今年は蛇年

かめ 「ふぁ〜、眠い。何だかんだとTVで除夜の鐘を聞いてからけっこう遅くまで起きてたからな。それにしてもミミのやつ結局泊まっていったが、本当に帰らなくてよかったのか?けっこうこっちにいりびたってるから新年くらいは家族で迎えたほうがいいと思うんだが。今からでも帰すか。」
  ”コンコン”
かめ 「ミミ?」
  ”…”
かめ 「まだ寝てるのか?う〜ん、下手に開けたら殺されそうだしな。ん?なんだか良い匂いが台所のほうからするな。」
  ”ドタドタドタ…ガチャ”
ミミ 「あっ、起きてきたわね。」
かめ 「もう起きてたのか。あのなミミ。」
ミミ 「ほら座って、座って。おせち料理はもう出てるから。」
かめ 「あれ?おせちは面倒だから作らないって言って…じゃなくてミミ、正月ぐらい家族で過ごしたほうがいいんじゃないか?」
ミミ 「え〜、でもさぁ」
かめ 「でも?」
ミミ 「お年玉ももうもらえないし、帰ってももお母さんのお手伝いさせられるだけだし。」
かめ 「そんなのは問題じゃないだろ!なにいって」
ミミ 「それにさぁ、あたしがいなかったらあんた一人ぼっちじゃない。お母さん達には悪いと思うけどあんたのほうが心配だわ。あたしがいない間、お正月だっていうのに寂しくカップ拉麺ばっかり食べていそうで。」
かめ 「ミミ…。」
ミミ 「さあ、座って。おとそ飲んでおせち食べて。お雑煮も作っておいたから後で食べましょう。あたしは夜になったら帰るから心配しないで。ね?」
かめ 「すまんなミミ。」
『しかし…』
ミミ 「ふふふんふんふん♪」
かめ 『和服に割烹着っていうのもいいなぁ。いかにもお母さんって感じで。』
ミミ 「なに?」
かめ 「いっ、いやその…」
  ”チン!”
ミミ 「あっ、おとそがおかんできたみたい。」
かめ 「”チン”って電子レンジでおかんするなよ。というかおとそをおかんするな!」
ミミ 「いいじゃない、どうせ飲むなら美味しいほうがいいし、この寒いのに冷やもないでしょう。けど一々おかんしてたら大変なのよ。」
かめ 「それはそうかもしれないけどな」
ミミ 「まあまあ、それよりも。」
  ”ぺたん”
かめ 「なんだよ、みつゆびついて」
ミミ 「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」
かめ 「ん。あけましておめでとう。こちらこそよろしくな。」
  ”シャ〜”
かめ 「なんだ?なんでこんなところに蛇が、うわぁ!」
ミミ 「ああ、今年は蛇年だし縁起物の白蛇でも後で蒲焼きにしようと思って…なにしてるの?」
  ”シャ、シャ〜”
ミミ 「なにやってるんだか。あっ、皆さま明けましておめでとうござます。今年もよろしくおねがいします♪」