択肢2:標準管理規約第25条第1項に「区分所有者は、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、次の費用(以下「管理費等」という。)を管理組合に納入しなければならない」と規定されており設問は適切である

 

・選択肢3:標準管理規約第60条第2項に「組合員が前項の期日までに納付すべき金額を納付しない場合には、管理組合は、その未払金額について、年利○%の遅延損害金と、違約金としての弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用を加算して、その組合員に対して請求することができる」と規定されており設問は適切である。なお、同条コメント⑥に第2項では、遅延損害金と、違約金としての弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用を加算して、その組合員に対して請求することが「できる」と規定しているが、これらについては、請求しないことについて合理的事情がある場合を除き、請求すべきものと考えられる」とコメントされている。第60条コメント⑥は平成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

・選択肢4:標準管理規約第60条コメント④に「滞納管理費等に係る遅延損害金の利率の水準については、管理費等は、マンションの日々の維持管理のために必要不可欠なものであり、その滞納はマンションの資産価値や居住環境に影響し得ること、管理組合による滞納管理費等の回収は、専門的な知識・ノウハウを有し大数の法則が働く金融機関等の事業者による債権回収とは違い、手間や時間コストなどの回収コストが膨大となり得ること等から、利息制限法や消費者契約法等における遅延損害金利率よりも高く設定することも考えられる」とコメントされており設問は適切でない第60条コメント④は平成28年3月の改正で新たに追加された事項である

 

≪答え≫ 

 設問は標準管理規約第60条からの出題である。第60条及びそのコメントをしっかり読み込んでおけば容易に正答を得られる 

 

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〔問34〕 甲マンション管理組合の平成27年度(平成27年4月1 日~平成28年3月31日)の会計に係る次の仕訳のうち、適切でないものはどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとする。

 

1  平成28 年3 月に、平成28年3月分、4月分及び5月分の管理費(1ヵ月分は3万円)の合計9万円が入金された。 

 

2  平成28 年8 月に完了予定の修繕工事の工事費80万円のうち、着手金として平成28年3月に30万円を支払い、工事完了時に50万円を支払う予定である。

 

3  平成27年4月に、建物の事故等に備え、保険期間3年の積立型マンション保険に加入し、3年分の保険料総額30万円を支払った。なお、1年間の掛捨保険料は8 万円、3年後の満期返戻金は6万円である。
  

 

4  平成26年度の貸借対照表に計上されていた管理費の未収金10万円のうち、8万円が平成27年度に入金されたが、2万円はまだ入金されていない。

    
  

≪解説≫

 

  各肢の借方、貸方の記載事項について肢4以外は妥当と判断できる。肢4については未入金の2万円は入金された期に計上されるべきであり、当肢の記載は不適切であるとみなされる 

 

・選択肢1:設問記載の通りであり選択肢適切である。 前受金について理解しておく事

 

・選択肢2:設問記載の通りであり選択肢適切である 前払金について理解しておく事

 

・選択肢3:設問記載の通りであり選択肢適切である積立型マンション保険について理解しておく事

 

・選択肢4:仕訳は下記のようになり選択肢は適切でない。管理費の未収金10 万円のうち8 万円が平成27 年度に入金され2 万円はまだ入金なので下記のようになる。入金のない20,000円につては未収金として残る

借方

貸方

現金預金 80,000円  

未収金  80,000円

 

≪答え≫ 4 

  平成27 年度の仕訳である事に注目すること。仕訳に関する基本的な問題である。仕訳に関して慣れていない人は管理業務主任者試験にも同種問題が出題されているので演習し慣れておく事。ここで発生主義をきちんと理解してお

 

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問35〕 甲マンション管理組合の平成27年度決算(平成27年4月1日~平成28年3月31日)に当たり、平成28年3月31日現在の会計帳簿の現金預金の金額と銀行の預金残高証明書の金額に3万円の差異があった。この原因に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとし、資金の範囲は、現金預金、未収金、前払金、未払金及び前受金とする。

 

1 平成28年度分の管理費3万円が平成28年3月に管理組合口座に入金されていたが、会計処理をしなかったため、会計帳簿の現金預金の金額が3万円少ない。

2 平成28年3月分のエレベーター保守料3万円を未払金で会計処理していたが、3月中に管理組合口座から自動引落しされていたため、会計帳簿の現金預金の金額が3万円多い。

3 平成27年度分と平成28年度分の損害保険料6万円(年間3万円)を平成28年3月に管理組合口座から支払ったが、3万円は前払金として会計処理したため、会計帳簿の現金預金の金額が3万円少ない。

4 平成27年度分の管理費3万円を未収金で会計処理していたが、平成28年3月に管理組合口座に入金されていたことを見落としたため、会計帳簿の現金預金の金額が3万円少ない。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:会計帳簿に会計処理をしていなければ当然、会計帳簿の現金預金の金額が3 万円少なくなるので当設問は適切である

 

・選択肢2:会計帳簿上では未払金で処理しているので現金預金額は減少していないが、実際には口座から自動引落としされているので銀行預金残高は3万円減少しており当設問は適切である

 

・選択肢3:平成28年3月に管理組合口座から6万円を支払ったので会計帳簿の現金預金が6万円減少し、銀行の預金残高も6万円減少しているおり預金残高証明書と会計帳簿現金預金の金額は一致するので当設問は適切でない。平成29年度の前受金3万円を会計処理した場合の仕訳は以下のようになる

(借方)

(貸方)

支払保険料  30,000円

現金預金  60,000円

前払金    30,000円 

 

 

・選択肢4:会計帳簿の現金預金の金額は管理組合口座に入金されていたことを見落としたため、銀行の預金残高証明書の金額より3万円少ないので当設問は適切である

 

≪答え≫ 

  会計帳簿の現金預金は発し主義の原則によることを理解していれば容易に正答を得られる。会計帳簿は収支報告書、預金残高証明書は預金通帳をイメージすればよい。設問がすべて「・・・少ないか」となっおりすべて少ないか多いかが問われているのでないので錯覚しないこと

 

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〔問36〕マンションの建物の点検又は調査・診断する次の記述のうち、適切なものはどれか

 

1 建築基準法第12条第1項に規定される特殊建築物等の定期調査(この問いにおいて「定期調査」という。)に当たるのは、一級建築士又は二級建築士でなければならない。

2 アルミ製品の調査・診断に当たっては、主に目視調査により耐久性を推定するが、光沢度、塗膜付着性等について計測機器等を使用して計測する方法もある。

3 反発度法により推定されたコンクリート強度は、試験結果の精度が高いので、耐震診断においても一般的に適用されている。

4 定期調査における外壁タイルの調査・診断では、竣工後又は外壁改修工事実施後10年以内に全ての壁面について打診調査を行わなければならない。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:「建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者にその状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない」と規定されており、一級建築士又は二級建築士だけでなく建築物調査員資格者証も含まれており設問適切でない

 

・選択肢2:設問にあるように光沢度、塗膜付着性等について計測機器等を使用して計測する方法もあるので問は適切である。素人目にみても設問は適切である

 

・選択肢3:コンクリートの強度の調査・診断方法としては、反発度としてシュミット・ハンマーを使用した非破壊試験方法コンクリート・コア抜きによる破壊試験方法あるが反発法による試験結果の精度は破壊試験方法より高いとは言えず一般的に適用されていないので設問は適切でない。これは素人が常識的考えても判断できる 

 

選択肢4:成20年国土交通省告示第282号によれば「竣工後、外壁改修後若しくは落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的なテストハンマーによる打診等を実施した後、10年を超え、かつ3年以内に落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的なテストハンマーによる打診等を実施していない場合にあっては、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分を全面的にテストハンマーによる打診等により確認する」と規定されいる。
 従って、つまるところ「
竣工後又は外壁改修工事実施後10年以内に必ずしも全ての壁面について打診調査を行わなければならない」ことはないので設問は正しくない。少々ややこやしい。常識的に考えても竣工後又は外壁改修工事実施後、10年以内に全ての壁面について打診調査に全ての壁面について打診調査を行わなければならないまでの縛り適切でない

≪答え≫ 

 

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〔問37 マンションの外壁の補修工事に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか

 

1 コンクリートのひび割れの補修における樹脂注入工法において、ひび割れ幅の変動が大きい場合には軟質形のエポキシ樹脂を注入する。

2 コンクリートのひび割れの補修におけるシール工法は、ひび割れ幅が0.2mm未満程度の比較的幅の小さいひび割れの補修に有効な工法である。

3 吹付けタイル等の塗り仕上げの改修は、ひび割れに沿って塗膜を撤去するのが原則であるが、塗膜が健全でコンクリートとの接着が良い場合は、塗膜を撤去せずにひび割れ仕訳のうち改修を行うことがある。

4 タイル張り外壁の浮き部分の補修におけるアンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法は、タイルの中央に穿孔して樹脂を注入してタイルを固定させる工法である。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:設問記載の通りである。設問は適切である

 

・選択肢2:設問記載の通りである。設問は適切である

 

・選択肢3:設問記載の通りである。設問は適切である

 

・選択肢4:設問記載の工法は「入口アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法」の事であり選択肢の適切でないアンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法とはモルタル面の浮き部にアンカーピンとエポキシ樹脂で固定し、且つ、残存浮き部分全面にエポキシ樹脂を注入し、浮き部分全体をモルタルとコンクリートに接着させて構造一体化を図り漏水と落下を防止する工法である

 

≪答え≫ 

  外壁の補修工法を知っていないと正答を得ることは難しい。選択肢1,2,3は一読した感じではもっともらしいので一応、「適」と判断するとして選択肢4の設問には「全面樹脂注入工法」という語句があるが「タイルの中央に穿孔して樹脂を注入する工法」と矛盾していることに目をつけて「不適」とするしかないか。これを機会に(社)機能性外壁工業会のホームページの「外壁改修工事」等を参照して勉強しておくとよい

 

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〔問38〕大規模修繕工事に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか

 

1 大規模修繕工事では、建物及び設備の性能や機能を新築時と同等水準に維持、回復させる工事とともに、必要に応じて性能を向上させる工事も併せて実施される。

2 大規模修繕工事を責任施工方式で行う場合は、設計者と施工者との意思疎通が図りやすいため、修繕工事の厳正なチェックが期待できる。

3 大規模修繕工事の施工会社の選定に当たっては、見積金額だけではなく、修繕工事実績、工事保証能力、施工管理体制、施工計画等から総合的に判断する。

4 大規模修繕工事のコンサルタントには、マンションの建物の調査・診断や修繕設計等だけでなく、施工会社選定への助言及び協力、長期修繕計画の見直し、資金計画に関する助言等ができることが望まれる。

 

≪解説≫

・選択肢1:設問記載の通りである。設問は適切である。なお、「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」の第2章第1節条の「二長期修繕計画の作成の前提条件」に「長期修繕計画の作成に当たっては、次に掲げる事項を前提条件とする旨の記述がある
 
① 推定修繕工事は、建物及び設備の性能・機能を新築時と同等水準に維持、回復させる修繕工事を基本とする
 
② 区分所有者の要望など必要に応じて、建物及び設備の性能を向上させる改修工事を設定する
 ③ 計画期間において、法定点検等の点検及び経常的な補修工事を適切に実施する
 ④ 計画修繕工事の実施の要否、内容等は、事前に調査・診断を行い、その結果に基づいて判断する

 

・選択肢2:「責任施工方式」とは、調査診断、修繕設計、工事施工及び工事監理を同一の業者に発注する方式で工事の施工と監理とが分離されていないので工事の厳正なチェックが期待できないので設問は適切でない

 

・選択肢3:設問記載の通りである。設問は適切である

 

・選択肢4:設問記載の通りである。設問は適切である

 

≪答え≫ 

 大規模修繕工事に関する出題であるが、選択肢2の「責任施工方式」を知っていれば常識の範囲で容易に正答を得られる

 

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〔問39〕長期修繕計画の作成及びその見直しに関する次の記述のうち、「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」(平成20 年6 月 国土交通省公表)によれば、適切でないものはどれか

 

1 長期修繕計画は、修繕積立金の額も含まれていることから、財務状況が管理組合外へ流出することを防ぐため、外部へは開示していない。

2 機械式駐車場があり、維持管理に多額の費用を要するため、管理費会計及び修繕積立金会計とは区分して駐車場使用料会計を新設した。

3 大規模修繕工事直後の長期修繕計画の見直しにおいて、同工事直後の調査・診断を省略し、同工事直前の調査・診断結果を活用した。

4 想定外の工事の発生、災害や不測の事故などによる緊急の費用負担が発生した場合の一時金の徴収を避けるため、推定修繕工事項目に予備費を設定して長期修繕計画を作成した。

 

≪解説≫

・選択肢1:長期修繕計画作成ガイドライン第2条第3節の「1 長期修繕計画の周知」に管理組合は、長期修繕計画等の管理運営状況の情報を開示することが望まれます。」と記載されており設問は適切でない
 なお、開示する理由としては同コメントに「
マンションについては、長期修繕計画等の管理運営状況の情報が開示され、不動産流通市場において、消費者がその情報を容易に入手できることが望まれます」とコメントされているが、標準管理規約の第64条第2項には「理事長は、第32条第三号の長期修繕計画書、同条第五号の設計図書及び同条第六号の修繕等の履歴情報を保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない」とあり、一般に外部公開することはこの規約とも矛盾しているが、設問が期修繕計画作成ガイドラインによるとあるのでこのガイドラインにより判断せざるを得ない

 

・選択肢2:長期修繕計画作成ガイドライン第3章第1節の「 収支計画の検討」に「なお、械式駐車場があり、維持管理に多額の費用を要することが想定される場合、管理費会計及び修繕積立金会計とは区分して駐車場使用料会計を設けることが望まれます。」と記載されており設問は適切である。なお、標準管理規約第29条のコメントにもコメントされている

 

・選択肢3:長期修繕計画作成ガイドライン第3章第1節の「10 長期修繕計画の見直し」のコメントに長期修繕計画の見直しは、大規模修繕工事と大規模修繕工事の中間の時期に単独で行う場合、大規模修繕工事の直前に基本計画の検討に併せて行う場合、又は、大規模修繕工事の実施の直後に修繕工事の結果を踏まえて行う場合があります。したがって、その時期は、おおよそ大規模修繕工事(12年程度ごと)の直前又は直後とその中間程度となります。」とコメントされており、これにより設問は適切である。常識的に考えても工事直前と直後に重ねて行う必要はない

 

・選択肢4:長期修繕計画作成ガイドライン第3章第1節「6 推定修繕工事項目の設定」のコメントに「計画修繕工事は不確定要素が多く、施工時において予想外の劣化や施工条件の制約などにより工事費が増加することがあります。計画修繕工事における想定外の工事の発生や数量の増加、物価上昇等による費用の増加、災害や不測の事故などによる緊急の費用負担などの対応として、その都度一時金を徴収することが考えられますが、推定修繕工事項目として「予備費」を設し、例えば、各年度ごとに推定修繕工事費の累計額に定率を乗じた額を計上しておくこともえられます。」とコメントされており設問は適切である

 

≪答え≫ 

  「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメントは120ページ以上もある長文であり、長期修繕計画を作成する実務には参考となるが試験勉強のために精読するには難儀である。ここは常識で判断してもよい。ただし、本問はすべての設問が「適」とも判断されるので迷うところ

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〔問40〕  マンションの構造に関する次の記述のうち、適切なものはどれか

 

1 地震で被災した際、被災建築物応急危険度判定で「危険(赤色)」と判定されたため、修繕が不可能と判断し、建物を取り壊すことにした。

2 免震構造は、建築物の基礎と上部構造との間に免震装置を設ける構造であるため、建築物の新築時から免震装置を設置しておかなくてはならない。

3 建築基準法による耐震基準は、震度6強から震度7程度の地震に対して、主要構造部は被害を受けないことを目標としている。

4 耐震改修工法については、壁やブレース、柱、梁を増設、補強する工法だけではなく、逆に柱に取り付く壁と柱の間に隙間を設けることで耐震性能を改善する工法もある。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:応急危険度判定は地震の二次災害防止のため応急的に建物の安全性をチェックするものでその建物が修繕が不可能で建替えが必要との判断を示すものではないので設問は適切でない。なお、危険(赤色)」とは立ち入ることが危険との判断を示すものである。 

 

・選択肢2:既存マンションでも免震改修工により事後に免震構造化することは可能なので設問は適切でない

 

・選択肢3:建築基準法による耐震基準は震度6強から震度7程度の地震に対して建物に損傷は生じても倒壊、崩壊しないことを目標としており設問は適切でない主要構造部は被害を受けないことを目標としているのではないまた、震度6強から震度7程度の地震に対して、「人命に危害を及ぼすような倒壊、崩壊等を生じない」ことを目標としている

 

・選択肢4:設問のように取り付く壁と柱の間に隙間(耐震スリット)を設けることで耐震性能を改善する工法もあるので設問は適切である。

 

≪答え≫ 

 マンションの耐震化に関する出題である。この分野は範囲が広いが最低限、国交省の「マンション耐震化マニュアル」はマスターしておきたい。

 

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〔問41〕マンションのバリアフリーに関する次の記述のうち、適切なものはどれか

 

1 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18 年法律第91 号)に規定する特定建築物に該当するマンションでは、建築基準法に基づく建築確認が必要となる大規模の修繕を行う場合、建築物移動等円滑化基準に適合させなければならない。

2 住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11 年法律第81 号)に基づく住宅性能表示制度では、新築住宅については高齢者等配慮対策等級が定められているが、既存住宅については定められていない。

3 建築基準法によれば、高さ1mをこえる階段には手すりを設けなければならない。

4 建築基準法によれば、階段に代わる傾斜路を設ける際は、勾配が12分の1をこえてはならない。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:設問では「・・・適合させなければならない。」とされているが法律(バリアフリー新法では「・・・努めなければならない。」とあり努力義務と規定されており設問は適切でない。この種の新しい法律では努力義務とされるケースが多い

 

・選択肢2:住宅性能表示制度では新築住宅のみならず既存住宅についても高齢者等配慮対策等級が定められているので設問は適切でない

 

・選択肢3:建築基準法施行令第25条に「高さ1mをこえる階段には手すりを設けなければならない」と規定されており設問は適切である

 

・選択肢4建築基準法施行令第26条第1項「勾配は、八分の一をこえないこと」と規定されており設問は適切でない。なお、「長寿社会対応住宅設計対応指針」-「Ⅱ 指針第3」-「1 アプローチ等」に「傾斜路は、できる限り1/12以下の勾配とし、高低差75㎝毎に1.5m以上の踊り場を設ける」と規定されており矛盾するが、本設問「建設基準法によれば」であり八分の一を正答とする

 

≪答え≫ 

 バリアフリーに関する出題である。選択肢3、4での数値を知っているかどうかがポイントとなる

 

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〔問42〕マンションの室内環境に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか

 

1 住宅の省エネルギー基準には、外壁や窓等に関する基準以外に暖冷房や給湯等の住宅設備に関する基準も導入されている。

2 窓サッシを二重化すると、窓の熱貫流率が小さくなり、室内の温度を安定させるとともに、結露の発生を抑制することができる。

3 JIS(日本工業規格)でのF☆☆☆☆等級に適合する建材は、建築基準法によるシックハウス対策に係る制限を受けることなく内装仕上げに用いることができる

4 マンションの界壁の遮音は、空気伝搬音より固体伝搬音の対策を重視しなければならない。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:当選択肢記載の通り設問は適切である住宅の省エネルギー基準には外皮(外枠や窓等)以外に空調・団冷房設備 、換気設備、照明設備、給油設備、昇降機等の住宅設備に関する基準も導入されている省エネルギーに関する基準は平成27年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」に基づき制定された基準で今回初めての出題である。国交省のホームページなどにより目を通しておくことが望ましい

 

・選択肢2:当選択肢記載の通り設問は適切である。常識的考えてもサッシを二重化すると結露の発生を抑制することができる

 

・選択肢3:当選択肢記載の通り設問は適切である

 

・選択肢4:界壁の遮音については固体伝搬音より空気伝搬音の対策を重視しなければならないので設問は適切でない。「音には床の衝撃音のように建物の構造から伝わる固体伝搬音と話し声や演奏音のように空気中を伝わり窓など開口部から聞こえる空気伝搬音がある」ということは覚えておく事。

 

≪答え≫ 

  室内環境に関する出題である。選択肢1、2、3はもっともらしい記述であるので一応、適とするが選択肢4で界壁、空気伝搬音及び固体伝搬音を理解していれば容易に正答を得られるかも。

 

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〔問43〕 マンションの給水設備に関する次の記述のうち、適切なものはどれか

 

1 受水槽のオーバーフロー管及び通気管には、外部からの害虫等の侵入を防ぐために、トラップ又は先端に防虫網を設ける必要がある。

2 受水槽を屋内に設置する場合においては、受水槽の天井、底及び周壁と建築物との間に、保守点検のために必要な空間を設けなければならない。

3 高層マンションにおいては、高置水槽が不要な給水方式である水道直結増圧方式及びポンプ直送方式は採用することができない。

4 受水槽における給水管の流入端からオーバーフロー管下端までの吐水口空間の垂直距離は、150mm 以上としなければならない。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:設問にある「受水槽のオーバーフロー管及び通気管には外部からの害虫等の侵入を防ぐために先端(管端開口部)に防虫網を設ける必要がある」は適切であるがトラップには不要であるので設問は適切でない。ひっかけ問題なので「トラップ」という語句を見落とさない事

 

・選択肢2:当選択肢記載の通り設問は適切である。必要な空間とは「天井面から100cm以上、床、壁から60cm以上」である

 

・選択肢3:水道直結増圧方式及びポンプ直送方式は採用することができるので設問は適切でない高層マンションでは増圧給水ポンプ等を複数階に設置することにより水道直結増圧方式及びポンプ直送方式は採用することができる

 

・選択肢4:吐水口空間の垂直距離は、150mm以上としなければならないという定めはなく設問は適切でない一般に給水管管径の2倍程度以上を確保するとされている

 

≪答え≫ 

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〔問44〕 マンションの排水設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか

 

1 専有部分の浴槽からの排水を受ける、管径が50mmの排水横引管について、円滑に排水を行うため、その最小勾配は50分の1とする。

2 敷地内に埋設する排水管には、起点、屈曲点、合流点、管径や勾配の変化点、既設管との接続箇所以外にも、維持・管理用に、一定の距離の範囲内で「ます」を設ける。

3 結合通気管は、排水立て管と通気立て管を接続し、排水立て管の下層階で生じた負圧、上層階で生じた正圧を緩和するために用いる。

4 特殊継手排水システムは、専有部分からの汚水系統や雑排水系統の排水を集約できる機能を有する。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:当選択肢記載の通りで設問は適切である勾配は管径が大きいほど勾配はゆるくてもよく下記のような関係にある。できれば覚えておくとよい

 

管径(mm)

勾配

65以下

最小 1/50

75、100

最小 1/100

125

最小 1/150

150以上

最小 1/200

 

・選択肢2:当選択肢記載の通りで設問は適切であるます排水管においてゴミや汚泥が詰まり易い箇所に設置して清掃や点検を容易にするものである

 

・選択肢3:排水立て管の下層階で生では正圧が生じ上層階では負圧じので設問は適切でない。正圧と負圧の語句の使い方が逆であり、これを知っていれば一目瞭然である 

 

・選択肢4:当選択肢記載の通りで設問は適切である特殊継手排水システムは排水立て管内を排水が迂回して流れるようにしたもので通気立て管を設置することなく排水できるようにしたシステム高層マンションで採用されることが多い。ウエブで検索して解したもので理解しておく事

 

≪答え≫ 

 

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〔問45〕マンションの設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか

 

1 潜熱回収型ガス給湯機を設置する場合には、潜熱回収時に熱交換器より凝縮水が発生するので、それを排出するために排水管を設置する。

2 新設する乗用エレベーターには、駆動装置又は制御器に故障が生じ、かご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じる前にかごが昇降した場合に、自動的にかごを制止する装置を設けなければならない。

3 都市ガスのマイコンメーターは、災害の発生のおそれのある大きさの地震動、過大なガスの流量又は異常なガス圧力の低下を検知した場合に、ガスを速やかに遮断する機能を有する。

4 消防用設備において、設置後10年を経過した連結送水管は、5年ごとに配管の耐圧性能試験を行わなければならない。

 

≪解説≫

 

・選択肢1:選択肢記載の事項は適切なので当設問は適切である。この問いは潜熱回収型ガス給湯機が何であるかを知らないと適・不適が判断できない。下記に簡単な製品のイメージを掲載するので理解の一助として欲しい。

 
 
潜熱回収型ガス給湯機は、従来の給湯器では排熱として無駄にしていた熱を二次熱交換器を付けることで省エネ効果を高める給湯器で、潜熱回収時に熱交換器より凝縮水が発生するのでそれを排出するために排水管を設置する必要がある

 

・選択肢2:当選択肢記載の通り設問は適切である。建築基準法施行令第129条の10第3項1号に「駆動装置又は制御器に故障が生じかごの停止位置が著しく移動した場合、または、駆動装置又は制御器に故障が生じかご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じる前にかごが昇降した場合は自動的にかごを制止する装置を設けなければならない」と規定されている。

 

・選択肢3:当選択肢記載の通りで設問は適切であるなお、災害の発生のおそれのある大きさの地震動とは震度5弱以上の地震をいう。

 

・選択肢4:消防庁告示により「消防用設備において、設置後10年以上を経過した連結送水管はにその機能に支障が無いかを、3年ごと配管の耐圧性能試験を行わなければならない」と規定されており設問は適切でない

 

≪答え≫ 

 

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 問46~問50は「マンションの管理の適正化に関する指針」(適正化指針と略す)と「マンション管理適正化法」(適正化法と略す)からの出題である。管理業務主任者試験の合格者には免除される部分なので満点を狙いたいところであるが、最近は問題が出尽くした感があり、細かい設問、例えば罰金とか期間等数値が正しいか、いくつかの設問を並べて正しいものはいくつあるか、等正確な回答を求める出題が見受けれれるのでこれらの指針や法を十分に読み込んで暗記しておく必要がある。
 また、標準管理規約の改正に合わせて適正化指針と適正化法も平成28年3月に改正されているのでしばらくの間、出題される可能性が大なので十分注意を要する。



〔問46〕 次の記述は、「マンションの管理の適正化に関する指針(平成13年国土交通省告示第1288号)」において定められている「マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項」の第6及び第7を抜粋したものである。空白となっている A~Cに下欄のア~カの語句を選んで文章を完成させた場合において、正しい組合せは、次のうちどれか。


6 発注等の適正化
管理業務の委託や工事の発注等については、
A 等に注意して、適正に行われる必要があるが、とりわけ  B が管理組合の管理者等又は役員に就任する場合においては、マンションの区分所有者等から信頼されるような発注等に係るルールの整備が必要である。
7 良好な居住環境の維持及び向上マンションにおけるコミュニティ形成については、自治会及び町内会等(以下「自治会」という。)は、管理組合と異なり、各 
C が各自の判断で加入するものであることに留意するとともに、特に管理費の使途については、マンションの管理と自治会活動の範囲・相互関係を整理し、管理費と自治会費の徴収、支出を分けて適切に運用することが必要である。なお、このように適切な峻別や、代行徴収に係る負担の整理が行われるのであれば、自治会費の徴収を代行することや、防災や美化などのマンションの管理業務を自治会が行う活動と連携して行うことも差し支えない。


[語句]  ア 説明責任 イ 利益相反 ウ 外部の専門家 エ 管理業者の管理員 オ 居住者 カ 区分所有者

[組合せ]
 1  Aはア、Bはエ、Cはオ
 2  Aはイ、Bはウ、Cはカ
 3  Aはイ、Bはウ、Cはオ
 4  Aはア、Bはエ、Cはカ

 

≪解説≫

 

A⇒ イ 利益相反

⇒ ウ 外部の専門家

・C⇒ オ 居住者 (区分所有者と勘違いしないこと)

 

≪答え≫ 

 

  これは指針「二 マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本二マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項」の「6 発注等の適正化」及び「7 良好な居住環境の維持及び向上」からそのままの出題である。問題はA、B及びCに適切な語句を埋めるだけであり下記に埋める語句のみ示す。なお、この6項及び7項は平成28年3月の改正で追加された項目である

 

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 問47 マンション管理士に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか

 

1 マンション管理士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らしたときは、1 年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される。

 

2 マンション管理士でない者が、マンション管理士又はこれに紛らわしい名称を使用したときは、1 年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処される。

 

3 マンション管理士は、マンション管理士の信用を傷つけるような行為をしたときは、1 年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処される。

 

4 マンション管理士は、3 年ごとに、国土交通大臣又はその指定する者が行う講習を受けなければならないが、これに違反したときは、国土交通大臣はその登録を取り消すことができる。
 

 

≪解説≫

 

・選択肢1:適正化法第42条に「マンション管理士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。マンション管理士でなくなった後においても、同様とする。」と規定されており、また、同法第107条に1 年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処されると規定されているので設問は正しい

・選択肢2:適正化法第43条に「マンション管理士でない者は、マンション管理士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。」と規定されており、また、同法第109条第四十三条の規定に違反した者は一年以下の懲役又は三十万円以下の罰に処る。」と規定されているので設問は正しくない

 

・選択肢3:適正化法第40条に「マンション管理士は、マンション管理士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。」と規定されているが、罰則は規されていないので設問は正しくない

 

・選択肢4:適正化法第41条に「マンション管理士は、国土交通省令で定める期間(5年)ごとに、登録講習機関が国土交通省令で定めるところにより行う講習を受けなければならない。」と規定されているが、マンション管理士の登録を取り消されたり、名称の使用を禁じられることは規定されていないので設問は正しくない。なお、設問にある「3年ごと」は誤りで「5年ごと」である


≪答え≫ 

 

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〔問48
〕 マンション管理業者の業務に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはいくつあるか

 

ア マンション管理業を営もうとする者は、国土交通省に備えるマンション管理業者登録簿に登録を受けなければならず、この登録の有効期間は3年である。

 

イ マンション管理業者の登録を受けない者は、マンション管理業を営んではならないとされており、これに違反した者は、1 年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処される。

 マンション管理業者が、その事務所ごとに置かねばならない成年者である専任の管理業務主任者の人数は、管理事務の委託を受けた管理組合(省令で定める人の居住の用に供する独立部分の数が5 以下である建物の区分所有者を構成員に含むものは除く。)の数を30 で除したもの(1 未満の端数は切り上げる。)以上としなければならない。

エ マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち基幹事務については、これを一括して他人に委託してはならず、国土交通大臣は、これに違反したマンション管理業者に対して、1 年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
 

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

 

≪解説≫

 

・ア:適正化法第44条第2項に「マンション管理業者の登録の有効期間は、五年とする」と規定されており設問は正しくない

 

・イ:適正化法第106条に「マンション管理業者の登録を受けない者は、マンション管理業を営んではならないとの規定に違反して、マンション管理業を営んだ者は一年以下の懲役又は五十万円以下の罰に処する」と規定されており設問は正しい

・ウ:適正化法第61条に「管理業務主任者の数は、マンション管理業者が管理事務の委託を受けた管理組合の数を三十で除したもの(一未満の端数は切り上げる以上とする」と規定されており設問は正しい

・エ:適正化法第82条第1項に「マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち基幹事務については、これを一括して他人に委託してはならず、これに違反した場合は、マンション管理業者に対し、一年以の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができると規定されており設問は正しい

 

≪答え≫ 3 (イ、ウ、エの3つ)

 マンション管理業者の業務に関する出題である。数値が問われているので細かい数値も覚えておく必要がある

  

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問49〕 マンション管理業者の行う重要事項の説明に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。ただし、記述の中で「マンションの区分所有者等」「管理者等」とあるのは、同法第2条の規定によるものとする。

 

ア マンション管理業者は、重要事項の説明会を開催する場合、当該説明会の前日までに、マンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等の全員に対し、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付しなければならない。

イ マンション管理業者は、従前の管理受託業務と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなければならない。

ウ マンション管理業者が、マンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等全員に対し書面で交付する重要事項には、マンション管理業者の商号又は名称、住所、登録番号及び登録年月日並びに当該マンション管理業者の前年度の財務状況が含まれる。

エ マンション管理業者が、重要事項を記載した書面を作成するときは、管理業務主任者をして当該書面に記名押印させなければならないが、国土交通大臣は、これに違反したマンション管理業者に対して、1 年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。


1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ 

 

≪解説≫


・選択肢ア:適正化法第72条第1項に「マンション管理業者は、当該説明会の日の一週間前までに、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等の全員に対し、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付しなければならない」と規定されており設問は正しくない

 

・選択肢イ:適正化法第72条第2項に「マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなければならない」と規定されており設問は正しい

 

・選択肢ウ:マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則の第84条に「重要事項にマンション管理業者の商号又は名称、住所、登録番号及び登録年月日を記載するように規定されているがマンション管理業者の前年度の財務状況は含まれていないので設問は正しくない。法律の施行規則までは目が届かないが常識で考えれば当然のことである

・選択肢エ:適正化法第72条第5項に「マンション管理業者は、第一項から第三項までの規定(重要事項の説明等)により交付すべき書面を作成するときは、管理業務主任者をして、当該書面に記名押印させなければならない。」と規定されている。また、罰則については同法第82条に「国土交通大臣は、マンション管理業者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該マンション管理業者に対し、一年以の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる」と規定されており、この規定に違反した場合の罰則について規定されており設問は正しい

 

≪答え≫ 2 (イとエ)

 マンション管理業者の行う重要事項の説明に関する出題である。かなり細かいところを問われている

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問50〕 次の記述は、「マンションの管理の適正化に関する指針」において定められている「マンションの管理の適正化の基本的方向」に関するものであるが、正しいものはいくつあるか

 

ア マンションの管理の主体は、マンションの区分所有者等で構成される管理組合であり、管理組合は、マンションの区分所有者等の意見が十分に反映されるよう、また、長期的な見通しを持って、適正な運営を行うことが重要である。

イ マンションの管理は、専門的な知識を必要とすることが多いため、管理組合は、問題に応じ、マンション管理士等専門的知識を有する者の支援を得ながら、主体性をもって適切な対応をするよう心がけることが重要である。

ウ マンションの管理は、状況によっては、外部の専門家が、管理組合の管理者等又は役員に就任することも考えられるが、その場合には、マンションの区分所有者等が当該管理者等又は役員の選任や業務の監視等を適正に行うとともに、監視・監督の強化のための措置等を講じることにより適正な業務運営を担保することが重要である

エ マンションの管理の適正化を推進するため、国、地方公共団体及びマンション管理適正化推進センターは、その役割に応じ、必要な情報提供等を行うよう、支援体制を整備・強化することが必要である。


1  一つ
2  二つ
3  三つ
4  四つ

 

≪解説≫

 

・選択肢1:適正化指針の「一 マンションの管理の適正化の基本的方向」の1項に規定されている

・選択肢2:適正化指針の「一 マンションの管理の適正化の基本的方向」の3項に規定されている

 

・選択肢3:適正化指針の「一 マンションの管理の適正化の基本的方向」の4項に規定されている。平成28年3月に改正された適正化指針で追加された事項である

 

・選択肢4:適正化指針の「 マンションの管理の適正化の基本的方向」の5項に規定されている

 

≪答え≫ 4 (すべて

  平成28年3月に改正された適正化指針からの出題である。選択肢ウは今回の改正で追加された事項である。他にも追加され事項もあるので適正化指針は試験の直前まで読み直しておく必要がある

 

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