1966 QUARTET

2012.10.08 MAEBASHI MUNICIPAL CULTURAL HALL





たまたまYou Tubeで「We Will Rock You」のプロモーション・ビデオを見たことがあったのと「QUEEN CLASSIC」のCDが市立図書館にあったのとで、アルバム1枚くらいは聞いたことがあった1966カルテット、そのコンサートが直ぐ近所のホールで行われる、それも入場料が大変お手頃価格だったので行くことにしたのだった。
当日、会場に入るとロビーのテーブル一杯にビートルズのレコード・ジャケットが並べられていて、その持ち主らしい老人がそれらの説明をしていた。
確かに1966カルテットはファースト・アルバムが「BEATLES CLASSIC」で、その点ではビートルズと無関係ではないが、こんなところで見知らぬ老人のコレクション自慢?とはなんだが場違いな感じだった。この老人の正体は後ほど判明。
ホールは1200席、ちょっといやな予感はしていたが案の定半分程度しか埋まらなかった。あとでメンバー自身もこんな大きなホールでやるのは初めてだとは言っていたが、わざわざこんな地方に来てもらったのにこの程度しかお客が入らなくて本当に申し訳ない思いだった(笑)。
客層はおおよそビートルズ・ファン5割、クイーン・ファン3割、クラシック・ファン2割、暇つぶし1割、1966カルテットのファン2割といったところか(勝手な推測だが)。
開演の合図とともにしばしの沈黙。緞帳が上がりコンサートが始まるのかと思いきや、先ほどの老人がマイクを持ってステージ前に出てきた。前説か?と思い話を聞いていると、なんとこの方は日本の初代ビートルズ担当ディレクター、高嶋さんでした。確か高嶋忠夫のご兄弟ではなかったか。
高嶋さんは1966カルテットのエグゼクティブ・プロデュサーで、ビートルズをクラシックで演奏したらさぞ良かろうという彼のアイディアでカルテットが結成されたということだった。
で、その他にも前説と言うより自慢話のような話がいろいろとあったのだが、その中の話でちょっと気がついたのが、例の加山雄三が来日したビートルズと会ったときの話。高嶋さんも当然そのとき同行したのだが、そもそもは当時人気が出だした加山雄三を、あの時代は外タレに会うと箔が付くからということで会わせることにしたとのこと。
あれ、似たような話しあったよな。誰とは言わないけど’76年頃の事(笑)。
ライブは第一部がビートルズ・ナンバー、幕の無効でしばしチューニング音が聞こえた後緞帳が上がり、1曲目は「抱きしめたい」(要するにこういう邦題をつけたのが先ほどの高嶋さんという訳だ)。
MCは自己紹介を除きバイオリンの二人が担当。今日のように緞帳のあるコンサートは珍しいとの事。「MICHELLE」をピアノとチェロで演奏したかと思うと、バイオリンの二人が客席に現れ「A HARD DAY'S NIGHT」を弾きながら客席を動き回ったり。
ビートルズをクラシックで演奏するというのが結成の動機だけに退屈な感じは無く、と言うかもともとビートルズの曲がこういうアレンジにも向いているということなのだろう。
第二部はクイーンで、緞帳があがると照明が点滅しスモークがたかれるという派手めの演出の中「BOHEMIAN RHAPSODY」でスタート。ちゃんとピアニストが手をクロスさせて弾いていた
「ANOTHER ONE BYTES THE DUST」はバイオリンとチェロの二人で、曰く”超絶技巧祭り”だとか。
アルバムを聞いたときはあまりにそのまんまのアレンジだったのでちょっと退屈な感じだったが、ライヴで聞くとかえってその辺がいいような気がした。
最後は来月発売のニュー・アルバムから、今度は「マイケル・ジャクソン」だそうで、その中から「WE ARE THE WORLD」でエンディング。その後会場中(アンコールのつもりの)拍手をしたものの2回登場して挨拶しただけ(カーテンコール?)で終わってしまった。クラシックではアンコールという概念はないんでしょうか。もしかしたら「I WAS BORN TO LOVE YOU」の後でステージから一瞬退場したのがエンディングで、その後の「WE WILL ROCK YOU」以降がアンコールだったのか?それならそうと言ってくれないとわからなかった、ちょっとクラシック慣れしていない人間には間抜けな終わり方だった。
あまりに入場料がお手頃な価格だったのでちょっとしたミニ・ライヴくらいに思っていたら、休憩を入れて2時間というフル・サイズのコンサートだった。思わぬところでビートルズの話を聞くこともできた(高嶋さんの話はこの日は7〜8分だったがいつもは30分以上しゃべり続けるとの事)。
次回はこんな値段ではちょっと無理かな。

Set List

    --- ACT 1 ---
  1. I WANT TO HOLD YOUR HAND
    (MC)
  2. NORWEGIAN WOOD
  3. HEY JUDE
    (メンバー自己紹介)
  4. MICHELLE
  5. A HARD DAY'S NIGHT
    (MC)
  6. YESTERDAY
  7. ELEANOR RIGBY
    (MC)
  8. WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS
  9. THE LONG AND WINDING ROAD
  10. LET IT BE
    --- ACT 2 ---
  11. BOHEMIAN RHAPSODY
    (MC)
  12. KILLER QUEEN
  13. BYCYCLE RACE
    (MC)
  14. ANOTHER ONE BYTES THE DUST
  15. DON'T STOP ME NOW
    (MC)
  16. FLASH
  17. I WAS BORN TO LOVE YOU
  18. WE WILL ROCK YOU
  19. WE ARE THE CHAMPION
    (MC)
  20. WE ARE THE WORLD