桃の節句をひもとくと

【桃の節句】三月三日の節句をいう。上巳(ジヨウシ)。
・・・これではさらに釈然としないですよね。それでさらに調べを・・・・「節句とは?」

【節句・節供】
節日、すなわち人日(一月七日)・上巳(三月三日)・端午(五月五日)・七夕(七月七日)・重陽(九月九日)などの式日。その日に供される供御(クゴ・主として天皇の飲食物をいった語)を節供(セチク)といった。
 (関連語句)―‐せん【節句銭】、―‐だおし【節句倒し】‥ダフシ、―‐はじめ【節句始め】、―‐ばたらき【節句働き】

【節句銭】 節句や盆暮に借家人から家主へ付届けをする金品。伎、勧善懲悪「掃除代はやられないが節句銭や釣瓶(ツルベ)銭は、化粧料にこなたにやる気だ」

【節句倒し】‥ダフシ「せっくばたらき」に同じ。

【節句始め】 初節句(ハツゼツク)に同じ。 遊女がその郭で迎える最初の節句。 七日正月のこと。
(→【初節句】生れた子が初めて迎える五月五日(男)または三月三日(女)の節句)

【節句働き】
 節句の日には人は仕事を休むのに、ふだん怠けている者が自分だけことさら忙しそうに働くこと。「なまけ者の―」

・・・ということは、昔は一桁の奇数月ごとに仕事を休みにしていたのが節句だということがわかりました。うーむ、むずかしい。

桃の節句を別の視点から

1.桃は、「生命力」「不老」の象徴でもあります。
「桃」の文字は「木」へんに「兆」と書きます。日本では、これが「兆ほどもたくさんの実(子供)をならせる」と解釈され、安産をはじめ「強い生命力」の象徴とされました。魔を払う力があるという俗信も、すでに約千三百年前の『古事記』に出てきます。また桃の実は栄養価も高く、病魔を退散させると考えられていました。さらに、鬼を退治するとされ、桃太郎の物語にも結びつくことになります。

「桃太郎」はももから生まれたのではない!!

古い記録では、桃太郎の話は「お婆さんが桃を川で拾う」のではなく、夫妻が桃を食べて若返り、元気な赤ん坊を産む話になっているようです。・・・

2.桃は、また「平和」の象徴でもあります。
有名な中国の「桃源郷」は、秦の世の戦乱を避けて、桃または桃に囲まれた別天地に隠れ、五百年以上も平和に暮らしていた人々の物語です。また、周の武王は、殷の紂王を破ったあと、「軍備撤廃」を示すために、牛を桃の林に放ったといいます。(中国の古典『尚書』による)『三国志』で、劉備、関羽、張飛が戦乱の世を救う誓いを行ったのも、「桃の園」でした。「桃園に義を結ぶ」の古事として有名です。

 このように、「桃の節句」には、「遊楽」「生命力」「平和」の意義があります。
その意義において、この日は楽しい1日であり、この日を迎える1年ごとに若々しくありますよう願っております。

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