第六回
冷凍保存のコツ


冷凍するものしないもの

冷凍は便利です。余っているものでも冷凍しておけば、ずっと後になってから解凍するだけで調理の手間隙を省いてくれます。
ですが、なんでも闇雲に冷凍してしまうのは考え物。食材の中には冷凍に適さないものもあるからです。その代表例がジャガイモ。ジャガイモが入っていると、カレーやシチューでも冷凍し解凍するとジャガイモがドロドロになっておいしくなくなります。カレーを冷凍する前提であれば、ジャガイモは食べるだけ別に煮て、残ったらジャガイモ抜きのカレーを冷凍するようにしましょう。
他にも生野菜は中の水分が細胞を破壊してしまいますし、豆腐、こんにゃくなどは、中から水分が出てスポンジのようになるそうです。

こうした特性を逆手に取ったのが、シャーベット。果物を冷凍すると、細胞が破壊されて食べやすくなるというわけです。

急・小・密が合言葉

急速に冷凍する

冷凍する際に大切な点は、すばやく冷凍するということです。そのためには、熱いものはあら熱を取っておく必要があります。また、最近の冷凍庫はステンレスのシートが搭載されているモデルもあり、このステンレス部分に冷凍したいものを載せれば、すばやく冷凍できるようになっています。
形状もできるだけ小さく、平たくなるようにしておけば、より冷却されやすくなるでしょう。

小分けにして冷凍する

急速に冷凍することにも関わりがあることですが、食品を冷凍する時には小さく分けて冷凍するようにしましょう。一度に利用する分に分けておけば、無駄な手間が省けます。魚なら一切れずつ、肉ならある程度の量(たとえば100gとか)に分けてラップで包みます。冷凍するまでに手間をかけておけば、あとから便利に利用できるのです。
分けるのが面倒と感じるなら、市販の冷凍食品のトレイを取っておきましょう。大抵小さく分けられているので、このトレイに入れて冷凍すれば、自然に小分けができるという寸法です。

密封して冷凍する

冷凍後の最大の敵は乾燥と霜です。肉などは乾燥してしまうと風味が落ちるだけでなく解凍もうまくいかなくなります。また、いったん解凍したものが再凍結したときなどには、あふれ出た水分が霜となって食品の細胞を破壊し、風味を落としてしまいます。
乾燥も霜も、きっちりと密封しておけば防げるトラブルです。自宅で冷凍する場合には、きっちりとラップで密封しましょう。また、市販の冷凍食品が余った場合には、食品を包んでいたパッケージ袋ではなく、冷凍保存用の袋に移し変えておく方がいいでしょう。

上手に冷凍・上手に利用

冷凍しても永遠に保存できるということではありません。保存期間は三ヶ月程度が目安です。また、冷凍したものを料理に活用してあげないとそのままごみ箱行きとなってしまいます。肉や魚は低温で(つまり冷蔵庫内で)ゆっくりと解凍するか、水が入らない状態で流水に晒して解凍する方法がベター。電子レンジでの解凍は、ムラができやすいので、柔らかくなる程度の時間設定にします。(電子レンジの回を参照
市販されている冷凍野菜類は、あらかじめ熱が入った状態なので、調理時間は短めで十分。解凍ついでにレンジで過熱というのも手間が省けます。


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