「市町村地域福祉計画における住民参加手法について」(レジュメ)
1 地域福祉計画に求められているもの 【表1】参照
既に認知されている課題から
認知されていない課題まで(生活課題、アウトリーチケース、住民活動支援 等)
2 制度と生活課題
・要望に応えきれないケースワーカーの実感
ゴミ出し、庭の草むしり、回覧板、体調不良時の買い物、2階の掃除、車いすからの転倒時の支援・・・などなど
こうした課題は新しい課題か?→これまでどう対処されていたか?
・何か地域の役に立ちたい市民
退職後の男性・ボランティア活動への参加意欲・・・などなど
結びつかないニーズとサービス→需要も供給も潜在化していないか?
3 市町村地域福祉計画策定の困難性を乗り越えるヒント
(1)既存の枠組み概念からの脱却
福祉(障害、高齢等)カテゴリー =一般的には市民には縁遠く他者の課題ではないか。
→ 自らの課題への引きつけ =生活課題
(2)課題把握のための新しい手法の模索
量的調査(アンケート)などでは把握しにくい要素をどう把握するか。
→ 市民自身による主体的議論の継続から得られる情報の活用(グループワーク等の支援)
(3)市民主体性の維持
独断、依存的姿勢、表層的決着等をどのように避けるか。
→ 市民自身による課題についての認識(調査方法、事務作業等の支援)
市民は素人か=専門家も行政担当者も市民
各地域特性(人間関係、生活課題等)については、市民が一番専門家。
市民活動は不合理か=地域における意思決定の過程には意味がある
例)回る議論=多様性への対応の結果
=こうした視点からもワーキンググループという手法はきわめて有効
【表2】【表3】参照
4 ワーキンググループを実施する場合の具体的手法
平塚市『花水地区福祉コミュニティづくり-H13年度神奈川県地域福祉推進モデル事業報告書-』参照(WEB版は平塚市役所のこことここ)
(1)何がワーキンググループの効果的展開に寄与したか。
ワーキンググループからの直接要因分析の結果 【表4】 【表5】
参照
(2)データの活用について
ワーキンググループ活動の逐語的記録の分析例 【表6】
【図1】
【図2】
【図3】
参照
(3)その他
・既存組織、行政内部のコンセンサス 【図4】
参照
・地区の選定と全域展開
・効率的実施と人材の活用の工夫
●参考文献●
大橋謙策・原田正樹編『地域福祉計画と地域福祉実践』万葉舎、2001
社会保障研究所編『社会福祉における市民参加』東京大学出版、1996
右田紀久恵編著『自治型地域福祉の展開』法律文化社、1993
『社会福祉研究第71号−社会福祉への市民参加をめぐる論点と課題』鉄道弘済会、1998
A.Strauss/J.Corbin著南裕子監訳『質的研究の基礎グラウンデッドセオリーの技法と手順』医学書院、1999
B.Glaser/ A.Strauss著後藤隆他訳『データ対話型理論の発見』
今田高俊編『リアリティの捉え方』有斐閣アルマ、2000
箕浦康子編著『フィールドワークの技法と実際―マイクロエスのグラフィー入門』ミネルヴァ書房、1999 ほか