欧米食の影響で少量化

 教授は、近畿地方のOL300人の朝食と便秘の関連を調査したことがある。7割は朝食をきちんととらず、その半分以上は便秘だった。最近は80グラム程度しか弁をしない人が多いという。
 「このままじゃ、日本人のうんこはベチャベチャで形がない欧米人型になる。大腸ガンなども増えるでしょうな」
 どうやら時代とともに変化するようだ。
 植物繊維に詳しい姫路工業大学の辻啓介教授が一枚の写真を見せてくれた。太古のアメリカ先住民族の便。麦わらや羽毛、種子・・・1回分の便から繊維質が150グラムも出てきた。今の日本人の10倍、便の量に換算すればキロ単位だ。


 専門家の間で有名なエピソードがある。太平洋戦争中、米軍が日本軍の露営地後を調べ残った便の量から兵力を推測しようとした。だが、捕虜から聞くと、実際の兵力は推測した数よりはるかに少なかった。当時の日本人は、アメリカ人が驚く量の便をしていたのだ。
 辻教授は「日本人のウンコは戦後50年間で様変わりした」という。原因は植物繊維摂取量の変化。同教授らの分析では、戦後直後は一人あたり1日27グラムだったが今では15グラムだ。食事の欧米化の影響が大きい。「一升飯を食べた時代は、繊維を十分にとっていたんですね」
 糖尿病などの発生と植物繊維の摂取量の関連を調べた結果、辻教授は繊維の必要量を22.5グラムとはじき出した。辻教授の「快便」像は・・・


さらに次に進む