Title	フィフス・エレメント
Date	10/16/1997
Theater	丸の内ルーブル
Directed by	Luc Besson
Starring	Bruce Willis Gary Oldman Milla Jovovich Chris Tucker
story	２３世紀、元統一宇宙連邦軍で今はタクシー運転手のコーベンの車に警察に追われる女リールーがビルから飛び降りて来る。リールーの美しさにひかれたコーベンは警察をまいて彼女を逃がしてやる。実は彼女こそ地球に迫りつつある邪悪な反生命体から地球を守る風、土、水、火に次ぐ第５の要素”フィフス・エレメント”でありコーベンは地球を守るため彼女と共に風、土、水、火の４つの要素を表す４つの石を探すことになる。一方、反生命体と手を組む武器商人ゾークも４つの石を狙っていた。
valuation	ストーリーはモロにＢ級ＳＦですが、テンポの良すぎるぐらいの速い展開と登場人物の魅力で楽しませてくれます。 特に後半ＤＪルビーが登場してからは爆笑の連続で、これが「レオン」の監督か？と思わせるぐらいの変調ぶりですが、「レオン」の監督という先入観を抜きにすれば気軽に楽しめる作品になってます。 ラストも見え見えの展開ですがMilla Jovovich演ずるリールーという魅力あるキャラクターに救われ醒めることなく感情移入出来ました。 その外、４つの石の在処を知る歌姫ディーヴァの歌とリールーの格闘シーン、をはじめとしてエリック・セラの音楽が映画を盛り上げていました。 残念だったのはGary Oldmanがあっけなく爆死してしまいましたが、やはり反生命体と手を組む敵役ですから最後まで生き延びてBruce Willisと対決してほしかったなあ。 前作「レオン」の時のような強烈な怪演を期待していたため肩透かしを食らった気がします。 さすがにこの作品ではJean Renoが演じられる役はなかったのでしょうが、冒頭のエジプトのシーンの考古学者役ぐらいなら出来たかな？

Title	ポストマン・ブルース 　…★
Date	10/ 9/1997
Theater	シネマ・カリテ
Directed by	サブ
Starring	堤 真一 大杉 蓮 堀部 圭亮 遠山 景織子
story	郵便配達夫の沢木はある晩、はがきを届けたアパートで高校時代の同級生野口と再会する。 野口は今はヤクザとなり、しかもシャブに手をつけ警察からマークされていた。 その野口のアパートに入ってしばらく出てこなかった沢木にも警察のマークがつく。 実は野口とは世間話程度しか話さなかった沢木だが、野口の「ドキドキすることあるか？」 という一言がひっかかり、持ち帰った郵便物を次々に読み漁るが、ガンにかかった少女の 手紙が目にとまり病院へ彼女を尋ねて行く。そこで偶然殺し屋ジョーと話をしたことから 沢木に対する警察のマークはますます厳しくなる。
valuation	当日の夕方、会社の同僚に誘われサブの作品に対する予備知識が全く無いままこの作品をみたのですが、自分の予想が次々に裏切られ、次はどんな展開になるのか、すっかりサブ監督の術中に嵌まってしまいました。 基本的にはガンにかかった少女小夜子と沢木の心の交流を軸に、警察の勘違いから殺人犯に間違われていく一種の巻込まれ型の映画で、このエスカレートする警察の勘違いが笑いを誘います。 また、ストーリー自体の面白さに加えて、小夜子の身体の中の殺し屋＝ガンを殺すためおもちゃの拳銃で 打ち続けるシーンや、殺し屋ジョーが子供の頃遊んだ海辺に隠した水鉄砲と本物の拳銃を構えるシーン、ラスト近く３人で自転車を走らせるシーン等ノスタルジックで印象に残るシーンがいくつかありました。 役者では子供のように嬉しそうに自転車をこぐシーンが印象に残る沢木役の堤 真一、淡々と話を聞かせる殺し屋ジョー役の大杉 蓮が存在感あり良かったです。 笑いあり、心に染みるシーンありと大満足の映画ですが、出来ればラストは生きて沢木と小夜子を再会させたかったかな。

Title	アナコンダ
Date	9/27/1997
Theater	渋谷東急２
Directed by	Lewis Rossa
Starring	Jon Voight Eric Stolz Jennifer Ropez Ice Cube
story	密林の謎の部族”霧の民”のドキュメントを撮ろうと撮影隊がアマゾン川を上流へのぼる。 途中、船が故障して立往生していたハンター、サローンを助け彼も一行に加わる。 実はサローンは体長１２ｍの大蛇アナコンダの生捕りに執念を燃やしており、撮影隊一行を騙しアナコンダの生捕りに撮影隊を巻き込んでゆく。そして、一人また一人と撮影隊員がアナコンダの餌食に．．．
valuation	この映画の最大の売物であるアナコンダのＣＧですが、やはり、ちょっと周りから浮いていました。 しかし、動き自体は本当によく研究されていて、蛇の動きを再現してました。 一時期流行っていた動物パニック物ですが、ハリボテでなくＣＧで再現されたアナコンダの動きが速く、かっての動物パニック物のようにその姿を現して一気に白けてしまう、ということはなく、上映時間も1時間29分と短かったので最後まで楽しませてもらいました。 Eric Stolzがもう少し活躍すると思ってたのですが、今回はJon Voightの毒気にあてられお休み状態でした。Jon Voightは昔のさわやか青年から脱皮し、あぶない役が出来る役者になりましたね

Title	コンタクト 　…★
Date	9/14/1997
Theater	渋谷東急２
Directed by	Robert Zemeckis
Starring	Jodie Foster Matthew McConaughey Tom Skerritt John Hurt
story	天文学者エリーはニューメキシコの観測施設で観測中にヴェガからの信号を受信する。 これは地球外生命体からのメッセージであり、しかもヴェガへ向かうための宇宙間移動装置の設計図も含まれていた。 乗組員の候補となったエリーだったが、彼女の神を信じないという発言が問題となり元上司ドラムリンが乗員することになった。 しかし、狂信者のテロにより宇宙間移動装置が爆破されドラムリンも帰らぬ人に。 こうして計画は頓挫したかに見えたが．．．
valuation	さすがにカール・セーガン原作だけあって同じくファースト・コンタクトを描いた「未知との遭遇」のような俗っぽいところを削ぎ落とした超真面目映画になってます． 特にＣＧ合成によるクリントン大統領の出演？、ＣＮＮ等のメディア報道シーンの多用により徹底してリアリズムを追求し、臨場感を出しています。 但し、監督がRobert Zemeckisですから観客を引き込むツボを心得た演出で、観客の好奇心・探求心を刺激し最後まで飽きさせません． そして、エイリアンをクリーチャーにせずエリーの父親の姿にしたのも作品のカラーを壊さずＧＯＯＤ． しかし、信仰に関する言及がかなり多く、下手をすれば宗教映画ともとられかねないぐらいでしたが、これは日本と違いキリスト教圏では仕方のないことなのでしょうか．．． 役者では、ドラムリン役のTom Skerrittがいかにもいそうな感じで良い味出してました． 期待していたJames Woodsは今回は迫力なし、John Hurtの代わりにハデンを演じた方が良かったか？ いつも泣きそうな目のDavid Morseは出番は少ないものの儲け役で好演。 しかし、北海道アイランドにはまいったなあ。

Title	バウンド 　…★
Date	8/ 2/1997
Theater	シャンテ・シネ１
Directed by	Andy Wachowski & Larry Wachowski
Starring	Jennifer Tilly Gina Gershon Joe Pantoliano John P Ryan
story	盗みのプロ、コーキーは相棒の裏切りにより５年間刑務所に囚われていたが、出所後配管工として働いていた． 隣室に住むマフィアのシーザーとその情婦ヴァイオレットとエレベーターで一緒になり、コーキーとヴァイオレットは互いにひかれあう． やがてヴァイオレットからマフィアの金２００万ドルの横取りを一緒にやろうと誘われたコーキーは、かっての相棒の裏切りの苦い経験が 気になりながらもヴァイオレットに加担する．
valuation	メインキャストも少なく、場所もマンションの２つの部屋がほとんどで、舞台の推理劇のようなサスペンス映画の佳作． 「目撃」もそうでしたが、派手なアクションを削り、サスペンスを盛り上げ観る者の感情移入を深めることが出来てました． 特に壁一枚隔ててJoe PantolianoがGina Gershonに電話をかける場面は自分がその場にいるような緊迫感がありました． また、短いショットを挿入し、観客の想像をかきたて、その後に意表を突く展開が待っており心地好く観客をハメてくれます． 主役３人も良かったですが、時々出て来て紳士然とした振る舞いの裏で、平気でどギツイことをするミッキー役のJohn P Ryanが抜群の存在感を出してました．

Title	乱気流 -タービュランス-
Date	8/ 1/1997
Theater	渋谷東急２
Directed by	Robert Butler
Starring	Ray Liotta Lauren Holly Ben Cross
story	クリスマス・イブ、スチュワーデスのテリーの搭乗するジャンボ機にロサンゼルスに護送するため連続殺人犯ウィーバーと銀行強盗犯の二人が刑事と ともに乗り込む．４人の刑事がついていたが、トイレに行った際、銀行強盗犯が刑事の一人を殺し拳銃を奪い機内で銃撃戦が始まる．ウィーバーの加勢に より強盗犯を倒すことが出来たのも束の間、銃撃戦に巻き込まれパイロットが死亡． 幸い自動操縦になっていたもののロサンゼルスへの進路には乱気流が待ち構えていた．一方、ウィーバーもその本性を現して来た．．．
valuation	題名と予告編を観たときは航空パニック・アクション映画だと勝手に思い込んでいましたが、こんなサイコな映画だったとは． しかもジャンボ機を空飛ぶ密室にしてLauren Hollyを逃げ惑わせる離れ業を出すとは、完全に一本取られました． 予告編ではLauren Hollyばかり目についていましたが、本編を観るとRay Liottaの怪演に食われてしまいました． 特に、生き残った乗客・乗員を乗員控え室に閉じ込め、ジャンボ機が二人だけの密室と化してからのRay Liottaのイッてしまった怪演は強烈でした． Ray Liottaは当分この路線でいくのかなあ、「フィールド・オブ・ドリームス」のころが懐かしい．．． Ray Liottaと対照的にLauren Hollyを導くBen Crossは抑えた演技で一服の清涼感が漂い儲け役でした．

Title	ロスト・ハイウェイ
Date	7/ 5/1997
Theater	渋谷東急３
Directed by	David Lynch
Starring	Bill Pullman Patricia Arquette Barthazar Getty Robert Loggia
story	テナーサックス奏者のフレッドの家の玄関先にある朝ビデオテープが置かれていた． フレッドが妻のレネエとそのビデオテープを見てみると、最初は玄関先であったが、カメラは家の中まで入り込み、 二人の寝姿まで映し出していた． 驚いた二人が警察に通報するが、犯人は特定出来ず、警察は監視を続けるに留まる． その後、フレッドはまたもビデオテープを受取り、それを見るとフレッドがレネエを殺しているところが映し出される． フレッドは監視していた警察に捕まり刑務所へ入るのだが．．．
valuation	真っ暗なハイウェイを疾走するオープニングから、この先どうなって行くんだろうとぐいぐい引っ張り込まれます． 超自然現象的展開に「勘弁してくれよー」と思いつつ、Lynchがどう落とし前を着けてくれるか変に期待してしまいます． しかも少しでも油断すると、ただでさえ難解なLynch物が更に難解になってしまいそうで緊張感をもって観てました． また、Patricia Arquetteを始め出て来る役者が異常な存在感があり、映画全体を活き活きさせてます． 特に、ミステリーマンを演じたRobert Blakeは、これがあのBlakeかと思わせる超ブキミな白塗りメイクで場面をさらいます． Robert Loggiaも交通道徳にうるさい親分役でなかなかの迫力です． 「アメリカの災難」ではイマイチだったPatricia Arquetteが大復活！色っぽかったー．

Title	うなぎ 　…★
Date	6/14/1997
Theater	渋谷東急２
Directed by	今村昌平
Starring	役所広司 清水美砂 佐藤允 柄本明
story	浮気が原因で妻を殺した山下が仮出所し保護司の住職に連れられやって来た．山下は服役中に身に付けた床屋の資格を活かし川沿いの今は閉店中の床屋を借り店を開く． 床屋には近くに住む船大工の高田をはじめＵＦＯを呼び寄せようとする青年等が集まって来る．しかし、山下にとって唯一心を許せる相手は服役中から飼っているうなぎだけだった． そんなある日、山下は河原で女性が倒れているのを発見．その女性圭子は自殺を図っていたが、山下の通報により一命を取り留める． やがて圭子は山下の床屋で働きはじめる．
valuation	妻殺しの男が主人公であり、監督が今村昌平と来たらドロドロしたどちらかと言えば後味のあまりよくない映画では、という先入観が ありましたが、笑いあり、観終わってほのぼのとした気持ちにさせてくれる映画でした． 特に妻殺しの過去を持つ為、極力他人の深入りを抑えようとして来た主人公が圭子の気持ちを受け入れ、しかも圭子のお腹の子も受け入れるシーンは 素直に良かったなあ、と思いました． 元服役囚といい、主人公のストイックな性格といい、どことなく山田洋次の「幸福の黄色いハンカチ」を思い出させます． しかし、役所広司は豪快な役もやれば、こういうストイックな役も出来、巧い役者だと思います． 日本でストイックな役をやらせたら高倉健に次ぐ役者だと思います． それと清水美砂がＧＯＯＤです．私もお弁当つくって欲しい．．．

Title	マキシマム・リスク
Date	6/ 3/1997
Theater	渋谷東急
Directed by	Ringo Lam
Starring	Jean-Claude Van Damme Natsha Henstridge Jean-Hugue Anglade
story	南フランスの港町、刑事アランにそっくりな男の死体が発見された．その男、ミカエルは生まれてまもなく養子に出されたアランの双子の弟であった． ミカエルはアランに会いにニューヨークからフランスにやって来たが、何者かに追われており、彼らから逃れる途中誤って死亡してしまったのである． さっそくアランはミカエルの養子縁組を担当した弁護士に会いにパリへ行くが既に弁護士は殺されていた． 総ての謎を解くためアランはニューヨークへ向かう．
valuation	Van Dammeの作品ということでアクションに期待してましたが、格闘シーン、カーチェイス共に今一つ． 唯一おおっ、と思ったのは地下鉄のホームから飛び降りるシーンでしたが、あとが続きませんでした． ストーリーもＦＢＩとロシアマフィアを敵にしているが、その巨大組織ぶりが観客に全くアピール出来ておらず、 小者のイメージが拭いきれない． また、ミカエルが双子の兄アランの存在を知り何故組織を裏切る気になったのか、全く理解出来ず． そして、何故Jean-Hugue Angladeがこの映画に出演したかが最大の謎です． 全然マキシマムじゃなかった！

Title	目撃 　…★
Date	5/24/1997
Theater	丸の内ピカデリー２
Directed by	Clint Eastwood
Starring	Clint Eastwood Gene Hackman Ed harris Scott Glenn
story	一匹狼の盗みのプロ、ルーサーはある夜忍び込んだ財界の大物サリバンの屋敷で偶然殺人現場を目撃する．被害者はサリバン夫人、彼女は酔っ払った大統領の暴力に から逃れる為ペーパーナイフで大統領の腕を刺す．その時、叫び声を聞きつけたシークレットサービスに射殺されてしまったのだ．その場に駆けつけた主席補佐官 グローリアとシークレットサービスの協力により証拠を隠滅し大統領達が立ち去るのを待ち、屋敷から抜け出そうとしたルーサーだったが、証拠のペーパーナイフを取りに 引き返したシークレットサービスに見つかり追われるはめになる．．．
valuation	サリバンの屋敷へ忍び込んでからシークレットサービスに追われながら何とか逃げ果せる序盤からドキドキさせられ引きずり込まれます． この序盤と共に注目なのが、ルーサーが娘とカフェで待ち合わせるシークエンスで、警官は大勢待機している中、しかもシークレットサービスと サリバンに雇われたスナイパーの二人に標的にされるこの状況で、主人公が死ぬ訳無いとは思いますが、一体どうやって逃げるのか、何が起こるのか 胸ワクワクで観てました． ラストの盛り上げにも期待していたのですが、さすがに合衆国大統領相手に大立ち回りを演ずる訳にもいかず、割と静かな、いかにも”らしい” 結末になってます． 実は中盤で狙撃に失敗したスナイパーが真犯人を知ったサリバンの指示で大統領を狙撃してジ・エンドという結末を期待していたのですが、政治好きの Clint Eastwoodらしくあまり過激に走らなかったようです． 相変わらずGene Hackmanがいかにも老獪な巧く大統領を演じてました．「バード・ケージ」もそうですが、一癖ある政治家をやらせたらこの人の右に出る人はいないですね． 今回Ed harrisがいつもの元気がなかった代わりにシークレットサービス役のScott Glennがはまり役で、自殺させずに最後まで大統領を守ってほしかった．

Title	マイケル
Date	5/17/1997
Theater	渋谷東急２
Directed by	Nora Ephron
Starring	John Travolta William Hurt Andie MacDowell Bob Hoskins
story	シカゴの三流紙ナショナル・ミラーの記者クインランのもとに一通の手紙が届く．その手紙の送り主ミルバンク夫人の家にマイケルという天使が住み付いているというのだ． 胡散臭いながらもクリスマスシーズンには絶好のネタと、オーナーの司令のもと天使を連れて来る為、クインランと同僚の記者ヒューイ、ヒューイの飼犬でナショナル・ミラー紙の 人気者スパーキー、加えて急遽採用された新人女性記者ドロシーの一行がミルバンク夫人のところに向かう． そこに住み付いているマイケルという天使は、無精髭に超甘党で煙草をすいとても天使には見えなかったが、背中に翼が生えており、これだけでも話題になると考えシカゴへ連れていくことになる． 実はマイケルはある指命を持って降臨して来たのだが．．．
valuation	とにかくJohn Travolta演ずる型破りの天使マイケルの登場シーンが最高です． このシーン、アメリカだったら大爆笑だったと思います． その後も、コーンフレークに砂糖をかけまくる超甘党の食生活、行く先々で起こすトラブル・奇行で観るものを引き付けてくれ楽しいロード・ムービーです． しかし、ラスト近くでスパーキーを救うシーンはさすが天使様と思わせる良いシーンでした． John Travoltaに対し、一方のWilliam Hurtも抑えた演技で、Andie MacDowellと共に、段々と結ばれていく二人を自然に演じてました． 映画全体的には、変にお涙頂戴的に話を盛り上げようとしなかったのが結果的に正解だったような気がします．

Title	イルマ・ヴェップ
Date	5/ 3/1997
Theater	シネセゾン渋谷
Directed by	Olivier Assayas
Starring	Maggie Cheung Jean-Pierre Leaud Nathalie Richard Lou Castel
story	香港の人気映画女優マギー・チャンが映画の撮影のためパリへ招かれる．その映画は、イルマ・ヴェップという女泥棒が活躍するサイレント映画の 古典「吸血ギャング団」で、マギーは主役のイルマ・ヴェップを演じる． ヌーベル・バーグの巨匠であった監督ルネはマギーをイルマ・ヴェップ役として招いたが、本人は情緒不安定気味で撮影は思うように進まない． そんな中、フランス語の話せないマギーに気を使うのは、実はレズの衣装係ゾエだけだった． やがて、ラッシュ試写の出来に失望したルネが失踪する．．．
valuation	映画作りを題材にした映画ならすぐ「アメリカの夜」を思い出しますが、「アメリカの夜」がいろんなシーンの撮影の方法が描かれて映画ファンとしてうれしくなるのに対し、 この映画は監督の苦悩とマギーの戸惑いが中心で、しかもルネもマギーもいない試写映像で唐突なラストとなり観ているこちらが戸惑ってしまいます． しかし、イルマ・ヴェップの黒のラテックス製衣装を着て、自分のホテルを徘徊し、他人の部屋から宝石を盗み雨の降るホテルの屋上から宝石を投げ棄てるシークエンスは スリリングで美しく、これが観れただけでも拾い物です． Maggie Cheungはジャッキーの映画ではあまり印象に残りませんでしたが、この映画の彼女は大変魅力的でした．

Title	ロング・キス・グッドナイト 　…★
Date	5/ 2/1997
Theater	日劇プラザ
Directed by	Renny Harlin
Starring	Geena Davis Samuel L.Jackson Craig Bierko Brian Cox
story	サマンサは８年前に浜辺に流れ付いたのを発見され記憶喪失となっていたが、現在は夫ハル、娘ケイトリンとともに幸せな生活を送っていた． しかし、たまたまサマンサの姿がテレビのニュースに映し出されたことから、サマンサはＣＩＡ、犯罪組織の両者から命を狙われる． おりしも車で事故を起こしたサマンサは僅かながら記憶の一部を取り戻す． 一方、サマンサが失われた自分の過去を調べさせる為に雇った私立探偵ミッチが掴んだサマンサ宛の手紙を手掛かりにサマンサとミッチはネイサンという人物に会うため旅に出る． 待ち合わせの駅に辿り付くが、何故か突然武装集団に襲撃され、咄嗟に反撃何とか逃げることが出来たが．．．
valuation	面白い！ 好きなんですよ、この手の過去の記憶を無くした主人公が、その無くした過去のために命を何者かに狙われ、主人公は彼らから逃走、抵抗していくうちに徐々に過去が明らかになっていく． ロバート・ラドラムの小説「暗殺者」の主人公ジェイソン・ボーンに代表されるこの手の主人公に今回のサマンサもダブります． ストーリーだけでなくサマンサ役のGeena Davisがバリバリにカッコイイです．「グロリア」のジーナ・ローランズに匹敵するタフなヒロインです． Renny Harlinらしく火薬使い放題のド派手なアクションの連続ですが、特に、サマンサとミッチが手榴弾を投げられ駅の３階から飛び降り下の湖の氷をマシンガンでぶち抜くシーンが最高にカッコイイです． Samuel L.Jacksonも人の良い探偵役を好演でした．しかし、結局ケイトリンは誰の子だったのか説明のないまま終わったのが気になります．

Title	百一夜
Date	4/29/1997
Theater	シネセゾン渋谷
Directed by	Agnes Varda
Starring	Michel Piccoli Marcello Mastroianni Julie Gayet Mathieu Demy
story	映画百年の年．あらゆる映画の製作に関って来たという伝説の人、ムッシュ・シネマも百才を迎え、惚け防止のため百一夜にわたり女性に映画に関するお話をしてもらうことになった． そのアルバイトを引き受けたカミーユは、そのアルバイト料の高さとともに、マルチェロ・マストロヤンニ、アラン・ドロン等ムッシュ・シネマを尋ねて来る大スターに会えて大喜び． 一方、ムッシュ・シネマの曾孫が失踪していることを知ったカミーユは、映画監督志望の恋人ミカの映画製作資金を集めるため偽の曾孫をムッシュ・シネマに引き合わせ、遺産を頂こうと一芝居打つが．．．
valuation	ムッシュ・シネマの曾孫の失踪に絡むカミーユ達の芝居というサイドストーリーはあるものの基本的にはムッシュ・シネマとカミーユとマルチェロ・マストロヤンニを狂言回しとした映画の回想です． 映画の話の最中に挿入される懐かしの映画、ゲスト出演するスター達、ＢＧＭで流れる映画音楽、おまけに話が変わるとともにいつのまにか張り替えられるムッシュ・シネマの部屋の中の映画関係の人物写真、映画のポスターに思わず微笑み たくなります． 映画ファンには見ているだけで心うきうき幸せな気分になれる映画です． しかし、アラン・ドロン、ジャン・ポール・ベルモンド、カトリーヌ・ドヌーブ等昔観た彼らの代表作と比べふけてしまったなあ．．．

Title	ネゴシエーター
Date	4/27/1997
Theater	渋谷ジョイシネマ
Directed by	Thomas Carter
Starring	Eddie Murphy Michael Wincott Michael Rapaport Carmen Ejogo
story	サンフランシスコの人質事件のネゴシエーター（交渉人）として署内で一目置かれていたローパー刑事のもとへ元ＳＷＡＴの狙撃手マコール刑事がコンビとしてやってきた． そんな矢先、ローパーの同僚サムが宝石強盗犯コーダの捜査中に彼に殺害される．サムと一緒に行動していれば、と悔やむローパーだったが、サムと親しかったことから捜査からはずされる． やがて、コーダが宝石店を襲撃し、逃走に失敗し人質を盾に宝石店にたてこもる．ネゴシエーターとして現場に急行し交渉するローパーだったが、ＳＷＡＴのフライングでコーダが車で逃走してしまう． サンフランシスコの坂道を車・ケーブルカーを利用し逃走するコーダを、マコールとともに何とか逮捕したローパーだったが、執念深いコーダは刑務所を脱獄、ローパーの恋人ロニーを人質にとってしまう．．．
valuation	所々笑わせるシーンもありますが、「ビバリーヒルズコップ」と違いEddie Murphyがマジにアクション＆サスペンスに取り組んだ刑事物です． 特に、サンフランシスコと言えば必ず出て来る坂道を縦横に使ったカーチェイスは見せてくれます． 今回は、車が横転してしまい坂道を走るケーブルカーに犯人が乗り込み、車とケーブルカーによるチェイスが真新しくハラハラさせてくれます． コーダ役のMichael Wincottが冷徹な犯人を好演し存在感をアピールしており、Eddie Murphyのワンマン映画におわっていなかったのもGoodでした． 監督のThomas Carterは所々デ・パルマっぽい演出でサスペンスを盛り上げていて、次回作にも期待したいです．

Title	マーズ・アタック！
Date	4/18/1997
Theater	丸の内ピカデリー１
Directed by	Tim Burton
Starring	Jack Nicholson Glenn Close Pierce Brosnan Annette Bening Michael J.Fox
story	火星から地球に無数の円盤が襲来して来た．火星人は地球を侵略しに来たのか、あるいは、平和の使者なのか？ 全人類が見守る中、火星人を平和の訪問者と信じる合衆国大統領デイルは、タカ派の将軍の反対を押し切り火星人を歓迎することを決断する． 火星人との初遭遇を撮ろうとテレビ局が集まる中、火星人が円盤から降りて来た．最初は友好的ムードであったが、突如攻撃を開始し始める． 核攻撃も行うが、火星人には通用せず、人類全滅が刻々と近づいていた．．．
valuation	予告を見ていた限りでは、大爆笑の火星人襲来映画だと思っていましたが、やはりTim Burton、独特の世界を築いていました． オープニングのチープな円盤の大軍団からTim Burton色プンプンです． 笑いはブラックなものが多く、結構エグいシーンもあり笑うに笑えない映画でした． アメリカ人にはこういう映画果たしてウケるのだろうか？ナゾです． 役者も「インデペンデンス・デイ」の向こうを張って大演説をぶつJack Nicholsonはまだいいにしても、Michael J.Fox、Danny Devitoはあっさり骨にされてかわいそうでした． Natalie Portmanも「レオン」の時のような魅力が引き出されてなく残念です．

Title	スリーパーズ
Date	4/14/1997
Theater	渋東シネタワー
Directed by	Barry Levinson
Starring	Jason Patric Brad Pitt Kevin Bacon Robert De Niro Dustin Hoffman
story	ニューヨークのマンハッタンでヘルズ・キッチンと呼ばれる犯罪多発地区に住む４人の少年マイケル、シェイクス、ジョン、トミーは 何気ないいたづらから誤って人を植物人間にしてしまい少年院に収容される．そこで彼らはノークスをはじめとする看守たちの虐待・性的暴行にさらされる． 彼らは出所後、少年院での出来事での悲惨な出来事を誰にも話さず忘れ去ることにした．しかし、十数年後、殺し屋となっていたジョンとトミーは偶然ノークスと出会いその場で射殺する． その頃、検事補となっていたマイケル、新聞記者となっていたシェイクスはかっての復讐のため、ジョンとトミーを無罪にしノークスたち看守の旧悪を訴追する計画を進める．
valuation	ヘルズ・キッチンでの４人の無邪気な生活が短いながら丁寧に描かれていて、人生を変えることになる、彼らのいたづらが巻き起こした事故の衝撃の大きさがこちらにも伝わる． また、少年院での彼らの悲惨な生活もヘルズ・キッチンでの無邪気さとのコントラストで強烈に印象に残ります． Barry Levinson監督は相変わらず丁寧なストーリーテリングで観客を映画の世界へ引き込むのが巧いですが、引き込まれるのはここまでで、後半の裁判が始まると急にトーンダウン． 思うに、検事側Brad Pitt、弁護側Dustin Hoffman共にジョンとトミーを救うのが目的で、言わば出来レースであり、虚々実々の駆け引きにより裁判の結果がどうなるのか、というサスペンスが足りないのが敗因． 前半が快調だっただけに残念でした． 役者では、４人の良き理解者でやくざ上がりの神父役のRobert De Niro、看守ノークス役のKevin Baconは良かったけど、弁護士役のDustin Hoffmanいまいちでした．