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3. 8.4GB 以上の認識

3.1 マザーボードの確認

ハードディスクを買う前にマザーボードのシステム BIOS が 8.4GB 以上を認識で きるのか調べておくとよいでしょう。対応してない場合、対応した BIOS の最新版 があれば、それに書き換えればよいのです。パソコンメーカやショップに問い合わ せるか、そのホームページ、自作の場合はマザーボードや BIOS メーカのホームペ ージをチェックします。

参考:マザーボード会社リンク http://www.orion-p98.co.jp/ntt/mblink.htm

BIOS を 8.4GB 以上対応版に更新できない場合は、8.4GB 以上に対応した EIDE の インタフェースカードを買ってくるという手があります。あるいは、この際思いき ってマザーボードを買い換えてしまう方がよいかもしれません。

3.2 ディスクマネージャ

BIOS の ROM はそのままで、ディスクマネージャーと呼ばれるソフトを使って 8.4GB の壁を越える方法もあります。ディスクマネージャーは、ハードディスク メーカの WEB ページからダウンロードできます。考慮すべき問題点もあります。 以下に、JF の Large Disk mini-HOWTO という文書から引用します。

BIOS が "Large" とか "LBA" を使用できない場合でも、ソフトウェアによって なんとかすることができます。OnTrack や EZ-Drive といったディスクマネージ ャーは、BIOS のディスク関連ルーチンに代わってディスク制御を行います。 一般には、ディスクマネージャーのコードを MBR と MBR に続くセクター (OnTrack は DDO : Disk Dynamic Overlay と呼んでいます)に埋め込んでおくこと でこれを実現します。MBR に埋め込まれていますので、こういったコードは他の オペレーティンシステムよりも早く起動します。そして、これがディスクマネージ ャーが組み込んであるシステムをフロッピーから起動すると問題がおきる理由です。 ディスクマネージャによる変換は、BIOS による場合と似たようなものです。 しかし、特に異種 OS を同じディスク上で走らせる場合、ディスクマネージャーは 多くの問題を起こし得ます。Linux は 1.3.14 からは OnTrack に、1.3.29 からは EZ-Drive に対応しています。
このあともう少し詳しい説明が続くのですが、引用はここまでにします。上記のよ うに OS が 1 つだけなら良いのでしょうが、ディスクマネージャーが MBR を使う ので LILO などのブートマネージャとは共存できないと思います。何れにしても、 これを試してみようという場合は、この Large Disk mini-HOWTO とディスクマネ ージャに添付されているドキュメントを詳しく読んだ方がよいでしょう。

3.3 フラッシュ BIOS の書き換え

私は 1996年製造の TYAN S1562S という古いマザーボードに 20GB のハードディス クを接続したのですが BIOS は 8.4GB としか認識しなかったので TYAN のホーム ページから最新版をダウンロードして書き換えてみました。結果的にはうまくいか なかったのですが、こーゆーこともあるという例を紹介します。

BIOS の書き換えは、非常に危ない作業です。下手をするとパソコンが全く動作しな くなることもあります。メーカの保証外なので自信が無いときはやめた方がよいで しょう。マニュアルやマザーボードメーカのホームページにある注意書きは、よく 読んで理解しておく必要があります。ちなみに、私のマザーボードのマニュアルに は以下のような注意書きがあります。

フラッシュメモリ書き込みユーティリティは、リアルモードで動かすこと。 即ち、プロテクトモード、仮想386モードでは動作しない。この意味は Windows や メモリマネージャ・ソフトの上では動作しないということです。 従って最初にメモリマネージャを無効にすること。最も簡単なのは

私のマザーボードの元の BIOS のバージョンは 2.02 でホームページには、2.22, 4.01, 4.02 と3 つのバージョンがありました。 4.01 はバージョン 3.xx または 4.xx オンリーであると書いてあるので 2.22 と 4.02 の 2つをゲットしました。4.01 がだめなら 4.02 もだめそーな気がするの ですが明記されてないので、あわよくば動くかもと期待したのです。

入手した s56aw402.zip を解凍すると AwdFlash.exe というフラッシュ BIOS の書 き換えユーティリティと s56aw402.bin というフラッシュ ROM に書き込むデータ が入っています。この2つのファイルをフロッピーに書き込みます。

Windows95 のブートディスクでマシンを立ち上げ、"Starting Windows95..." と表 示されたところですかさず F5 キーを押し、フロッピーを入れ換えます。 DOS のプロンプトで

  A:> AwdFlash
と入力して、フラッシュメモリ書き込みユーティリティの画面で S56AW402.BIN のファイル名を入力します。すると
  Do you want to save BIOS(Y/N) ?
と聞いてきます。これは、書き換え前の現在の BIOS をフロッピーにセーブして おくかという意味で、「必ず」「絶対に」セーブしておく必要がありますから Y と答えます。 セーブしておかないと取り返しのつかないことになって泣きを見る場合があります。 私はセーブしておいたので後述のように、泣かずに済みました。

フラッシュメモリの書き込みが終ったら、一度電源を切り、マザーボードの CMOS メモリをクリアするジャンパ設定をします。これは以前の BIOS 設定内容を消去す るためです。その後マシンをリブートすると、BIOS 設定画面でハードディスクは 2,494シリンダ, 255ヘッド, 63セクタで 20,515MB と認識しています。 やった〜成功だぁ、と喜んだのも束の間、続く BIOS 起動処理で

  Secondary master hard disk fail. 
と表示して止まってしまい OS をブートするところまでいきません。

う〜む、やはりバージョン 4.02 はだめだったなぁ〜というわけで 2.22 に書き換 えたら、これは 8.4GB しか認識しません。しかもブートするたびに何故か現在時 刻の「年」だけが 1996 年になってしまう (月日時分秒はちゃんと記憶している) という奇妙な現象が出ました。Y2K バグかも。

これでは使い物になりません。結局、フロッピーにセーブしておいた元のバージョ ン 2.02 に書き戻しました。そして、このマザーボードでの 20GB ハードディスク の使用は断念し、別のマシン(最近買ったセレロン用マザーボード:PC Chip 社の M741LMRT) で使うことにしました。


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