kermit-6.0.192 設定概論第1

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Last Update 97/09/20 19:33:57

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kermit-6.0.192 のインストール

FreeBSDを使ってパソコン通信するための環境を整えるため、kermitをインストールする。 kermitは、指定された通信ポートを通して通信するソフトである。 コンパイル方法や、インストール方法は C-Kermitのドキュメント(英語)を参照して欲しい。 ちなみに、FreeBSD 2.2.1R〜2.2.2Rにはkermitのportsが用意されているので、これを利用してインストールするのが簡単だ。

以下では、C-Kermit ver 6.0.192 を利用した場合の設定方法を述べる。 (C-Kermit ver 5A(190)とは若干設定方法が異なる。)

インストール後には、以下の操作を行う。

  1. suコマンドでrootになる。
  2. /etc/group を編集して、自分を dialer グループに所属させる。
    編集後の/etc/groupのdialerグループの行だけ以下に示す。 私のログイン名はgeorgeなので、georgeを追加しているが、各自のログイン名を記入して欲しい。 (FreeBSD 2.2.1R/2.2.2Rの場合)
    dialer:*:68:root,george
    	
以上の操作をしないと、kermitから/dev/cuaa0にアクセスできる権限が無いというエラーが出る。

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kermitの使い方

ここでは、インストールしたkermitの使い方を簡単に説明する。
kermit
とコマンドラインから入力すると起動する。 うまくインストールされていると、以下のようなメッセージを出力してkermitのコマンドモードになる。
Executing /home/george/.kermrc for UNIX...
 Dial directory is /home/george/.kdd 
 Services directory is /home/george/.ksd
Executing /home/george/.mykermrc...
Good Morning!
C-Kermit 6.0.192, 6 Sep 96, for FreeBSD
 Copyright (C) 1985, 1996,
  Trustees of Columbia University in the City of New York.
Default file-transfer mode is TEXT
Type ? or HELP for help.
[/home/george] C-Kermit>
kermitのコマンドモードは、?を入力すると、ヘルプを表示してくれるので参考にすると良い。 この状態から、c [return]と入力すると、接続モードに入る。
[/home/george] C-Kermit>c
Connecting to /dev/cuaa0, speed 38400.
The escape character is Ctrl-? (ASCII 127, DEL)
Type the escape character followed by C to get back,
or followed by ? to see other options.
接続モードでは、キーボードから入力した文字は、通信ポートへ送られ、通信ポートから入って来た文字は画面に表示される。

モデムへ文字を出力できているかどうか、試してみよう。 接続モードから AT [return] と入力してみよう。

AT
OK
うまく設定できている場合は、モデムからOKが帰って来るはずである。 接続モードからkermitのコマンドモードへ戻るには、通常は CTRL+\ c と入力する。 後で示す .mykermrc を利用している場合は、 DEL c と入力する。 (DEL c は X Window System 上の kterm からは入力できるが、コンソールからは入力できないようなので注意)

kermitを終了するには、kermitのコマンドモードからexitと入力する。

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kermitの設定 - .kermrc .mykermrc -

ここでは、インストールされたkermitの設定方法を紹介する。 .kermrcは、kermit標準のマクロや変数を定義しているマクロファイルで、各自で変更することは極力避けたい。 .mykermrcは各自の環境にあわせて設定するマクロファイルであり、通常はこちらの設定を変更する。
以下に私の設定ファイルへのリンクを示す。 これくらい指定しておけば、漢字を表示するほとんどのネットに接続する時でも大丈夫だろう。
set escape 127
という指定で、kermitの接続モードから抜ける時のエスケープキーを DEL キーに割り当てている。 標準の設定では CTRL-\ になっているので、上記の.mykermrcを利用する際には注意が必要である。
余談だが、FreeBSDのコンソールで、日本語106キーボードを使っており、keymap=jp.106x に設定している場合には、DELキーが無効になっているようだ。 この場合は、キーボードのNUMロックをオフにして、テンキーの'.'(ピリオド)がDELキーになる。 テンキーの'.'(ピリオド)と 'c' をタイプすれば、kermitの接続モードから脱出できるはずだ。
;	set log file name
というコメントの下では、通信した時のログファイル名を作成する設定がなされている。

.kermrc に定義されている CALLマクロに加えて、.mykermrcにはCALLLOGマクロを定義している。 CALLLOGマクロでは、ログファイル名の先頭につける文字列を第1引数に取り、この文字列を使ってログファイルを作成している。 このマクロは、後で記述する .ksd ファイルから利用される。

.mykermrc には、NIFLOGIN(Niftyserver用ログインスクリプト) や NCKLOGIN(Net-Cook用ログインスクリプト)も定義してある。 これらのマクロも .ksd ファイルから利用されることになる。

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kermitの設定 - kdd -

ここでは、インストールされたkermitの.kddファイルの設定方法を紹介する。 .kddファイルは、ダイヤルディレクトリと呼ばれるファイルで、電話番号とネット名の対応付けをするものだ。 1行の中に、下記の順番で記述する。
  1. ネットの登録名
  2. 電話番号
  3. コメント
以下に、私の.kddファイルを示す。
nifty2           366-1591             ; Niftyserve Road 2
nifty4           379-6711             ; Niftyserve Road 4
nifty7           320-4525             ; Niftyserve Road 7
inside           03-5966-1054         ; inside-BBS
msx              03-3985-6227         ; Mankai Special X680x0
dennou           380-4504             ; Tokyo Dennou Yuuennchi
上記のように設定すると、kermitの内部からdialコマンドを用いて名前で電話することができる。
C-Kermit> dial nifty2
上の操作で、nifty2(366-1591)にダイアルしてくれる。 モデムが「ぴーひゃららら」という音を出して、接続したら
C-Kermit> c
と入力して、kermitの接続モードに入ろう。 普通にパソコン通信できるだろう。 パソコン通信を終了する場合は、DEL cと入力すると、kermitのコマンドモードに戻る。

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kermitの設定 - ksd -

ここでは、インストールされたkermitの設定方法を紹介する。 .ksdファイルには、以下のような記述を順番に行う。
  1. 呼ばれる名前。
    とりあえずNIFTY2にする。
  2. 実行するログインマクロ名。
    .mykermrc内部で定義したオートログイン用マクロ名を書く。とりあえずniflogin2というマクロにしてみる。
  3. そのネットのID。
    私のniftyのIDはGHD00157である。
  4. 接続方法を示すマクロ名。
    ここでは、モデム経由での接続になるので、callマクロを使う。 callマクロ以外にも、.kermrcにはシリアル直結接続用のserialとかネットワーク経由接続用のnetとかの接続用マクロが最初から定義されている。
    また、私の .mykermrc にはログファイルを作成する CALLLOG マクロも定義してあるので、こちらを利用するのも良いだろう。
  5. callマクロへの引数でモデムタイプ。
    とりあえずhayesにする。
  6. callマクロへの引数で、接続するRS-232C回線の指定。
    FreeBSDでのCOM1は/dev/cuaa0とする。
  7. callマクロへの引数で、電話番号。
    町田のRoad2の電話番号を記述する。 .kdd ファイルに記述したネットの登録名を書いても良い。
以下に、.ksdファイルの例を示す。
NIFTY2      niflogin2   GHD00157 call hayes /dev/cuaa0 19200 366-1591
私の .ksd ファイルは 自作マクロ CALLLOG を利用しているので、以下のようになっている。
NIFTY2      niflogin2   GHD00157 calllog ni /dev/cuaa0 19200 nifty2
NIFTY4      niflogin4   GHD00157 calllog ni /dev/cuaa0 19200 nifty4
NIFTY7      niflogin7   GHD00157 calllog ni /dev/cuaa0 19200 nifty7
MSX         ncklogin    George   calllog sx /dev/cuaa0 19200 msx
INSIDE      ncklogin    George   calllog in /dev/cuaa0 19200 inside
DENNOU      ncklogin    SNET0203 calllog de /dev/cuaa0 19200 dennou de
calllogマクロの第1引数はログファイルの接頭語(prefix)にしてあるので、Niftyserveに接続すると ni19970808120000.log というログファイルを自動で作成するようにしている。

.ksdに定義されているホストのリストを表示させるには、listマクロ(.kermrcでデフォルトで定義されている)を使う。

[/home/george] C-Kermit>list
6 items in services directory:
NIFTY2      niflogin2   GHD00157 calllog ni /dev/cuaa0 19200 nifty2
NIFTY4      niflogin4   GHD00157 calllog ni /dev/cuaa0 19200 nifty4
NIFTY7      niflogin7   GHD00157 calllog ni /dev/cuaa0 19200 nifty7
MSX         ncklogin    George   calllog sx /dev/cuaa0 19200 msx
INSIDE      ncklogin    George   calllog in /dev/cuaa0 19200 inside
DENNOU      ncklogin    SNET0203 calllog de /dev/cuaa0 19200 dennou de
実際にアクセスするには、kermitを起動した後、accessマクロ(.kermrcでデフォルトで定義されている)を実行する。
C-Kermit> access nifty2
「ぴーひょろろろ」とモデムから音がして、接続した後に
 GHD00157's password: 
に答えてパスワードを入力してやると、SJISモードで自動ログインするようにマクロを組んでいる。

ちなみに、

C-Kermit> access nifty2 password
と、あらかじめnifty2のパスワードを入力しておくこともできる。 こうすると、nifty2へログインする際にパスワードを聞いてこなくなる。 慣れてきたらこちらの方が便利だろう。

オートログインの動作の詳細を知るには、やはり、.kermrcのaccessマクロを追いかける必要があるだろう。

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kermitの利用

kermitを利用して日本語のホストとパソコン通信をする場合には、Shift-JISを表示できる環境が必要だ。 私の場合は、kinput2 を起動しておいて、X Window System から kterm -xim -km sjis -e kermit & としている。

作成されたログファイルは Shift-JIS なので、mule からは ^u ^x ^f として漢字コードを指定してファイルをオープンすると良いだろう。

オフラインで書いておいたテキストをアップロードするときは、mule から *sjis*mac で書いておいて kermit の transmitコマンドを利用している。

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