野菜つくりに最も適した土とは“ステッキを突き刺したとき、ぶすりと30cm以上深く入る土で、また、土をぎゅっと握ってみて、だんごのようにならず、ふわっと戻る土”とのことである。即ち、菜園の土は、砂混じりの土で、水もち、水はけ、通気性のよい土が理想的である。
水もちの悪いところには堆肥や腐葉土などの有機質を十分にすき込み、粘土質すぎる場合は、川砂を混ぜるなど工夫して植物の生育するための好条件を人工的に作ってやる必要がある。
一般的に、砂質のところは、野菜の生育が早く、粘土質の土では、生育が鈍るといわれており野菜類には、砂質が向き、収穫も良いとされている。
苦瓜は酸性土壌にやや弱い野菜だといわれている。我が国の土は、殆ど酸性土壌なので地ごしらえするとき、石灰を施して酸度を修正する必要がある。苦土石灰か消石灰を菜園全体に散布し、土とよく混ぜ深く耕して酸度を修正する。
瓜類は連作を嫌うといわれている。
毎年、同じところで栽培すると、病気や害虫の発生が多かったり、いや地現象が発生して植物の生育が悪くなったりする。原因は、主に土中の害虫や、野菜つくりに必要な微量要素の欠乏、根から出る悪い成分がたまって起こる現象を、いや地、または連作障害と言い、土壌伝染性病害には、ツルワレ病、あるいはツルガレ病がある。
殆どの野菜は弱酸性から忠誠を好んで生育する。しかし長い間、化学肥料を多分に連用したりすると、次第に土が酸性になったり、雨などで土中のアルカリ分が溶かされて流失して土壌がだんだんと酸性になる。そのため、苦土石灰や消石灰を散布し、深く耕して土の酸度を修正する。そのときに、堆肥や腐葉土など有機質をすき込み、土をよく肥やし、土壌の消毒、病害虫の防除を行う事が大切である。また、連作障害は、土壌に病原菌が発生して起こるため、病原菌の生存する地表35cm位の土をその下の土と天地返しすることも効果がある。
菜園の既存の野菜を全部取り払い、不純物を取り除いて菜園の全体の土を天地返しをする。土の天地返しは、約1週間の間隔で2回ほど行う。
腐葉土を菜園全体の土にすき込み、土の天地返しをする。
(腐葉土は自宅の表通りにあるユリノキ並木の落ち葉を前年の秋に拾い集めて作ったもの)
酸性土壌改良のため、菜園全体に消石灰を散布して、土とよく混ぜあわせて天地返しをする。(石灰の散布量は坪当たり、約600g)
苦瓜は深根性で根が横にも広がるので、菜園の17ヵ所に、直径約40cm、深さ約35cmの穴をつくり(穴の中心から次の穴の中心まで約70cm)、元肥として、油粕、有機配合肥料、腐葉土を各穴に入れ、土とよく混ぜ合わせる。(参照:肥料成分表)
“1に種、2に肥料、3に手入れ”と言われるように、種の吟味は重要である。
3個のプランターを用意し、菜園から上質な土を高さ10cm位入れ、さらにその上に、市販されている培養土を5cm位かぶせ、表面から10cm位の土をかるく混ぜ込む。
苦瓜は温暖を好み、冷温に弱いため、気温が十分に上がって(摂氏25度以上)から蒔いた方がよいと言う。
過去の経験からして、発芽率が60%以下なので、種子を余分にコップの水に浸ける。
各プランターに、約10cm間隔で、深さ約2cmの溝をつくり、2日前にコップの水に浸けた種子で、コップの底に沈んでいる種子を、蒔床の溝に約8cm間隔で蒔き、2cm位覆土する。
蒔床の土の水分の蒸発を防ぎ、湿り気を保つために、蒔床の全面に細かい落ち葉や枯れ草を敷いて、水をまき、蒔床を日当たりのよい場所に置く。気温が十分に上がってないので、蒔床をビニールで覆って保温する。